「きっと天国へ届いたよね」急死したチームメイトに捧げる涙の先頭打者ホームラン

2016.09.29 2018.03.12

「きっと天国に届いたよね…」

9月25日、不慮のボート事故によって急死したメジャーリーグマイアミ・マーリンズの若きエース ホセ・フェルナンデス選手。近い将来にメジャーリーグを代表する投手になるとまで言われていた選手です。また、この悲劇は婚約者が妊娠していることを発表した矢先に起こりました。

亡くなった翌日に追悼試合が行われました。その試合で、ホセ・フェルナンデス選手とは大の仲良しだったディバリス・ゴードン選手が先頭打者ホームランを放ち、世界中の野球ファンの涙をさそっています。

本来、左打者のゴードン選手ですが、初回の打席はフェルナンデス選手が立っていた右打席へ。ヘルメットも故人のものを被りました。そして、フェルナンデス選手を真似た打撃フォームで相手投手の投じた初球を見逃します。これは故人を悼む意味で行われ、観衆からは大きな拍手が沸き起こりました。

そして、ゴードンは自身のヘルメットに被りなおし、本来の左打席へ。そして初球でした。親友への想いをのせた打球は美しい放物線を描いてスタンドへ。まさかの先頭打者ホームラン！打った本人、出迎えるチームメイト、スタンドの観客、そして相手チーム・メッツのメンバーも思わず涙します。

ちなみに、マーリンズの全選手がこの試合ではフェルナンデス選手が付けていた背番号16でプレー。チームメイト、多くのファンに心から愛されている選手でした。

フェルナンデス選手は自身が小さい頃、第1回WBCでイチロー選手の活躍を見て「イチロー選手に会いたい」という夢をもっていたといいます。そして、マーリンズでイチロー選手とチームメイトになり夢を叶えました。

イチロー選手は、追悼試合でフェルナンデス選手に捧げるヒットを放ちました。こちらは試合前のミーティング時の様子。沈痛な面持ちのイチロー選手。涙をこらえ、深い悲しみが伝わってきます。

マーリンズのオーナー、ジェフリー・ロリア氏は追悼試合の日、背番号「16」を欠番にすることを発表しました。

ゴードン選手のホームラン。天国のフェルナンデス選手のもとへ届いたはずです。