
※本記事はFUNDO編集部へ寄せられた体験談を元に作成しています。
実際の個人情報の特定を避けるため、一部フィクションおよび編集を加えております。
こちらは60代の幸恵さん(仮名)から寄せられたエピソードです。
幸恵さんは、ご主人の由紀夫さんと2人暮らし。
3人のお子さんも独立し、今は穏やかで静かな日々を過ごしています。
定年退職した由紀夫さんは、週に2〜3回アルバイトに出かけており、2人のペースでのんびりと暮らしているのだそう。
目次
ご主人と2人での旅行
そんなある日、結婚40周年を迎える記念に、2人で旅行へ行くことに。
せっかくだからと、久しぶりに新幹線で少し遠出をする計画を立てました。
旅行当日、新幹線に乗り込んだ2人。
指定席に座ると、ちょうど後ろの席には小さな子ども連れのファミリーが座っていました。
2〜3歳くらいのそのお子さんは元気いっぱいで、足をバタバタ。
「ちょっと嫌な予感がするなぁ・・・」と、幸恵さんは思いました。
しばらくすると案の定、お子さんが「座りたくない!」とぐずり始めました。
お母さんとお父さんは、お菓子をあげたり動画を見せたりと必死です。
「うちの子も、こんな時期あったわねぇ」
懐かしい気持ちで微笑む幸恵さんに、由紀夫さんが小声で言いました。
「うるさいなぁ・・・」
「まぁ、仕方ないよ。もう少しで着くし」となだめたその直後・・・。
新幹線で泣き叫ぶお子様・・・
「ギャーーーーーッ!!!」
車内に響く大泣きの声。
幸恵さんも周りの乗客も思わず肩をすくめました。
お母さんは謝りながらお子さんをあやし、お父さんは必死に抱っこしますが、泣きやむ気配はありません。
「もう少しで着くし、大丈夫よ」と心の中で思っていたその時でした。
突然、由紀夫さんが後ろを振り返り、
「さすがに、もうちょっと静かにさせてくれる?」
と、少し強い口調で言ったのです。
車内が一瞬、静まり返りました。
幸恵さんは慌てて「すみません・・・」と頭を下げました。
するとお母さんも「こちらこそ、うるさくしてしまって本当にすみません」と恐縮してくれました。
お父さんは泣き叫ぶお子さんを抱きかかえ、デッキへと移動していきます。
年々気が短くなるご主人
「そんな言い方しなくてもいいじゃない」と幸恵さんが言っても、
由紀夫さんは「フン」と頷くだけ。
目的地に着くまで、幸恵さんの心臓はドキドキしっぱなしでした。
「昔はもっと穏やかだったのに、最近ちょっと気が短くなってきたような気がするのよね」
40年連れ添ってきた夫の変化に、少し寂しさを感じたという幸恵さん。
それでも、「お互い、年を重ねたんだな」と、しみじみ思った旅だったそうです。
※本コンテンツのテキストの一部や画像は、生成AIを使用しています。