「立つ瀬がない」は、どんな場所に立っていられないの?その意味を解説!

自分の立場を失って苦境に陥ることを意味する「立つ瀬がない」。
この言葉の「瀬」とはどこを指している言葉なのでしょうか?

この「瀬」というのは川など水が流れる場所の中でも、その流れが緩やかになっていて浅いところ。
そこすら立つ場所がないという状況に対して「立つ瀬がない」と表現するわけですね。

ここでは、そんな立つ瀬がないという言葉が持つ意味や類義語、対義語などについて解説します。

「立つ瀬がない」とは

 

「立つ瀬がない」とは文字通り、川の瀬など立てる場所がなくなってしまったことの例えとして使われている表現です。
自分が苦しい状況に陥ることを意味しています。
まずはその詳しい意味について知っておきましょう!

「立つ瀬がない」の意味

立つ瀬がないとは、自身の面目を失うことを指します。
自分の立場を失い、苦境に陥ることも意味します。

恥ずかしさを帯びている様子が含まれる言葉です。
「危機一髪」のような命を落とすような危機ではなくとも、赤面してしまう状況にも用いられる表現となっています。

「立つ瀬」とはなんのこと?

立つ瀬がないの「立つ瀬」とは、そもそもどういう場所を指すのでしょうか?

 

「瀬」とは川の中でも水が浅く、流れが緩やかな場所のことを指します。
そういう場所は流れのある川であっても立つことができるため、ある意味では安全圏と解釈することができます。

この比較的安全な瀬さえ無い状態を、立場を失って苦境に立っている様子に例えているのです。

「立つ瀬がない」の類義語

 

立場を失う事で苦境に立つ「立つ瀬がない」。
その類義語には「面目が立たない」や「針の筵(むしろ)」、「笑いもの」などがあります。

面目が立たない

「面目が立たない」とは、恥ずかしくて顔向けできないことを意味します。
自分の失敗などによって名前に傷がつき、周りに対して顔が立たないことを指す表現です。

ちなみに「面目」とは周囲に対する体面・立場・名誉のことであり、簡単にいえば世間からの評価のことを指す言葉となっています。

「面目」と「面子」

世間体や社会的な誇りや立場を「面目」や「面子」とあらわすことがありますが、この2つの言葉の違いはあるのでしょうか。

「面目」とは

「面目」とは「めんぼく」という読みが一般的ですが、もともとは「めんもく」とも読むもので、仏教用語の1つです。

「めんぼく」は人に合わせる顔をあらわします。
それに対して、本来の「めんもく」は真の自己・本来の自分の姿を指します。
人間の最も肝心なところと解釈されることもあります。

「面子」とは

それに対し、面子は中国から入ってきた言葉です。
こちらも世間体を意味します。

ちなみに必要人数がそろう事を「面子がそろう」と表現しますが、こちらは麻雀用語とされていますので、字面は同じですが由来は異なるようです。

針の筵

「針の筵」とは、周囲の批判や非難によって心が休まらないことを意味します。

「筵」とはイグサやワラなどを編んで作る敷物のことです。
その敷物に鋭い針が植え込まれていたらどうなるか・・・、という例えで生まれたのが「針の筵」となっています。

当然、イグサやワラの代わりに針が使われている敷物に座るのは、耐えがたい苦痛ですよね!
それほどの苦痛や境遇に置かれた状況を例える言葉として、針の筵という言葉が使われます。

笑いもの

「笑いもの」とは、赤っ恥をかいたときなど恥ずかしくて人前に立てないような状態を指します。
周りに嘲笑されてしまうような場面で使われることが多いです。

「立つ瀬が無い」も自身の失敗に起因して起きることがあるため、場合によっては「笑いもの」にされてしまうので、一種の類義語といえるでしょう。

「立つ瀬がない」の対義語

 

「立つ瀬がない」には対義語としては、「面目を施す」や「面目躍如(やくじょ)」があげられます。

面目を施す

「面目を施す」とは、立派なことをして自分の評価を高めることを意味します。
面目には人に合わせる顔という意味もあるため、何か良い行いをすることで自分の顔を立てることを面目を施すと表現するわけです。

「面目躍如」

「面目躍如」とは、自身の活躍によって評判が高まり、生き生きしていることを指します。

よくスポーツなどで自分がミスしてしまったものの、次の試合などでは活躍して汚名返上をすることを面目躍如と表現したりします。
一度下がってしまった評価などを取り戻すことの表現となります。

まとめ

「立つ瀬がない」というのは、川の中でも水が浅く緩やかな流れの場所が無く、立っていられないというところから来ている言葉となっています。
自分がやらかしてしまって人に顔向けできないときに使われたり、立場がなくなって苦境に陥った状態を意味する言葉となっています。

「笑いものになった」や「針の筵な状態」、「面目が立たない」と表現されることもあります。

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