カタツムリの殻を取ったらナメクジになる?ならない?明確にあった違いを解説

2019.8.2


梅雨や秋のはじめといった雨がよく降る時期になると植物の上や花壇で見かけるようになるカタツムリやナメクジ。見る時期も見かける場所も似たようなものなので同じ種類のいきものなのでしょうか。

殻のないナメクジが成長につれて殻が育ちカタツムリになる、そんな関係だったりするのでしょうか。似たような姿のカタツムリとナメクジ、殻の有無以外にも違いがあるのかを解説します。

カタツムリとナメクジの共通点

実はどちらも貝の仲間

カタツムリとは

まず、「カタツムリ」という名称は特定の分類群を指す名称ではないのです。

「陸にいるの貝」のうち、殻を持つものを「カタツムリ」や「デンデンムシ」と呼び、殻のないものは「ナメクジ」と呼んでいるんだそうです。簡単にいうとあだ名みたいなものなんですね。

小さいものから大きなものまで様々で、2㎜程度の小さなものや、40㎝にもなる大型のものまで存在しています。

ナメクジとは

「軟体動物門・腹足綱・有肺亜目・柄眼目」の生物で、陸に生息する巻貝の中でも殻が退化したものの総称がナメクジです。進化した結果、貝殻はありませんが貝類の仲間です。

「カタツムリ」とは違い、「ナメクジ」は分類上にも名前が出てきます。その為「○○ナメクジ」などの名前が存在します。

ナメクジの大きさも様々で、日本にも「ヤマナメクジ」という10㎝以上の大きさになる大型のナメクジも存在しています。また、現在では「マダラコウラナメクジ」という15㎝以上にも成長する外来種が広がりつつあるそうです!なかなかパンチのある見た目のナメクジなので、苦手な方は遭遇してしまったときにはかなりのショックを受けそうです。。。

カタツムリとナメクジの元は同種

カタツムリやナメクジの祖先は元々海中にいた巻貝です。巻貝の一部が陸上に上がりカタツムリの祖先として進化し、そこから更に殻を無くすように進化したのがナメクジです。チャコウラナメクジなど一部のナメクジの体内には甲羅と呼ばれる部位があります。これは殻の名残と考えられているそうです。

カタツムリも実は塩が苦手

カタツムリとナメクジの共通点のひとつに塩が苦手、があります。ナメクジが塩に弱いとは耳にしますが、カタツムリも塩が苦手とは聞きません。一体何を原因としてカタツムリもナメクジも塩が苦手なのでしょう。
ナメクジは塩をかけると溶ける。昔からよく言うこの言葉がナメクジは塩に弱いという話のもとにあると思います。そもそもこの話は事実なのでしょうか?
これには若干の勘違いがあり、ナメクジは塩に溶けません。正確には「体内の水分が脱水されて縮む」様子が溶けているように見えています。 
塩がかけられたナメクジの表面では、「ナメクジの体内の塩分濃度」と「カラダの表面の塩分濃度」を同じ濃度にしようとするはたらきがおきます。これは「浸透圧」という現象です。ナメクジの表面、塩をかけられた皮膚は体内よりも塩分濃度が高い状況になります。そうすると浸透圧の影響で表面の塩分濃度を体内と同じ塩分濃度にするべく、体内の水分を吸いあげてしまいます。この浸透圧現象は塩が表面にある限り行われるので、どんどん水分が体内から失われていきます。そしてその結果98%を水分で構成されているナメクジのカラダは縮みあがっていきます。この様子を溶けると表現されていたんですね!

そしてこの現象、同じくカラダの大部分が水分でできているカタツムリにも同じことが起こります。そのためカタツムリはかかるとカラダが縮み上がる塩が苦手なんですね!ただ、カタツムリの場合は危険性を感じたらすぐ殻の中に逃げ込みそうですけど。

カタツムリとナメクジの違い

一目瞭然!殻があるか、無いか!!

カタツムリの殻を外してもナメクジにはなれない

見るのは同じ梅雨のころ、場所も植物の近くでといった共通項も多いですよね!祖先も共通していますが、生き物として枝分かれしたのは遥か昔です。今や全く別の生物なのですから、当然カタツムリから殻を外してもナメクジにはなりません!むしろカタツムリから殻を外したら死んでしまいます!!

