インド北西部で50年間虐待を受けていたゾウの“ラジュ”が無事救出され、その際に流した涙が世界中で大きな話題となっています。
野生動物の救助活動に取り組む団体、“ワイルドライフSOS”が、インド北部ウッタルプラデシュ州アラハバードで救出されたゾウの“ラジュ”。救出チームのコメントによると、救出される際にゾウの目から涙があふれたと言います。「私たちも深く感動した。ゾウがあんな風に泣く姿は見たことがない」と。
その後、専門家によって調査されたことによると、ラデューはおよそ50歳で、子ゾウのころに捕獲されたのち、何度も売買され、インド北部のウッタル・プラデーシュ州アラハバードで毎日奴隷のように働かされ、歩けないよう刺のついた足枷で縛られていたため足にはひどい傷跡が残っていたそうです。
救出時の映像
ラジュに装着させられていた鋭い刺がある足枷
救出には、野生生物の専門家10人と職員30人のチームで8時間かけて行いました。“ラジュ”は栄養失調に陥っており足かせを外された後、今度はうれし泣きのような涙を流したとのこと。
今では元気を取り戻しつつある“ラジュ”だが、専門家によれば、これまでのひどい虐待を受けたことから、人間の優しさを受け入れられるようになるまでには今後数年以上はかかってしまうと言います。
このような悲劇を繰り返さないため、ワイルドライフSOSはこれからも活動していくとのことです。