
私たちの身近にある「植物」。
癒しや美しさの象徴として愛される存在ですが、そんな穏やかなイメージを根底から覆す “ 恐ろしい植物 ” が、実はこの日本にも存在します。
なかには、わずかに触れただけで命に関わるものや、昔から「呪いの道具」として使われていたものも──。
今回は、専門家も警鐘を鳴らす「絶対に触れてはいけない禁断の植物」を、実話エピソードとともにご紹介します。
目次
① ドクウツギ(毒空木)
見た目は可愛らしい白い花と、艶やかな赤い実。
でも、その正体は「日本三大有毒植物」のひとつとされています。
全草に強い毒性があり、特に実には神経毒が含まれており、誤って食べると数時間以内に呼吸麻痺で死亡する危険性も。
特に果実には猛毒のシクトキシンが含まれ、わずか数粒の摂取で呼吸麻痺を引き起こし、死に至ることもあります。
過去には意識不明となる事故も報告されており、専門家からも「見た目で判断してはいけない」と警告されるほどの “ 触れてはならない植物 ” です。
② トリカブト(鳥兜)
美しい紫の花を咲かせるトリカブトは、「山野草の女王」と呼ばれる一方で、 “ 殺人植物 ” としても知られています。
その毒は「アコニチン」と呼ばれ、わずか1〜2グラムで致死量に達するほどの猛毒。
古代では暗殺にも使われた歴史があり、現代でも誤食事故が絶えません。
根の部分に強い毒があり、山菜と間違えて食べた事例も多く報告されています。
③ マンドレイク(マンドラゴラ)
ヨーロッパ発祥の伝説的植物ですが、日本でも観賞用として流通しているため注意が必要です。
特に根の形が「人間そっくり」と言われており、引き抜くと悲鳴を上げ、聞いた者が死ぬという伝説まで。
含まれる成分は幻覚作用を引き起こすアルカロイド系。
かつて海外の若者が観賞用の葉を煎じて飲み、錯乱状態で緊急搬送されたという事例も。
④ ジギタリス(キツネノテブクロ)
鮮やかなピンクや紫の花が人気のジギタリスですが、こちらもまた毒草。
心臓の筋肉に作用する成分を含み、過剰摂取すると心拍数が乱れ、最悪の場合は心停止に至ることも。
観賞用として庭に植えている家庭もあるため、特に小さなお子さんやペットがいる場合は要注意。
花や葉に触れた手を口に運んでしまうだけで、命に関わるケースもあります。
⑤ ストリキニーネ樹(マチン)
東南アジア原産のこの木は、日本ではあまり知られていませんが、知る人ぞ知る “ 猛毒の木 ” 。
果実や種子に「ストリキニーネ」という毒が含まれ、神経を強く刺激し、けいれんや呼吸困難を引き起こします。
この植物は、強力な神経毒が含まれています。
わずか数ミリグラムでも摂取すると、筋肉のけいれん、痙攣、最終的には呼吸困難により死に至る危険性があります。
実話:
19世紀ヨーロッパでは、この毒が暗殺や処刑に使われたとされる記録が複数残されています。現代においても、東南アジアやアフリカの一部地域では誤って摂取した子どもが命を落とす事故が続いており、その危険性は今も変わっていません。毒性の強さから、専門家ですら「制御不能」と語るほどで、決して軽視できない存在です。
自然は優しさだけでできていない
私たちは植物に対して、どこか “ 安心できる存在 ” というイメージを持っています。
でも、自然の中には人間の常識を超えるほどの「美しさと恐怖」が混在しているのです。
知識がなければ、花壇の隅や山道の先にある植物が、命を奪う存在になってしまうこともある──。
だからこそ、軽い気持ちで触れない、口にしない。そして「知らない植物には近づかない」という意識が、命を守る最初の一歩になるのです。