山梨県の郷土料理「ほうとう」、そのルーツは?「うどん」とは何が違うの?

山梨県の郷土料理「ほうとう」。
麺類という事もあり「うどん」によく似た食べ物ですが、うどんとは異なる点が意外とあります。

そこでここでは、「ほうとう」のルーツや名前の由来などの紹介に加え、よく似ている「うどん」や「きしめん」との比較なども交えて解説します!

「ほうとう」のルーツは?

まずはじめに、ほうとうのルーツや名前の由来などをご紹介します。

「ほうとう」は山梨県の厳しい環境が生んだ?

ほうとうが生まれた山梨県東部の郡内地方は、寒く厳しい天候になりやすい土地でした。
そのため、米を栽培するのにあまり向いていないとされていました。

一方、麦は富士北麓で流水を用いることで冬に凍結してしまうのを防ぐ「水掛麦」という方法で栽培が行われていました。
そのため、米ではなく小麦粉を使った料理が生まれた料理の「ほうとう」が生まれたとされます。

「ほうとう」の名前の由来は?

「ほうとう」という名前の由来には諸説があります。

「はくたく」から来たとする説

ほうとうはもともと、「餺飥(はくたく)」と呼ばれていたとされます。
この言葉は奈良時代の辞書である「楊氏漢語抄」に掲載されている言葉で、これが訛ったことで「ほうとう」になったのだとか。

「宝刀」から来たとする武田信玄にまつわる説

ほうとうには「宝刀」を語源とする説もあります。
こちらの説では、山梨県にゆかりのある武将・武田信玄が自らの刀で具材を刻んだという伝説が由来とされています。

「放蕩」から来たとする説

ほうとうという名前は、煮込んでいる間の空いた手間と時間で「放蕩」することができるという調理時間の長さから命名されたともされます。

「はたく」から来たとする説

ほうとうの原料である小麦粉は、小麦を杵で叩いて作られていました。
山梨の方言には「叩く」ことを「はたく」と表現することがあったため、小麦粉を作る作業を「はたく」と呼ぶようになりました。
そして穀物の粉を「はたきもの」と呼称するようになりました。

この「はたきもの」もしくは「はたく」という動作がが変化して「ほうとう」になったともいわれています。

山梨県を代表する郷土料理としての「ほうとう」

ほうとうは、山梨を代表する郷土料理です。

「農山漁村の郷土料理百選」に選出されているほうとう

ほうとうは、農林水産省が定めた「農山漁村の郷土料理百選」に選出されています。

「農山漁村の郷土料理百選」とは、全国各地の農山漁村で脈々と受け継がれ、かつ「食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味」として、国民的に支持されうる郷土料理を平成19年度に農林水産省が定めたものです。

同じ山梨の郷土料理「吉田のうどん」はほうとうとは別物

山梨の郷土料理には、「吉田のうどん」というものもあります。
ほうとうは見た目が似ていることから同じものに扱われがちですが、実は全く別物。

「吉田のうどん」が生まれたのは明治初期の富士吉田。
ほうとうが使うのは「うどん」とは別物ですので、歴史も料理としての特徴も異なります。

「うどん」との違い

「ほうとう」は「うどん」とよく似た料理です。
しかし、どのような違いがあるのでしょうか。

ほうとうは「塩」を加えない

うどんは生地を打つ過程で食塩を加えます。
しかし、ほうとうは一切食塩を加えないで作ります。

ほうとうは生地に食塩を加えないため、うどんやきしめんよりも麺のコシが少なくなります。

ほうとうは「麺」とは限らない

そもそもほうとうとは、小麦粉を練ってざっくりと切ったものを、野菜などの具材と共に味噌のお汁で煮込んだ料理を指す言葉。

そのため、地域によっては麺の形状とは限りません。
「すいとん」のような小さなお団子状の塊で調理されることもあります。

「きしめん」との違いは

ほうとうと似た形の料理として、「きしめん」が挙げられます。
こちらはほうとうとはどう違うのでしょうか?

「きしめん」とは食文化圏が違う

きしめんは、愛知県が発祥とされる麺類です。
山梨県で生まれたほうとうとは、食文化圏がまったく異なります。

きしめんの名前の由来は、キジの肉を入れていたために「きじめん」と呼ばれていた、紀州で作った「紀州麺」が訛ったなど諸説あります。

「きしめん」はうどんの一種

麺に食塩を加えず、コシのない麵が特徴的なほうとう。
それに対し、きしめんにはしっかりとコシがあります。
何故なら、きしめんはうどんの一種だからです。

きしめんを作る工程はうどんとほぼ同じです。
小麦粉に食塩と水を加え、こねたものを延し、細長く切って麺にしたものです。

<ほうとうは「ほうとう」という別の食べ物であり、きしめんは形の少し違ううどんだと思うと覚えやすいですね。

まとめ

山梨県の郷土料理「ほうとう」。
そのルーツは米などを育てにくかった、山梨の環境から生まれたものとされます。

うどんにもよく似ているとされますが、実はうどんとは全く別の食べ物。
塩は加えませんし、麺状とも限りません。

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