東京ノスタルジック!1781年から13代続くレトロな駄菓子屋『上川口屋』に行ってみた

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小さい頃、大好きだった駄菓子屋。放課後、おこづかいを握りしめ、胸をおどらせながら走っていった駄菓子屋の風景は、今でも頭の中に鮮明に焼き付いています。

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今では、あまり見かけなくなった駄菓子屋…。しかし都内には、まるであの頃の思い出の風景を、そのまま箱にしまっておいたかのような懐かしいお店があるのです。

雑司ヶ谷で江戸時代から続く駄菓子屋『上川口屋』

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舞台は、都電荒川線の走る豊島区雑司ヶ谷

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出典:楽しい御朱印めぎり
そのお店は、鬼子母神堂(きしもじんどう)の境内にあります。

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そのお店の名前は、『上川口屋(かみかわぐちや)』。『上川口屋』は、1781年から235年も続く老舗中の老舗です。

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女性店主が一人で切り盛りするこのお店は、奇跡的に空襲を免れた為、この様な昔懐かしい姿のまま、今ここにあるのだそう。

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建物自体もそうですが、そこに流れる空気や時間も、なんだか胸がぎゅっとするくらい懐かしくて、切ないようなくすぐったいようなそんな不思議な気分になる素敵なお店です。

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出典:livedoor.blogimg
このお店は、あのジブリ映画『おもひでぽろぽろ』に出てくる駄菓子屋のモデルになったことでも有名。

この絵、ホントそのまんまといった感じですよね。

『上川口屋』13代目の女将さんにインタビュー

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そんな『上川口屋』を一人で切り盛りするこちらの女将さん。お店についていろいろとお話を聞かせていただきました。

【上川口屋の歴史と、昔の子供・今の子供】

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(約50年前の上川口屋の写真。左が14歳の頃の女将さん、真ん中が養母さん、右が女将さんのおばあさん)

―『上川口屋』は、女将さんの代になってから何年目ですか?
母が27年前に亡くなったので、名義自体が変わったのは27年前なんですが、昔は今と違って、学校が終わったら家のお手伝いをするのが普通だったので、お店に立つようになってからはもう65年くらい。

―えっ、65年?すごいですね。何歳くらいの頃からお店に立っていたんですか?
学校が終わってから店番をしていたので、10歳くらいの時からお店には立っています。

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―お客さんのメインはやっぱり子供たちなんですか?
それがですね…勿論来るんですが、今の子供って主にコンビニにいくでしょう?コンビニに駄菓子を扱ってるのはご存知ですか?

―ああ、ありますね!
だから、(逆に)「コンビニに置いてあるものがどうしてここのお店にもおいてあるの?」なんて言ったりするんですよ(笑)。

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―じゃあ、昔こういった駄菓子屋さんに来ていた大人たちが懐かしがってきたりするんですかね?
そうねえ。大人の方が喜んできたりしますね。

―女将さんから見て、昔の子供と今の子供ってどう違いますか?
そうねえ、昔の子供たちは今みたいにお稽古事も少なかったんで、ここが遊び場だったんです。駄菓子を食べながら、男の子はメンコ・ビー玉・飛行機飛ばしなんかをやって、女の子はリリアン・ゴム飛びなんかしながらここで過ごしてたんです。

今の子はなんかこういうの(ゲームの動作を手振りでしながら)みんな持ってるじゃない?だから、食べ物は少し買っていくけどここでは遊ばないんです。

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―はぁ~、変わったんですね…。
変わってきたのよ。ラムネだって、ここで売ってますけど昔はガラス瓶だったのよ。今はペットになったけど。

それで、昔の子はビー玉遊びをするのに、この(ラムネ瓶の中の)玉一個が欲しくて欲しくて…その一個のビー玉の為にすごく厚く出来ているガラス瓶を割って取り出していたような時代だったのね。

今は、ペットだから上のキャップを回せば簡単にとれるようになって…。ところが、今の子にそれを教えても、見向きもしないの(笑)

―へぇ~!!
ゲームがあるからね。そんな時代です。

上川口屋の売り上げベスト5を聞いてみた

―因みにお店の売り上げベスト5みたいなものを教えて下さい。
そうね!順番っていうのはないけど人気の商品を5つならあげられますよ。

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まずはこの『きな粉あめ。』これは、大人も子供も好きですよ。

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これは、クジがついていて爪楊枝が赤くなっていたらあたりです。

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それから、子供に人気なのがこの『糸引きあめ』。上から糸を引っ張るんですけど、あめの大きさや味が違うんです。子供はやっぱりくじが好きだから。

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あとこのイカ系は、大人も子供も皆さん好きです。

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それと、『みるくせんべい』『梅ジャム』のセット。塗って、挟んで食べるのよ。

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あとこの『ミルクキャラメル』はね、70代の男性がよく買っていくの。今これ130円だけど、当時20円だったの。

当時はおこずかいをもらえても、せいぜい5円の時代だったから、20円のキャラメルなんて、欲しくても買えないじゃない。ところが、ある男性のお母さんが遠足の時、こっそり買ってリュックに入れておいてくれたんですって。

それで、“ああ、懐かしいな。あの時お袋が買ってくれたな…”って思ってつい買っちゃうんですって。

―めっちゃいい話ですね…。女将さん、ありがとうございました。

『お菓子は、300円までルール』に、30代編集長とライターが挑戦!

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駄菓子屋といえば、最も印象深いのが遠足の前日。学校に決められた金額300円を握りしめて、ああでもないこうでもないと、そのラインナップを考えあぐねましたよね。

ということで、(元)男の子代表として30代編集長が、(元)女の子代表として30代ライターが、300円ルールに挑戦!(元)男の子と(元)女の子では、どんな差が出てくるのでしょうか?

【30代男性編集長の選んだ300円分のお菓子】

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まずは、(元)男の子代表・編集長のセレクトから。カレースナック・うまい棒・ガム・50円チョコ・ヨーグル・チョコの麩菓子・のしいか・きな粉あめ・飛行機のおもちゃ9点

そのラインナップに、おもちゃが入ってくるところや、そのおもちゃが300円中の130円とほぼ半分を占めるところなんか、いつまでもロマンチストで非常に男の子っぽいですよね(笑)

【30代女性ライターの選んだ300円分のお菓子】

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続いて、(元)女の子代表・ライターのセレクト。人参・さくら大根・うらないチョコ・粉ジュース・ラーメンスナック・餅太郎・すもも・ソフト菓子・みるくせんべい・梅ジャム・カルメ焼きの11点。限られたお金で、より多くの、そしてより色々な味のお菓子を選んでいるところなんて、欲張りな女の子らしさがモロに出ています。

大人になっても、セレクトに結構差が出るもだな(笑)面白い。

取材に訪れて…

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今回取材させていただいた『上川口屋』さん、ノスタルジー溢れる本当に素敵なお店でした。レトロで味のある建物、そこでひしと並ぶ駄菓子たち、始終笑顔で話してくれる女将さん…空気、木漏れ日、そのすべてがこの懐かしい雰囲気を作り出しているんだと思います。

きっと大人が来てもついつい童心にかえってはしゃいでしまう…そしてそれが許される…そんなお店がこの『上川口屋』なのだと思います。

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上川口屋
所在地:東京都豊島区雑司ヶ谷3-15-20 鬼子母神境内
営業時間:10:00~17:00(荒天候時は休業)
アクセス:雑司が谷駅(東京メトロ)から196m


出典:楽しい御朱印めぎり


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