いつも仲良しな夫婦?おんぶ姿がかわいい「オンブバッタ」とはどんな昆虫?

オンブバッタは子供が親の背中に乗っているように見えますが、実は大型のメスの背中に小型なオスが乗っているのです。
他のバッタに比べると、その生息地の都合から、日本だとその姿をより見かけやすい種です。

なぜ見かけやすいのか、なぜおんぶしている姿を見られるのかをオンブバッタの生態と併せて解説します。

オンブバッタの生息域と生態

 

オンブバッタの生息域

オンブバッタは日本全土でみられますが、国外では中国や台湾、朝鮮半島にも分布しているバッタです。

オンブバッタの生態

メスは体長が4cm前後あるのに対して、オスは2~3cmほどと体格差があるバッタです。
外見はショウリョウバッタを小型にしたようにも見えますが、両者は別種のバッタになります。

前方が尖った船型の頭部と体としており、頭部の先端部に触角や複眼があります。
長い翅を持っていますが飛翔はできず、後脚による跳躍もしくは歩行して移動をします。

オンブバッタは姿を見かけやすいバッタ

 

オンブバッタの食性

 

一般的に、バッタはイネ科やカヤツリグサ科の植物を好んで食します。
しかしオンブバッタは他にもキク科にシソ科、ナス科やフルガオ科の植物や、マメ科のクズにアサ科のカナムグラ、カラムシといった葉の広い植物を食します。
特にキク科の植物を好んで食べる傾向にあることが判明しています。

都市部にも生息するオンブバッタ

 

多くのバッタは日当たりのいい草原に生息していますが、オンブバッタは食す植物の種類が多いため、草原の他に林の周縁部である林縁にも生息しています。

またオンブバッタは都市部でもその姿を見られる珍しいバッタで、緑地帯や空き地、個人宅の庭園や花壇にも生息しています。
そのため他の種よりも姿を見かけやすいバッタとなっています。

オンブバッタはなぜオンブしているのか

 

オンブバッタはよくメスの背にオスが乗っている姿が頻繁にみられています。
オンブに見えるこの姿ですが、正確にはオンブではなく交尾している姿です。

バッタの多くがメスの背中にオスが乗ることで交尾をしていますが、オンブバッタの場合は交尾をしていなくともメスを独占するためにメスの背中に長期間いることから、よくオンブ姿が目撃されています。
また、オンブ状態のオスと単独行動のオスとでメスを巡って争うこともあるそうです。

オンブバッタの生涯

 

オンブバッタは10月上旬ごろに卵で生まれ、卵のまま冬を越えます。
5月から6月にかけて幼虫として孵化します。

幼虫も成虫に似た姿をしていますが、そこから5回ほど脱皮を繰り返し、8月から9月にかけて成虫となります。
そして10月になるとメスは土中に産卵して子孫を残します。

オンブバッタは育った温度で体色が変わる

 

オンブバッタは緑色の体色をしています。
しかし幼虫期に高温の環境で育つと淡褐色の体色になります。

体色が緑色、淡褐色どちらの場合でも体表の側面部に白線が入り背面と腹面を分けています。

まとめ

オンブバッタは生存競争のためにオンブしている姿が頻繁に見られているバッタです。
その姿は都市部の公園や住宅地でも目撃しやすいため、よりなじみ深いバッタでもあります。

大きさも指先ほどしかないのでかわいらしい姿をしていますが、キク科の植物の葉を好んで食べる性質から園芸が趣味の人からは敵視されることも・・・。

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