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温かくて素敵な「木の車椅子」を作りたい!
とある木工工芸家が多くの人の心を動かして話題となっているのでご紹介します。
「木の車椅子」を作るために熱い情熱を注いでいるのが、木工工芸家の須田修司さん。須田さんは、北海道札幌市の隣町、当別町という田舎町の、廃校になった元小学校の校舎を利用してオーダーで家具を作っています。
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こちらが元小学校の校舎を利用した工房。
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目次
構想は2009年から。製品化へ向けて試作品づくりを継続
須田さんは、2009年から「木の車椅子」の構想を練り始めたといいます。パーツの設計・試作から始め、2013年から全体のデザインを決めて、本格的な試作を開始したそうです。
こちらが試作品。上から1号機・2号機・3号機。木のぬくもりが伝わってくる温かみのある車椅子です。
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平面でデザインを書きおこし、1/5サイズの模型を作り、さまざまな角度から美しさを確かめているそうです。
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ミニチュアは、人形が乗るほどの手のひらサイズだそうです。
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安全面などの理由から、使用する金物も全て特注で作ってもらっているそうです。随所にこだわりが感じられますね!
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素人目には、どれもこれも製品として完成しているように見えますが、実際に乗ってみると細かい欠陥があるということで、ブラッシュアップを日々重ねたといいます。また、須田さんは「大きな欠陥を修正するのは簡単だけれども、細かな部分を修正したり、原因を突き止めて潰していく作業の方がずっと大変だった」と語っています。
「木」という素材の限界…そこに挑む日々
立ちはだかったのは、「木」という素材の限界だったといいます。バランス、強度、デザイン、精度の面で、実用化するために乗り越えるべき壁が多々あったといいます。フットブレードは上がらなきゃダメ…。ストッパーがないとダメ…。段差を乗り上げる際、補助の方がテコで力を加える機能は必要…など、専門家から意見をもらいながら試作を繰り返しました。
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須田さんは「木」への想いをこう語っています。
毎日、真摯に木と向き合っていると、木という素材の温もりとか癒しの効果は、他の素材では代用出来ないことを実感します。そして、その扱いの難しさも。「ああ、生き物を扱っているんだなぁ」、という感覚があります。今回、木の車椅子を作ろう!と思ったきっかけも、根本はそんなところにあります。
4号機の試作に挑むため、クラウドファウンディングで支援を呼びかけた
須田さんは試作品の3号機を作った段階で、試作のための費用が底をついてしまったといいます。そこで、クラウドファウンディングで試作品4号機を作るための支援を呼びかけました。すると、須田さんの「木の車椅子」とそこにかける情熱に多くの人が賛同。2月12日の段階で目標としていた金額(50万円)を突破し、120万円以上が集まりました。
須田さんは、4号機、5号機、6号機と試作を経て、2016年秋~2017年春には発表したいと語っています。すごい情熱ですよね。何が須田さんをここまで突き動かすのでしょうか。以下、須田さんが掲げていた木の車椅子のコンセプトです。
・この車椅子に乗っている事にステータスを感じ、人に見せたくなることにより、より一層の社会生活への積極的な参加を促す。
・この車椅子に乗って、バリバリと活動している方を見ると、格好良い、負けていられない、あんな生き方をしたいと自分を見つめ直し、勇気づけられる。
・車椅子を使う人だけでなく、それを使っているのを見た人の心、生き方にまで影響を与えられる。そのようなものを作りたいと思っています。
素晴らしいコンセプトだと思います。この考え方が根本にあり、須田さんの原動力となっているわけですね。温かみのある木の車椅子の製品化を、ぜひ実現してもらいたいです!ちなみに、須田さんの活動についての詳細はこちらでご確認いただけます。
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出典:readyfor.jp / tabisuruki.com