
頭の上にバナナが乗っている・・・なんて勘違いしてしまいそうなユニークな見た目をしている鳥「サイチョウ」。
サイチョウは突起のある面白いクチバシを持つ鳥で、名前の由来もそんなクチバシに関係しているとされています。
そこで、ここではサイチョウがどのような動物なのかを見ていきましょう。
目次
サイチョウとは

サイチョウは、サイチョウ科サイチョウ属に分類される鳥です。
サイチョウの生息域
サイチョウは、東南アジアのインドネシアやタイ、ブルネイやマレーシアの熱帯雨林を生息域としています。
主に低地や山地の鬱蒼とした森林、標高1,400メートル以下にある林や沼地林などを好む習性があります。
かつてはシンガポールなどの地域にも生息していたものの、この地にいたものは現在では絶滅してしまったとされています。
サイチョウの生態
サイチョウは樹上生活をする鳥で、巨木の樹冠部を好むために地表からははなれた場所で暮らしています。
その食性は雑食性と考えられており、木の実や果物だけではなく昆虫の他、爬虫類や両生類をはじめとした小動物などを食べているとされます。
樹洞を利用して作る巣で、安全を確保しながら子育てします。
クチバシに突起のあるサイチョウ

ひときわ目を引く、サイチョウの突起のあるクチバシ。
では、この突起はどういうもので、どのような役割があるのでしょうか?
突起は「カスク」とよばれる
サイチョウの頭にある突起は、カスクと呼ばれており、サイチョウの名前の由来にもなっています。
このカスクは別名「赤い象牙」とも呼ばれるほど貴重なもので、現地ではこのカスクを求めて密猟などが横行しているそうです。
それによって個体数が減り、近年では絶滅の危機に瀕しています。
「カスク」はなぜある?
このサイチョウのカスクは、オスのサイチョウ同士が縄張り争いや配偶者争いをする際、互いの頭をぶつけ合って戦うときに使われます。
つまり、サイチョウにとってカスクは最大の武器ということですね!
名前の由来も「カスク」から
このカスクが、サイチョウの名前の語源にもなっています。
サイチョウが持つ角質の鶏冠であるカスクから、サイの角を連想されました。
そこから、学名に「Buceros rhinoceros Linnaeus」と付けられました。
学名の「rhinoceros」の部分は、サイという意味です。
これが和訳され、サイチョウと呼ばれるようになったとされています。
ちなみに、カスク単体は「犀角」とも呼ばれます。
中には「カスク」が目立たない種もいる
サイチョウの仲間は、世界中に多くの種類が点在しており、中にはカスクがあまり目立たない種類もいます。
その中でも特に赤くて目立つ立派なカスクを持つサイチョウが乱獲され、密猟の対象となってしまっているわけです。
もちろん、他のサイチョウも密猟されることがあるため、近年では保護活動がより進められています。
世界にいる目を引く鳥

世界にはサイチョウの他にも、目を引く姿をした鳥たちがいます。
飛べるのか不思議に思うほど大きいくちばしをした「オオハシ」

オオハシは、巨大なクチバシを持つ鳥です。
体長の約3分の1ほどがクチバシとなっています。
クチバシが大きい理由ははっきりとしていません。
果実をとりやすくするためだったり、仲間同士で個体識別するためだったり、警戒時に威嚇として使うためだったりといったことが考えられています。
このオオハシのクチバシは、意外と軽いのため、ちゃんと飛ぶこともできるようですが、あまり飛ぶこと自体は得意ではないのだとか。
クチバシも目を引きますが、そのカラフルな体も特徴的です。
モヒカンのような羽冠の「ヤマセミ」

ヤマセミは立派な羽冠を持つ鳥で、白黒のモノトーンカラーの体をしています。
ハトほど大きな体をしており、カワセミの中でも最大種とされています。
まとめ
サイチョウのクチバシには、しおれたバナナのようにも見えるものがのっています。
これはカスクと呼ばれており、オス同士が喧嘩をする際に武器として使用されえています。
この特徴的なカスクが、現地では「赤い象牙」といわれるほど珍品とされることから目を付けられ、乱獲されてしまっています。
保護活動が進められているのですが、それでも密漁は止まらないようです。
密猟、ダメ絶対!