
「cc(シーシー)」と「ml(ミリリットル)」はどちらも液体の量を表す時に使う単位ですが、この二つの違いをご存知ですか?
「cc」と「ml」には使い分けのルールはあるのでしょうか?なぜ同じような単位が存在しているのでしょうか?そこで今回は、知っているようで意外と知らない「cc」と「ml」の謎を解明いたします。
目次
ccとmlの違い
「cc」と「ml」にはどんな違いがあるのでしょうか?
どちらも体積の単位
「cc」と「ml」は、どちらも体積を表す単位ですが、単位の基準となったものが違うんです。どちらもよく目にする単位で、特に料理をする際の分量で使われています。
1ccと1mlの量は全く同じ
まずは確認ですが、、1ccと1mlは同じ量です。
じゃあなんで二つも単位があるの?と思いますよね。これには、単位ができた由来に関係があるのです。
ccとmlの由来
では、ccとmlの由来は何だったのでしょう?
mlは1L(リットル)の1/1000
「ml」とは「1000分の1L」のこと。すなわち水の体積から量を表した単位です。
1Lは1辺が10cmの立方体の体積なので、1L=10cm×10cm×10cm=1000cm³(立方センチメートル)です。
1mlの「m(ミリ)」は、1000分の1を表していますので、1mlは1Lの1000分の1ということになります。「1L=1000cm³」を、それぞれ1000分の1にすると「1ml=1cm³」になります。
ccは実は㎤の事
「cc」とは「cm³」のこと。すなわち空間から量を表した単位です。
「cc」は「cubic centimeter(キュービック・センチメートル)」の英語読みの略称で、「cubic」には「立体の、3乗の」という意味があります。全て英訳すると「センチメートルの3乗」・・・ということは「1cc=1㎝×1㎝×1㎝」・・・「1cc=1㎤」になります!「cc」と「cm³」 は読み方が違うだけで同じ意味を持つ単位だということが分かりました!
単位の基準となったものが違いますが、「1cc=1㎤=1ml」ということが証明されましたね!
ccは使わなくなってきた
現在、cc単位は使わなくなっています。
JIS規格ではccの使用を禁止に
どちらも同じ意味を持つ単位ですが、JIS規格(日本産業企画)ではccの使用を禁止にしています。
理由は「cc」と数字の「00」が似ているため、手書きで書いた文字を見間違えてしまう恐れがあるからです。料理中に醤油の分量を間違えるくらいなら笑い話にもなりますが、医療現場などの深刻な場面で計量ミスが起きてしまったら大事故になりかねますもんね。使用禁止にすることは賢明な判断だと思います。
その他の体積の単位
他にはどのような体積の単位があるのでしょうか?
L(リットル)
1L=1,000cm3=1,000ml
一般的な普通の牛乳パック1本分です。
dl(デシリットル)
1dl(デシリットル)=100cm3=100ml
リポビタンD1本分です。
m3(立方メートル)
1m3=1,000,000 cm3=1,000L
イメージしにくいですが、1辺の長さが1mの立方形の体積になります。
石>斗>升>合>勺
全て江戸時代に米の量を表す単位として使われていましたが、1952年の計量法により公式には使われなくなりました。
石(こく)
一石を米の重さでいうと150kgの量になります。現代的に分かりやすくいうと一般家庭の浴槽に入るくらいの量です。「十万石大名」などというのは、領地の面積を表すために使われていた言葉です。「十万石(約15,000トン)の米が生産できるほど広くて豊かな土地を持ってるんだぞ」という意味なんですね。
斗(と)
一石の10分の1。現代では、主に業務用の塗料や灯油の入れ物として使われている一斗缶と同じで、18Lです。
升(しょう)
一斗の10分の1。お酒の一升瓶と同じで、1800mlです。
一合(ごう)
一升の10分の一。現代でもご飯を炊く単位が「合」なのでイメージしやすいと思います。1合は180mlです。
勺(しゃく)
一合の10分の1。1勺は18mlになります。料理で使う計量スプーンの大さじ1杯が15mlなので、それより少し多いくらいですね。
お米の「合」と「リットル」の関係が分かりやすく解説されている記事です。こちらも併せてご覧ください。
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まとめ
「cc」と「ml」は、同じ液体の量を表す単位だけど由来が違うため二つ存在していたんですね。そして「cc」は使用されなくなっている、と。
深く考えていませんでしたが、そういえばペットボトルや缶に書かれているのは「ml」表記で「cc」が少ないことに今さらながら気が付きました。これからはスーパーに行ったときなど、表記が気になって確認してしまいそうです(笑)