「百舌勘定」とはどんな意味の言葉?「百舌」とはなんのこと?

他人に奢ってもらってばかりの人を「百舌勘定」と言うことがあります。
また、相手にばかりお金を出させることも「百舌勘定」と言ったりします。

ではなぜ自分の財布を出さないことを「百舌勘定」と表現するようになったのでしょうか。
ここでは、この「百舌勘定」という言葉について、その意味や由来について見ていきましょう。

「百舌勘定」とは

 

まずは「百舌勘定」という言葉の意味について見ていきましょう。

「百舌勘定」の意味

「百舌勘定」とは、勘定の時に自分は金を出さないで、他人にばかり出させることを言います。
口先でうまくごまかすことで、いつも相手に奢ってもらい、自身は奢ることはもちろんお金を出すこともしない人に対しても用いられます。

また、ずる賢く立ち回ることで自分が得するようにする人なども意味します。

これは「百舌勘定」にはならない

自分の財布を出さずにおごってもらおうとする人のことを「百舌勘定」と言いますが、上司や先輩に奢ってもらうことは該当しません。

「百舌勘定」は同僚や同級生など、対等な立場であることが前提となります。
全員が同等を負担すべき場面で負担しないことに使用される言葉となります。

「百舌勘定」の由来

 

ここからは、「百舌勘定」という言葉がどのようにして生まれたのかを見ていきましょう。

百舌とは鳥の「モズ」のこと!

「百舌勘定」の「百舌」とは、鳥の「モズ」のことです。
百の鳥の鳴き声を真似できるとさせることから「百の舌を持つ鳥」という表記がなされているとされています。

百舌勘定の由来となった昔話

昔々、あるところに鳩と鴫と百舌の3羽が一緒にいました。
ある日、その3羽で15文の買い食いをしたそうです。
この時、口のうまい百舌は鳩と鴫を言いくるめ、鳩に8文と鴫に7文をそれぞれ出させて自分は1文も出すことなく勘定を済ませました。

この昔話から、「百舌勘定」という言葉が生まれたとされます。

他にもある「百舌」に関わる言葉

 

他にも、舌に関する言葉はありますので、ここからは舌の生態から来た言葉についてご紹介します。

百舌の速贄

「百舌の速贄」とは、百舌の習性から来た言葉のひとつです。
百舌はその気性の荒さと狩りの恐ろしさから、江戸時代には「モズタカ」と呼ばれていたそうです。

特に捕獲した獲物を枝などに突き刺したり、挟んだりする習性は、「百舌のはやにえ」と呼ばれるようになりました。
この行動は、百舌を代表する特徴と言っても過言ではありません。

なぜ、なぜわざわざ捕まえた獲物を串刺しにしておくのか。
それには、食糧を保管しているという説や狩猟本能という説、縄張りを主張しているという説など諸説あります。
中には、すぐに食べてしまうこともあるので、獲物を裂いて食べやすくしているだけという説もあります。

他にも、繁殖に向けて鳴き声の質を高め、より多くの栄養を摂取するために大量の餌を蓄えているという説もあります。

百舌鳥の高鳴き

「百舌鳥の高鳴き」とは、百舌が尾を回しながら大きな声で鳴くことを言います。

百舌は縄張りを1羽ごとに1つ持っており、同じ百舌同士で縄張り争いをすることもあります。
その際に「キィーキィー」と非常に高い声を出すことから、高鳴きと呼ばれています。

時には縄張りに入ってきた他の動物と戦うこともあり、縄張り争いで獲得した場所を守りながら冬を越す習性があります。

鵙日和

「鵙日和」とは、百舌の鳴き声が引き締まるような澄んだ秋のことを意味します。
また、百舌の鳴き声が秋晴れの空に響くことを指すこともあります。
俳句や短歌などの季語として用いられる言葉となっています。

ちなみに、「鵙」とは百舌を漢字一文字で表記した際の漢字となります。

まとめ

「百舌勘定」は。会計などで相手にばかり出させて、自分はお金を出さないことを指す表現です。
同僚や同級生といった対等の立場の人間と、支払いなどを同等を負担すべき場面で負担しないことに使用されます。
そのため、上司や先輩に奢ってもらうことは指しません。

この言葉は、鳥の百舌に関する昔ばなしから生まれた言葉とされています。

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