母親がゆりかごを作る優しい昆虫「オトシブミ」について紹介!

2019.10.10


世の中、会うことはありませんが親が生まれてくる子のためにせっせと準備をする生き物がいます。それが「オトシブミ」という昆虫です。

このオトシブミという昆虫は卵一つ一つを自分で広葉樹の葉を加工して作ったゆりかごともいえる器に産卵することが知られています。ゆりかごは卵からかえるまでだけではなく、成虫するまで役に立つ非常にすぐれた機能を持っています。

大人になるまでの用意をする、子供おもいな優しい昆虫オトシブミについてご紹介します。

オトシブミ


オトシブミの生息域


オトシブミは朝鮮半島,中国東北部およびシベリアに分布しているゾウムシの仲間です。日本には23種おり、沖縄を除く全国で生息しています。林縁部の明るい箇所で生息していることが多く、森の奥の方や日の当たりにくい場所、針葉樹の周りには生息していません。

オトシブミの生態


体長は1cmにも満たない種が多く、最も数が多いと考えられているヒメクロオトシブミは体長が4.5~5.5mmしかありません。分厚く頑丈な体というゾウムシの特徴がありますが、口部は長くない種が多いです。しかし、頭部の眼部から後ろと前胸部がくびれて細くなっていることから、一見すると長い首をした昆虫のように見えます。

木の葉を食す昆虫ですが、種によって食す葉は異なり、クリやクヌギ、アベマキにブナ、ケヤキにコナラ、カシやカエデなど多岐に渡ります。

オトシブミのゆりかご


オトシブミは一枚の葉を使って卵を産むゆりかごを作ります。この作業はメスのオトシブミが行い、オスはメスがゆりかごを作っている間に他のオスが来ないように見張っています。

特製のゆりかご


オトシブミがゆりかごを作るのは若葉が生い茂る初夏のころです。オトシブミはそれぞれ幼虫が餌とできる植物の葉を加工してゆりかごを作ります。葉を使って作るのは変わらないのですが、種によってゆりかごの作り方は異なり、葉を一枚丸まる裁断して作るものや葉の一部を加工することでゆりかごにする種など様々です。

葉を噛み砕くとこで裁断し、丁寧に丸めて筒状にしたゆりかごに卵を産み付けます。種によってはこの卵を産んだゆりかごを切り地面に落としたり、葉脈を残して落ちないようにしたりと工夫をしています。

このゆりかごは卵を狙う外敵から守る効果だけででなく、卵からかえった幼虫が餌として食べ、さらに羽化するまでのシェルターとしての役目を果たします。

天敵


ゆりかごを作ることで卵を外敵から守るオトシブミの天敵は寄生蜂です。オトシブミタマゴバチとオトシブミマユバチという卵と幼虫に寄生するハチが存在します。一部の種がゆりかごを地面に落とすのは寄生蜂に卵が少しでも見つからないようにするための手段とも考えられています。

名前の由来の落とし文


オトシブミという名前は個性的な名前ですし、オトシは地面に落ちているゆりかごの事と分かりますが、ブミの部分が特に謎な名前をしています。しかし、この名前が付けられた時代の文化に密接な関係のある名前でした。

オトシブミの由来は落とし文という言葉から来ています。昔、人には見られたくない、けれども直接渡せないという手紙を道端に落として相手に渡すというのが落とし文です。

地面に落とされた大事に作ったゆりかごが、落とし文に似ていたことからオトシブミという名前が付けられましたのです。

まとめ


オトシブミという名前はメスがひとつひとつ丁寧に生まれてくる我が子のために作ったゆりかごと、昔の奥ゆかしい手紙の渡し方が結びついて名付けられたものでした。初夏のころに広葉樹の若葉が生い茂る場所に行ったら足元にゆりかごが落ちていないか見てみることで季節を感じられるかもしれませんね。

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