「何でもかんでも規制ばかりだな」「寂しくなる…」
年末年始恒例の“餅つき”イベントを禁止する地域が出てきたことが報じられ、ネット上でさまざまな議論を呼ぶなど話題となっています。
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集団食中毒が発生する恐れ…一部の自治体が判断
餅をちぎったり丸めたりして人の手に触れる工程が多いため、菌やウイルスが付きやすく、集団食中毒が発生する恐れがあるとして、一部の自治体が判断したそうです。
これに対しては、農家やJA職員、消費者から「祭りで餅つきができないのは寂しい」「衛生管理は重要だが、規制をかけるのは行き過ぎだ」といった声が挙がっているといいます。
出典:twitter.com
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保健所から「食中毒の危険がある」としてやめるよう指導を受けた
とある都市近郊のJAは約6年前、祭りで長年実施してきた餅つきを中止したといいます。長年地域に親しまれてきましたが、保健所から「食中毒の危険がある」として、やめるよう指導を受けたためだそうです。
「餅つきは収穫の喜びを分かち合う昔ながらの行事。消費者も喜んでいたのに」と多くの人が惜しんでいたといいます。この地域の保健所によると、餅つきは食中毒の要因となる菌やウイルスが付きやすく、屋外で実施する場合は手洗いや器具洗浄が徹底できず、ウイルスのまん延を招きやすいとして「制限はやむを得ない」と話していたといいます。
厚生労働省監視安全課によると、餅つきを原因とした食中毒発生件数の統計はないそうですが、餅を原因にした食中毒は、2013年が4件(1件が桜餅)、14年が桜餅で1件、15年が1件発生。13年のうち1件は「餅つき会」のイベントが原因と特定されているそうです。同課によると、餅つきは食品衛生法の営業許可は原則不要で、都道府県や政令指定都市、保健所を管轄する自治体が個別のルールを設けているといいます。
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「餅つきは禁止できない」…注意喚起を徹底しているという地域も
米どころの新潟県は、屋外で実施する場合にはテントを設置するなど衛生面の対策を徹底しているといいます。県は「餅つきは禁止できない。注意喚起を徹底している」と話しているそうです。北海道、秋田、岩手、山口、愛媛、熊本の各県などでも禁止する条項は設けていないといいます。
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この件については、さまざまな意見が寄せられていました。確かに衛生管理は重要な問題ですが、餅つきは伝統行事であるとともに、子供にとっては貴重な食体験のひとつでもあります。規制する前段階で、保健所に衛生管理対策として何か良い方法を提示してもらうといったことも必要なのではないかと思います。
一概に何が良い悪いかは難しい問題ですが、年末年始恒例の風景が見られなくなることは寂しいですね。