カタツムリは陸棲の巻貝なので、殻は自身の体内の石灰分から作っています。体の一部の殻なので外すようにはできていませんし、なによりカタツムリの殻の中には内臓が入っています。カタツムリの心臓に肺、胃や肝臓など生きるのに必要な内臓を全て固い殻に収めて守っています。そのため殻が無くては生きられないのです。

食用されるカタツムリと食用とならないナメクジ

エスカルゴ、このフランス料理の一品はカタツムリを食用とする中で一番有名なものですよね。そう、カタツムリは食用にされることがあります。逆にナメクジは一切食用として出されているのを見かけませんよね。その差はなぜでしょうか。
実はカタツムリもナメクジも危険性のある寄生虫を持っている可能性が高い生き物です。特にカタツムリやナメクジの寄生虫として有名なのが「広東住血線虫」です。この寄生虫に感染すると中枢神経系まで移動し、脳などの主要器官に障害を与え最悪の場合死亡してしまうという恐ろしい寄生虫です!

決してカタツムリやナメクジを生食しないでください!また直接触れた場合もそのまま食事をすると感染する恐れがありますので、触れた個所をしっかり石鹸で洗ってください。洗った後もしっかりタオルなどで水分を除いてください。

カタツムリを食すと危険性の高い寄生虫に感染する可能性があるにもかかわらず「エスカルゴ」はなぜ普及しているのでしょうか。それはカタツムリが寄生虫にかからないように徹底的な衛生管理された環境で養殖されているからです。衛生管理のもとで養殖することで寄生虫リスクを無くしているからこそ現在でも「エスカルゴ」は食されているんですね!

カタツムリとナメクジの面白い特徴から見る違い

カタツムリの面白い特徴

石やコンクリートを食べる?!

雨の後のブロック塀に張り付いているカタツムリを見たことはあるでしょうか?もしかしたらそれは移動中ではなく食事中かもしれません。なぜならカタツムリはコンクリートから生きるのに必要な栄養素を補充していることがあるからです。

巻貝の殻は炭酸カルシウムでできています。カタツムリも巻貝の一種なので同じく炭酸カルシウムでできています。そのため巻貝を成長させる為にも、維持するのにも割れた際に治すためにも炭酸カルシウムの摂取が必要となります。その摂取のためセメントでできているブロック塀などにいるというのです。
なぜそんな場所で?と思われるかもしれませんが、コンクリートには石灰石が含まれています。そのコンクリートが風雨にさらされることで、石灰石内の炭酸カルシウムが流れ出てきますので、その炭酸カルシウムをカタツムリは摂取しているそうです。

ナメクジの面白い特徴

ビール大好き!!

ナメクジを退治するのに塩をかける以外にもビールで酔わせて捕まえるいう手段があるのをご存知でしょうか?この方法はビールトラップとも呼ばれています。ビールを捕獲用の容器に入れておくとビールの匂いに誘われたナメクジがそのまま器に入ります。そこから容器内のビールをナメクジが飲み、酔っているところを捕まえるという方法だそうです。ただ、なぜナメクジがビール酵母や麦芽の香りが好きなのか、その理由はまだ判明していないそうです。しかしこの捕獲方法には弱点がありまして、ナメクジの中にはアルコールに強い個体もいるそうで、そういった個体の場合はビールを飲み逃げしてしまうそうです!ナメクジにものんべえはいるんですね!!

まとめ

カタツムリとナメクジ、似たような姿や特徴を持っていましたが、大昔に進化の枝分かれした現在では全く違う生き物でした!カタツムリは殻がある性質上炭酸カルシウムが必要で、場合によってはコンクリを食べている。カタツムリの殻には内臓があるので外そうとしてはいけない。といったもう全く違う特徴とは逆に、一部のナメクジには殻のあった痕跡として甲羅があるといった、進化の名残がまだあるのが面白いですね!

この記事を気に入ったらいいね!しよう
      
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加