動物の「マーラ」、細く長い脚は小鹿のようだけど、実はネズミの一種

マーラは、その細長く伸びる脚が鹿のように見える動物です。
ところがその実態は、ネズミ科に分類される動物です。
ちょっと紛らわしい生き物ですね。

このマーラ、生息地が南アメリカ大陸ということもあって、日本ではあまり馴染みのない生き物かもしれません。
そこでここでは、マーラとはどういう動物なのかを見ていきましょう。

ネズミ科の動物には、他にもカピバラやヤマアラシなどの大型のものがいるのですが、マーラもまた大きなネズミの一種なんですよ!

マーラとは

 

マーラは、齧歯目テンジクネズミ科マーラ属に分類されている動物です。
まずはそんなマーラとはどういう動物なのかを見ていきましょう!

マーラの生息場所

マーラはの生息域は南アメリカ大陸です。
その中でも特にアルゼンチンの固有種となっています。

マーラが分類されるテンジクネズミ科の動物は、アルゼンチンだけではなくパラグアイやボリビアなどに広く分布しています。

マーラ自体は、アルゼンチンとチリをまたぐパタゴニア地方にのみ生息しています。
その中でも、さらに生活拠点となるのが、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを中心に広がるパンパと呼ばれる草原地帯です。

マーラの生態

マーラはネズミ科の動物でありながら、夜行性ではなく昼行性というちょっと変わったライフサイクルを取ります。

多くのネズミ科の動物は、夜行性もしくは昼でも夜でも行動します。
しかしマーラは、昼に活動するものの、夜は地面に掘った巣穴などで寝て過ごします。

なお、現在では環境の変化によってその個体数も徐々に減っており、準絶滅危惧種に指定されています。

マーラの食事

マーラは、基本的には草食でイネ科の草や木の根、果実などを食べます。

また、他の齧歯目の動物と同じようにマーラも常に歯が伸び続けてしまうため、硬いものをかじる習性があります。
食事のためだけでなく、歯が伸びすぎないようにするため、何でもかじるのです。

マーラは夫婦仲良し!

マーラの特性の中でも、特にご紹介したいのが夫婦仲良しという点です。

マーラは仲良し夫婦でペアでいつも一緒に過ごしています。
人間と同じように子育ても一緒に行う動物となっており、それら複数のペアがグループを作って大きな群れで生活することもあります。

大きな群れになると、巣穴には少なくとも1組のペアがいることで天敵から共同で守るという習性を持ちます。

マーラは大きいネズミの一種

 

ネズミと聞けば小型のものを想像する人も多いですが、マーラをはじめとするネズミの中には大きな体を持つものもいます。
マーラに至っては、細く長い脚を持つこともあってネズミというよりは小型の鹿に見えるくらいです。

マーラの大きさ

マーラはネズミ科の動物の中で世界最大を誇るカピバラやヤマアラシに次ぐ大きな体を持っています。
その大きさは体長約50cm~75cmほど、体重に関しても約6kg~15kgほどまで大きくなります。

ネズミの中で一番大きいカピパラほど大きくはない

ネズミの中でも最大種とされるのは、カピバラです。
その体長は、成獣で100~140cm、体重は大きいものだと60kg以上とされます。

マーラがネズミの中でも大型とはいえ、体格差はかなりのものになるようです。

マーラの学名の由来となった身体能力

 

マーラの学名は、その身体能力の高さから来ています。

マーラは走るのが得意!

実はマーラ、時速約50kmほどで走れる動物です。
しかもその脚力は短距離だけではなく、長距離でも活かされます。
体は小さいながらもスタミナにも優れた生き物なのです。

また、ジャンプ力も優れています。
一度のジャンプで約1.6mほど飛ぶことができるとされています。

学名は「Dolichotis」

マーラの学名は「Dolichotis」と言います。
これは「長距離を走る者」を意味しています。
走る能力の高いマーラの特徴を捉えた学名という事ですね。

また、パタゴニア地方に生息することから、「Dolichotis patagonum」とされることもあります。

なお、英名では「Patagonian hare」と呼ばれます。
こちらは「パタゴニアの野ウサギ」を意味します。

たしかにその見た目は小柄な鹿だけではなく、体格のいいウサギのようにも見えますね!

まとめ

マーラは、南アメリカ大陸に生息するネズミの仲間です。
ネズミ科の動物の中ではとても大きく、カピバラやヤマアラシに次いで大きな体をしています。
また、身体能力や運動神経も抜群な動物となっています。

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