給食でもあった脱脂粉乳とは?50代以上の人は思い出がある?

「脱脂粉乳」をみなさんは、ご存知でしょうか?

現在は「スキムミルク」と名を変え、お菓子作りや料理の隠し味などで使用されている身近な食材です。

長期保存が可能なうえ栄養満点な脱脂粉乳。それには一体どのような栄養成分が含まれているのでしょうか?また、牛乳アレルギーの方は脱脂粉乳を飲んでも大丈夫なのでしょうか?

今回は、そんな脱脂粉乳について解説していきたいと思います!

脱脂粉乳とは?

脱脂粉乳は、牛乳の中の乳脂肪分を除去したあと、乾燥させて水分も取り除き粉末状にしたものです。水分がなくなることで、長期保存が可能になります。

また、牛乳の栄養分がギュッと濃縮されているために牛乳よりも栄養価が高い食材なんです。

スキムミルクとも言う

現在は「スキムミルク」と名前を変えてスーパーなどで販売されています。牛乳よりも安価に購入ができ、比較的栄養価が高いスキムミルクは、身体にもお財布にも嬉しい食材です。

脱脂粉乳の成分は…?

牛乳よりも栄養価が高い「脱脂粉乳」の主な成分は、たんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素と、牛乳の良質なカルシウムやマグネシウムです。

その他には、ミネラル成分(亜鉛、鉄、銅)、各種ビタミン(ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC)、カリウム、ナイアシン、ナトリウム、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ヨウ素、リン、といった成分が含まれているそうです。

栄養満点なので、サプリの代わりに飲むという方もいるようですよ。

牛乳アレルギーに与えてはダメ

「牛乳アレルギーでも脱脂粉乳なら口にしても大丈夫」と思う人がいるようですが、牛乳アレルギーの方は脱脂粉乳も控えてください。

食物アレルギーを起こす原因物質は、食物に含まれるたんぱく質のようです。脱脂粉乳は牛乳が濃縮された状態なので、形が変わっても牛乳に含まれているたんぱく質はそのまま存在しています。

牛乳を飲んだときと同じくらいのアレルギー反応が出ますので気を付けましょう。

脱脂粉乳の歴史

昔からある脱脂粉乳ですが、いつ頃から日本で飲まれるようになったのでしょうか?その歴史を調べてみました。

戦後の食糧援助から始まった

日本は戦後(1946年~1964年)、アメリカとユニセフから脱脂粉乳などの食糧援助を受けていました。その流れで学校給食にも提供されるようになり、日本全国の学校に通う子どもたちが飲むことになりました。

給食の定番に

日本で大規模に学校給食が導入されたのは1946年でした。そこで、食糧援助として与えられた脱脂粉乳が出されることになります。当時は、脱脂粉乳をお湯で溶かした飲み物とコッペパンが給食の定番メニューだったんです。

戦後は、たんぱく質やカルシウムなどを摂取することが難しかったため、子供たちの成長に欠かせない食材のひとつだったそうですよ。現在の日本の給食は「衛生的で素晴らしい教育」だと世界でも有名になっています。こちらの記事も併せてご覧ください。

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【動画】「衛生的だ、素晴らしい教育だ」と絶賛!海外から見た“日本の給食”

脱脂粉乳から牛乳へ移行

1958年頃から学校給食の脱脂粉乳は徐々に牛乳へと移行していきました。はじめは脱脂粉乳と牛乳の混合乳が用いられており、地域により差がありますが、全国的に完全に牛乳が提供されるようになったのは、1974~1975年といわれています。

50代以上の方は、給食で脱脂粉乳を口にしたことがあるかもしれませんね。

脱脂粉乳はまずい?

脱脂粉乳は臭くてマズい!と、良く聞きますね。給食で飲んでいた方にとっては苦い思い出になっているようです。そんな札付きの脱脂粉乳ですが、どのくらいマズかったのでしょうか?

美味しいと言ってる人を聞いたことがない

個人的に給食で脱脂粉乳を飲んでいた方の中で「美味しい」という人は全くいません。「臭い」「マズい」「冷めるともっとマズい」という評判ばかりです。戦後の食糧不足だった当時ですら飲みたくないほどのマズさだそうで、きっと相当なものだったのでしょう。

給食の脱脂粉乳ってどんな味?

どうやら味は一定しておらず、日によって変わっていたとのことです。どんなに変わっても、まずいことには変わりなかったようですが…。

匂いは乳臭く、味は泥水。お湯にうまく溶けずにダマになっているドロドロ状態のものを、鼻をつまんで無理矢理 喉へ流し込んでいたそうです。

例えるならば、毎日臭いバリウムを飲まされているようなものですね。それは本当にツライです。

今のスキムミルクはそんなにマズくはないらしい

戦後の脱脂粉乳は、アメリカから送られてきた支援物資だったため、輸送の際に傷んだり原料や製法が現在と異なったりしていました。それが臭くてマズい原因だったといわれています。

現在は日本国内で製造されており、原料や製法も向上し安心して飲めるようになっています。

脂肪分が取り除かれているため牛乳ほど濃厚ではありませんが、クセがないので多くのお菓子やお料理に使用することができます。そのまま飲むと物足りなさを感じるので、お湯に溶かして飲む場合は、生クリームや砂糖を混ぜると美味しくいただけるでしょう。

まとめ

今では「スキムミルク」として親しまれている脱脂粉乳。

昔から日本の食事、そして給食の歴史には欠かせない食材だったんですね。たまには、戦後の子どもたちに想いを馳せながらスキムミルクを味わうのもいいかもしれませんね。ついでに栄養も摂れちゃったりしますよ。

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