
直木賞作家として知られる、志茂田景樹(@kagekineko)さんには戦死されたお兄さんがいたそうです。
戦地で活動していたお兄さんと、志茂田さんの小さかった頃の手紙によるやり取りが、とても心温まるものとしてTwitterで話題になっていました。
5歳の僕に出征前の20歳の兄が結露したガラス窓にカタカナを書いて教えてくれた。戦地の兄にカタカナでハガキを書いたら返事がきた。やがて兄は戦死した。その返事のハガキを見る度に兄の心と僕の心は1つになる。74年前に身は滅んでもその心は滅びずに折りに触れ息づく。これが生きるということなのか。 pic.twitter.com/1bgaUClrvl
— 志茂田景樹 (@kagekineko) 2019年2月24日
戦地からのハガキ:表面
74年も昔のやり取りとの事で、郵便はがきの文字が右から始まっていたり、「軍事郵便」の区別が時代を感じさせますね・・・。
戦地からのハガキ:裏面
忠男、兄ちゃんは忠男の書いた字を見ましたよ。
兄ちゃんは満州へ来る時お酒を飲み過ぎて酔って忠男に敬礼をしたね。
忠男は飛行機乗りになりなさい。満州へ来たいと言ったね。
忠男が元気で勉強をしているので兄ちゃんは嬉しいです。
敵の飛行機は毎日来ているでしょうね。
忠男、早く兵隊さんになって、敵の(飛行機?)を落としなさい。
お父さんやお母さんの言う事をよく聞きなさい。
ではまた手紙を下さい。さようなら
忠男の兄ちゃんより
一部読み取れない箇所もありましたが、読みやすい様に文字に起こしてみました。
まだ幼かった弟さんがハガキを読みやすい様に、難しい漢字や表現を避けて書いた様子で、お兄さんの優しさがそういった心遣いに表れている気がします。
Twitterでの反応は…
物理的な死はあっても、その人の事を覚えている人がいる限り、生き続けることを実感しました。
— ひろ☆ (@hiros401) 2019年2月24日
私の好きなシンガーソングライターさんが「本当に悲しいのは 星になる日じゃない とりまく人たちの 心から消え去る日だ」って唄ってます。
心から消え去らないような思い出がたくさんあるご兄弟、お兄さんはしっかり生きていらっしゃると思います。
素敵なお手紙を見せて頂いてありがとうございます。— えり→2019.05.22?????横アリ (@cornelius69_96) 2019年2月24日
景樹さんのツイート好きです。いつも心に光をもらいます。私も亡くなった母に会いたい時が時々あって、心で会話します。ハガキが弟を想う兄の愛でいっぱい。
— みゆ☆ (@snowbikke) 2019年2月24日
「飛行機乗りになりなさい」と書かざるを得なかった時代を思うと泣けた。
— 鳩さぶれ (@kaesan157) 2019年2月24日
戦時中のやり取りですから、内容には検閲への警戒が含まれていたかもしれません。
それでも遠く離れて暮らす小さな弟さんと、どうにかしてやり取りしようとする気持ちを想像すると切ない気持ちになりますね。
2000年代以前、最も頻繁にテレビに出ていた頃の、派手な志茂田景樹さんのキャラクターが強く印象に残っている方にとっては、簡単には想像のつきにくいエピソードだったのではないでしょうか?
もし、ガラス窓に字を書き教えてくれたお兄さんの優しさがなければ、志茂田景樹さんの人生は、また少し今と異なっていたかもしれないとも思いました。
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出典:Twitter(@kagekineko)