出典:instagram
この写真の男性は、現在スペインで英雄として語り継がれる存在となっています。彼はマルベラという街出身の”パブロ・ラエス”さん。実は彼は2017年2月25日、20歳という若さでこの世を去ってしまいました。白血病でした。なぜ彼がスペインで英雄とされているのか?それは彼が18歳で白血病を宣告され、亡くなるまでの2年間の闘病生活が多くの人の心を打ったからでした!”パブロ・ラエス”さんの存在、そして彼が伝えたかった事を、皆さんにも知っていただきたいです。
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グラディエーター(剣闘士)”パブロ・ラエス”
”パブロ・ラエス”さんは、水球をやっており、身体を動かす事、身体を鍛えることが大好きな青年でした。彼の身体は彫刻のような肉体美を誇っており、かつてのコロッセオのヒーロー「グラディエーター(剣闘士)」のようにバッキバキの肉体でした。彼はその肉体や、トレーニング風景等をInstagramで投稿していました。
しかし、そんな彼に突然の悲劇が訪れるのでした。
2015年3月26日わずか18歳という若さで「白血病」と診断されてしまいました。
想像してみてください。突然自分が「白血病」と告げられた時のことを、絶望で何も考えられず頭が真っ白になってしまう人がほとんどでしょう。ましてや18歳の時にと考えると・・・・。
しかし、”パブロ・ラエス”さんは、この宣告にも決して笑顔を絶やしませんでした。そして、宣告されたその日にも、Instagramの投稿をしているのです。
少し疲れたような表情ですが、しっかりと笑顔で「今日白血病と診断された。でも希望や笑顔は失わない!」と宣言しています。
闘病中も笑顔でInstagram投稿
彼は宣言通り、笑顔と希望は捨てることなく、闘病中もその様子を伝え続けました。
辛い化学療法にも何度も挑み耐えました!
そして、骨髄移植の日程も決まり、その日の為に、化学治療を頑張りました
手術は成功し、パブロの「白血病」寛解したという宣告を受けます!この発表を受け、パブロも多くの人達に感謝の気持ちを伝え、人生最良の日だと言っていました。
それからは、恋人のアンドレアさんとの愛を深めながら、失った日常を取り戻していくパブロだったのですが・・・。
10か月後、医師から「白血病の再発」を宣告されるのでした。彼は、また闘病生活を送らなくてはならなくなりました。
白血病の再発・そしてドナーの不在
白血病の有効な治療法として、「骨髄移植」があります。ドナーから正常な骨髄細胞を分けてもらうのですが、ドナーは誰でもよいわけではなく、移植者とドナーの骨髄に適合性がないと移植はできません。通常、同父母から生まれた兄弟間で適合率は25%と言われており、まずは血縁者の中からドナーを探します。パブロの場合は1度目の手術では父親がドナーとなりました。しかし、血縁者に適合がない場合、骨髄バンクの登録者からドナーを探します。この場合の適合率は数百~数万分の1と言われており、適合するドナーが見つかるまで時間がかかってしまう場合が多いのです。
パブロも、適合する骨髄バンク登録者が現れるまで、待たなくてはいけなくなりました。その間また辛い化学治療を受けなくてはなりません。しかし、彼は決してあきらめませんでした。
彼は、国内の骨髄ドナーの少なさに改めて気づき、SNSを通じドナー登録を呼びかけるのでした。もちろん、自分のドナーを見つけるという意図もありましたが、それ以上に、自分と同じように困っている人が多くいるという現状を世間に知ってもらうということと、そんな人たちの命を1人でも多く救いたい、また、生きることを諦めないでほしいという気持ちが込められていたのだと思います。
闘病中でも笑顔を欠かさない彼の訴えは多くの人に広がりました。
更に彼は、SNSを利用し「#retounmillón」(100万チャレンジ)というプロジェクトを立ち上げます。これは国内のドナー登録者を100万人にしようというプロジェクトで、彼のフォロワーをはじめ多くの人によって拡散されました。
そして、彼の運動で国内のドナー登録者の数はなんと10倍にまで増えたんだそうです!このことで、彼は多くの人達から英雄視されるようになりました!
パブロのドナーが見つかる
2016年10月、パブロにようやく待ちわびたドナーが現れたことの報告が入るのでした。そして、2度目の骨髄移植を行いました。
しかし、残念なことに移植手術は大成功というわけにはいきませんでした。手術がうまくいかなかったとわかった彼は自分がもう長くないという事を悟ります。しかし、彼は以前から「死は恐れていない。」と語っていた通り、全く止まることはありませんでした。今まで通り、SNSを通じて笑顔でドナーの増加に奔走し、常に笑顔で駆け抜けました。
勿論、自分の為に恋人との時間も思いっきり楽しみました!
そして、2017年2月25日、パブロは20歳という若さでこの世を去ってしまいました。最後の最後まで戦い抜いたまさに「グラディエイター」でした。
死の前に、彼は「最期にみんなに伝えたい事」としてInstagramに投稿を残しています。
私はみんなと共有しておきたい考えがあります。私たちは自分の時間を使い生きる為に働いている。私たちが仕事をして、お金を稼いでというシステムの中で暮らしています。
私たちはこのシステムの中で奴隷のようになってしまっています。地球はゆっくりと破滅に向かっています。人々はお金の為に戦争を繰り返し、武器は生産され、人は殺され、極を溶かし、環境は破壊されています。このままでは世界は終わりに向かっていきます。我々は常により多くを望んで、私たちが持っているものに満足していません。
しかし、本当は人の人生はもっとシンプルで、この美しい地球のサポートをして生きるべきだ。私たちは幸せになると本当に私たちがすることによって何をしているか見て
世界のために、我々は、何をするべきか?本当に重要なことは何なのかを考え感謝する必要があります。我々は愛し合わなくてはいけません。他人を愛するためには、まず自分自身の事を愛してください。そうしなければ他人を愛することは出来ません。デモをするより笑顔、沢山抱擁をし、平和を愛することで自分自身に最高の状態でいられます。
私たちは毎朝目を覚ますことが出来るという偉大な贅沢が出来ている生活に感謝しなくてはいけません。常に感謝お気持ちを持ちましょう。
自分に死が迫る状況にもかかわらず、彼は世界にメッセージを残しました。それは、自分がこの事を伝え続けることが出来なくなってしまうと悟っていたからでしょう。こうして残しておけば、残った人たちが自分の意思を継いでくれると考えたのでしょう。彼の気持ちを途切れさせてはいけません。ぜひ、多くの人に彼の存在、彼の考え方を知っていただきたい!
彼のInstagramは今でも見ることが出来ます。そして、facebookは追悼ページとして今も残っています。本当に人として尊敬できる素晴らしい人物です!皆さんも彼のことを知ってください。そして、彼の考えや意見を自分でも考えてみたり、実際に骨髄ドナーに登録するなど、少しでも行動してくれる方が増えてくれることが彼の冥福を祈る事にもつながると思います。
”パブロ・ラエス”さんのご冥福をお祈りするとともに、彼の意思が皆さんに届くことを願っています。