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未だ謎に包まれたブラックホール。さまざまな諸説が存在していますが、技術の進歩により、少しずつ謎を紐解く手掛かりをつかみ始めています。
ブラックホール(black hole)とは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない天体である。特性上、直接的な観測を行うことは困難である。しかし他の天体との相互作用を介して間接的な観測が行われている。X線源の精密な観測と質量推定によって、いくつかの天体はブラックホールであると考えられている。
出典:Wikipedia
Wikipediaにも記載されているように、これまでブラックホールを直接観測することは難しいとされていました。しかし、ハッブル宇宙望遠鏡という、地上約600km上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡によってその存在が確認された事が発表されました。
下の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡により確認された80億光年彼方にある銀河。今回、この望遠鏡が銀河の中心からずれた「3C186」という名前のクエーサー(※)の画像を撮影しました。80億光年…といっても感覚がわかりませんが…。この大変明るい光の点は、手前にあって視線を遮る星ではなく、写真の銀河の中にある「3C186」と名付けられたクエーサーです。
※クエーサーとは、超大質量ブラックホールの周囲の熱いガスから放射される極端に明るい光。
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超大質量ブラックホールとは、太陽と比べて少なくとも10万倍以上重いブラックホールのタイプであり、銀河の中心に位置しています。ところが、この銀河の中心はこのXの地点で、超大質量ブラックホールはその中心から何らかの理由で35000光年以上離れています(緑の点線)。
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クエーサーの中にあるガスから放射される光は、このブラックホールが中心から秒速1300マイル(秒速2000km)以上で飛行していることを示しています。
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参考までに、太陽は我々の銀河の中をおよそ秒速24kmで移動しています。筆者はブラックホールと太陽の移動スピードの違いを秒速で比較しても想像すらできません…。
このブラックホールは、太陽の10億倍以上の質量があります。何がこれほど巨大なものを動かせるのか。天文学者のチームが最もありうる説明を見出しました。
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ハッブルの画像を見ると、銀河を取り囲むかすかな物体・タイダルテール(赤い楕円内)と呼ばれるものがあります。これらは2つかそれ以上の衝突する銀河による重力的な引っ張りによって生じています。もしこの銀河が実際は合体した2つの銀河だとすれば、中心の2つの超大質量ブラックホールも合体することができます。
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超大質量ブラックホールのような巨大な物体が合体するとき、時空間の織物に重力波と呼ばれるさざ波を生成します。2つのブラックホールは、互いの周囲を回転しながら接近し、スプリンクラーのように重力波を放出します。
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もし2つのブラックホールが少し不均等(片方が少し重い、あるいは少し早く回転する)ならば、重力波を一方向により強力に放出します。2つのブラックホールが衝突すると、新たに合体したブラックホールは重力波によって逆方向に弾き飛ばされます。このとき必要なエネルギーは、一千万の超新星が同時に爆発したのと同じです。(画像は爆発のイメージ)
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ブラックホールは未知すぎて恐ろしいイメージがありますが、地球から80億光年先なので地球への影響は考えにくいですね。ブラックホールの中に住む生命体があるという科学者もいるようです。今のところ、私たちの生活には直接の影響はなさそうですが、宇宙の謎を考えると不思議な事がたくさんありすぎて、夜も眠れなくなってしまいそうです。
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