大きい耳をしたオオミミギツネは、大好きな昆虫を捕食するために進化した!

大きな耳をしたキツネというとフェネックが有名ですが、他にも耳の大きいキツネはいます。
それがオオミミギツネなのですが、正に名前の通りの大きな耳をしています。

このオオミミギツネが大きな耳をしているのにも理由がありますので、生息地や生態と併せてご紹介します。

オオミミギツネの生息域と生態

 

まずは、オオミミギツネの生息地や生態について見ていきましょう。

生息域

オオミミギツネは、アフリカ大陸の東部から南部までの広い範囲に分布しています。
国名ではウガンダやエチオピア、ケニアといった東部の国からモザンピーク、南アフリカ共和国、ジンバブエ、アンゴラといった南部の国々となります。

それらの地域の中でも砂漠やサバンナ、乾燥した草原といった乾燥地帯にある茂みや丈の低い草原に生息しています。

生態

オオミミギツネは、生息地に同化する黄褐色や灰褐色の毛をしています。
成獣の大きさは45~70cm、体重は3~5.5kgほどになります。

基本的に夜行性ですが、昼間に日光浴をすることがあります。
また、夜が寒い時期では日中に活動をして一日を終える事もあるそうです。

つがいもしくは家族で群れを作り暮らしおり、基本は一夫一妻ですが、まれに一夫多妻の群れが確認されることもあります。
巣は通常ツチブタやトビウサギが作った巣を再利用しますが、出産時に使う巣は自分たちで堀り新しく作ることが多いです。

巣穴はトンネル状になっており、いくつかの部屋を設けた造りになっています。

オオミミギツネの特徴

 

大きな耳で餌の虫を発見

オオミミギツネの主食はシロアリの一種、シュウカクシロアリの仲間です。
食事の8割から9割はこのシロアリを食べています。

このシロアリを探すのに役立つのが名前にもなっている大きな耳です。

この顔と同じくらいの大きさのある耳は、巣の中にいるシロアリが発するわずかな音も聞き取ることができるのだとか。
その高性能な耳を使い、オオミミギツネはシロアリを捕食しています。

この食性は非常に特殊で、キツネの仲間でシロアリを主食にしているのはオオミミギツネだけです。

オオミミギツネのその他の食性

オオミミギツネはシロアリ以外も食べます。
捕食するものは、コオロギやアリ、バッタといった昆虫からクモやサソリ、小鳥やその卵、爬虫類と多岐に渡ります。

また水分補給をするために果実や種子といった植物も食します。

オオミミギツネの歯

オオミミギツネは主食を昆虫にしているため、歯が肉食動物の中で最も多い48本あります。
特に臼歯が多いので、昆虫をすりつぶしながら食べるのに適した形に進化したものと考えられています。

オオミミギツネの耳

 

オオミミギツネの耳は、周りの音を聞くのに役立つだけではありません。
高い温度のサバンナで体温が上がりすぎないように、その大きな耳から熱を発散させ体温を調整する役目もあると考えられています。

威嚇ポーズと逃走の仕方が個性的

生息しているサバンナなどの草原地帯は、オオミミギツネを捕食する天敵が非常に多い土地になります。
ライオンやチーター、ヒョウをはじめハイエナや猛禽類にも襲われることもあります。
また、幼獣だとジャッカルや大型の蛇に襲われることもあります。

このように外敵が多いオオミミギツネですが、威嚇する際は四肢を伸ばして体を硬直させます。
これで体を大きく見せるそうです。
そしてその後、相手が引かない場合は体を硬直させたまま跳ねて逃げるといいます。

跳ねながら逃げるのでは逃げるのが遅くなるような気もするのですが、とにかくオオミミギツネはそのようにして外敵から逃げようとします。
しかしオオミミギツネは臆病な性格のため、逃亡中に怖くなってしまいその場でうずくまってしまうこともあるそうです。
何とも愛らしい動物ですね!

まとめ

オオミミギツネはシロアリを主食とするために、耳を大きく、歯を多くと進化したキツネの仲間です。
臆病すぎる性格なのもあって外敵に威嚇するのが体を硬直させるでしたり、体が固まったまま跳ねるように逃げるも途中で怖くなってうずくまってしまうという残念な性格をしているというのも興味深い性質ですね!

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