「取り調べと言えばカツ丼」。刑事ドラマなどでそんなイメージを抱いているという人は少なくないのでは?
ですが、実は今では取り調べの時にカツ丼を出すのは違法なのだとか!なぜ取り調べ=カツ丼というイメージが定着したのでしょうか?その由来を解説します!
目次
「取り調べ=カツ丼」の由来は?
刑事ドラマが作り出したイメージ
なぜ「取り調べ=カツ丼」というイメージが定着したのか?一番大きな理由は、刑事ドラマの取り調べシーンの影響です。
そもそも、刑事ドラマに初めてカツ丼が登場したのは、1955年公開の映画『警察日記』であるとされています。この映画は、会津磐梯山のふもとの警察署を舞台にしたヒューマンドラマ。その中で、無銭飲食や盗みなどを犯した町民に警官がカツ丼をごちそうするシーンがあったそうです。
当時、カツ丼は最高に贅沢な食べ物。警官の温情の厚さを表すための小道具として、カツ丼は効果的だったんですね。
昭和の名刑事平塚八兵衛の逸話も由来のひとつ
他にも、実在の刑事の取り調べによる影響もありました。「昭和の名刑事」とうたわれる平塚八兵衛が容疑者にカツ丼を振る舞ったという逸話です。
その事件は、1963年に東京で起きた有名な誘拐事件「吉展ちゃん誘拐事件」。平塚刑事は容疑者から自白を引き出すために、取調室でカツ丼を食べさせた、という話が広まっています。
この説に関して、平塚刑事本人はカツ丼を振る舞ったことは否定していますが、この逸話が広まることで「取り調べ=カツ丼」のイメージが定着したのは間違いないでしょう。
現在では取り調べでのカツ丼は違法?
自白へ向けての利益誘導にあたる!?
現在はなぜ取り調べでのカツ丼は違法とされているのでしょうか?
実は現在では、カツ丼に限らず取調室で何かを食べさせるということ自体、「自白を引き出す目的で相手に利益を与えた」として利益誘導と考えられてしまうようです。
現在取り調べで出されるのは水か白湯程度。タバコやコーヒー、お茶などもダメなのだそうです!
自腹でなら食べられるって本当?
一部で「取り調べのカツ丼は容疑者の自腹なら食べられる!」という噂もあるようですが、真相は定かではありません。
ただ、すぐに食べられて冷めてもおいしいカツ丼は警察署での出前の定番。取り調べを終えて起訴された容疑者が拘置所に入れられている間、裁判所への移送の前の昼食としてカツ丼を食べられることはあるのだとか。
その際には自腹のこともあれば、刑事さんがポケットマネーでごちそうしてくれることもあるそうです。
フライデー襲撃事件のたけし軍団
「取り調べでのカツ丼は自腹なら食べられる」という噂は、ビートたけしが由来のようです。
昭和の伝説として語り継がれる「フライデー襲撃事件」の際に、取り調べの際に、ビートたけしが注文したカツ丼が有料で、取り調べ後に1300円を請求された、というエピソードがきっかけになったようです。
カツ丼で起こった冤罪事件ってあるの?
自白強要防止の為に違法とされている取り調べでのカツ丼ですが、実際に取り調べでのカツ丼によって引き起こされた冤罪事件もあるんです。
1933年尾久の小学校怪火事件
それは、1933年に起こった尾久の小学校怪火事件。
小学校での放火事件の容疑者として挙げられていた少年が、あまりの空腹に「自白をすればカツ丼ぐらい食べさせてもらえるかも」と考え刑事の誘導のままに自白してしまった、という話です。
実際には少年の供述はでたらめで、他の少年が真犯人だったとされています。
冗談のような話ですが、ちょっと怖いですね。
取調室でカツ丼食べてみたい!取り調べ気分が味わえるお店は?
銀座「Bar七曲署」
皆さんも一度は思ったことがある(?)「取調室でカツ丼が食べたい!」という願望をかなえてくれるお店があること、ご存知でしたか?
それが、銀座の「Bar七曲署」。
1970年代に人気を集めた刑事ドラマ『太陽にほえろ!』に由来する名前のこのお店では、取調室のようなテーブル席でおいしいカツ丼を味わえるんです。
警官のコスプレ衣装や小道具なども用意されているので雰囲気満点!刑事ドラマ好きならぜひ行ってみたいですね!