日本の国技と言われて思い浮かぶものはなんでしょうか?相撲ですか?それとも柔道?
相撲協会が保持している両国国技館も「国技」という言葉が入っていますもんね。しかし相撲に関して、「日本の国技ではない」という説があります。
一体どういうことなのでしょうか?今回はそんな国技について意外な事実と共にご紹介します!
目次
国技とは?
そもそも国技とはその国を代表するスポーツや武芸、技芸のことを言います。その国で競技人口が多い競技を国技とすることもあるそうです。
そしてこの国技について、明確な定義はありません。国によって国技は2種類に分けられます。
法令で定められているパターン
1つはしっかりと法令で定められているパターンです。国家機関が法令などで「国技」と定め、特別の地位・待遇を与えます。
法令の定めのないもの
そしてもう1つが、事実上国技とされているものです。
歴史が古くその国の伝統文化と深い関わりがあるものや、競技人口が多いなどその国で愛されているもの、その国で発祥したものなど様々なとらえ方があります。
法令などでは定められていませんが国民に親しまれ、その国の文化において重要な競技であることには変わりません。
日本の国技は?
そして気になる日本の国技について。
一般的には「相撲」
これは誰もが思い浮かぶ競技ですね。一般的には日本の国技は「相撲」であると言われています。
相撲が国技であることに疑問を持つ人はほとんどいないでしょう。
日本の国技は法令で定められていない
誰もが認める相撲ですが、法令で認められている国技ではありません。
先ほどご紹介したうちの2つ目です。国民に親しまれ日本の文化において重要な競技であるので、事実上国技となっています。
「柔道」「剣道」「弓道」も国技と言われることも
日本で国技と言われているものは相撲だけではありません。「柔道」や「剣道」「弓道」といった武道も国技であると言われています。
これは宮内庁から天皇杯を与えられている武道が相撲、柔道、剣道、弓道であるからでしょう。私たちの中にもこれらの武道は日本の伝統的な競技であるという認識がありますよね!
相撲などは国技じゃない?
ここからは、相撲が日本の国技ではないと言われている理由について解説していきます!
法令では日本の象徴は天皇・国家・国旗のみ
簡単に言うと「法令で定められていないから」ということです。
法令で日本の象徴として認められているのは、天皇・国家・国旗だけとなります。
そのため相撲は日本を象徴する競技、つまり国技としては認められていないんですね。しかしこれだけではなんとも納得できませんよね。だってこんなに国民に愛され長い歴史を持っているのに…。
国技じゃないとは言えない
国技ではないという説のある相撲ですが、「国技じゃないとは言えない」という声もあります!
その理由は先ほど説明した「法令で日本の象徴として認められているのは、天皇・国家・国旗だけ」という文章にあります!
そう、天皇・国家・国旗だけしか法令で認めないのであれば「国技」だけでなく「国花」や「国鳥」も認められないということになるのです!
しかし国鳥はキジ、国花は菊と桜、と私は学校で習った覚えがあります。国花も国鳥もそして国技も法で認められていないという点では同じはずです!国技だけ仲間外れというのもおかしな話ですよね!?
そうなるとやはり法令で定められていないからといって国技ではないと決めつけるのは間違いな気がします。
各国の国技
ここで各国の国技を法令で定められているものといないものを2つに分けてご紹介します!
法令で定めのある国技
チリのロデオやブラジルのカポエイラ、カナダのアイスホッケーとラクロスが有名どころでしょうか。メジャースポーツで言うとスリランカがバレーボールを国技として法で定めています。
法で定められている国技にはあまりメジャースポーツは無いように感じます。
法令の定めのない国技
アメリカ合衆国が野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーと多いですね。
また、サッカーを国技としている国はイタリア、イングランド、エジプト、サウジアラビア、ポルトガル…などめちゃくちゃ多いです!まだあるのですが紹介しきれません(笑)
アメリカもそうなのですが、スペインの闘牛やタイのムエタイ、中国の中国武術など、法令で定められていなくても誰も文句のないくらいその国を代表するような国技も多く見られました。逆に法で定められていなかったことにびっくりです!
こう見ると別に法令で定められていなくたって全然大丈夫な気がしますね!
まとめ
結局「日本に国技があるかどうか」ですが、「ないとは言えない」というのが正しいみたいですね。
法令の点から見ると国を象徴するものは天皇・国家・国旗しかないので、国技は無いと言えます。
しかし、そもそも国技自体が明確な定義があるわけではないので、必ずしも法で定められていないといけないというわけではなさそうです。そうであれば国技も国花や国鳥と同様に存在するという解釈もできます。
日本の伝統的な文化と深い関わりを持ち、国民に愛されているという点だけで国技として認めるのには十分であると私は思います。