白い毛並みが美しい「ホッキョクギツネ」とはこんな動物!!

雪原を歩くユキイロのキツネ。
まるでファンタジー小説の中の存在に見える「ホッキョクギツネ」は実際に存在する生き物です。

雪に同化するその姿は生息地の北極圏では実に有効で、厳しい環境の中で生き抜くのに役に立っています。
生き抜くためというに美しい目立つ白い姿をしているホッキョクギツネについて見ていきましょう。

ホッキョクギツネの生息域と生態

 

ホッキョクギツネの体長は45~70cm、体重は3~4kgと、日本にいるホンドギツネに比べると小柄な種になります。

ホッキョクギツネの生息域

ホッキョクギツネは名前の通り、グリーンランドやカナダ、アメリカのアラスカ州、ロシア、スカンディナビア半島といった北極圏に分布しています。
スカンディナビア半島では高山地帯でも存在を確認されていますが、沿岸地帯でも生息しています。

ホッキョクギツネの生態

ホッキョクギツネの行動範囲は非常に広く、流氷を巧みに使い移動をしています。
野生の個体にGPSを取り付けた調査では76日間で3500km移動した個体がいることも確認されています。
単純計算をすると1日45km以上移動していることになります。
この大移動も小さい体ながらも流氷を利用するからこそできることです。

ホッキョクギツネは単独もしくはつがいで行動し、繁殖期になると親から受け継いだ巣に潜り込んで子育てをします。
巣は丘陵地帯の地面の掘られており、奥への拡張作業が常に行われています。
この巣は繁殖期の子育ての場所としてだけではなく、悪天候の際には逃げ込む場所としても使われています。

ホッキョクギツネの食性

主にホッキョクグマの食べ残しを食しています。
もちろん、食べ残しを狙うだけでなく、自分で狩りを行うこともあります。
狩りを行う際には魚やネズミ、ウサギや鳥、アザラシの幼獣などを獲物とします。

アザラシやトナカイ、セイウチそしてクジラといった生物の死骸を見つければ種は気にせず口にします。
ホッキョクグマの食べ残しを狙って、ホッキョクグマの後について行動している姿がたびたび観察されています。

ホッキョクギツネは鼻が非常に効き、数m離れた雪の中に埋もれている見えない死骸を見つけることもできます。

ホッキョクギツネは寒さに強い

 

北極圏の極寒地に棲むホッキョクギツネは寒さに対して非常に強いのですが、それには4つの理由があります。

ホッキョクギツネの防寒機能① 深く濃い毛

ホッキョクギツネの毛は非常に濃く、深くなっています。
上毛と下毛が生えていますが、保温能力がある下毛が7割を占めているため、-70度の極寒の温度にも耐えれられるといわれています。

ホッキョクギツネの防寒機能② 蓄えられた脂肪

秋になると厳しい冬を乗り越えるためにホッキョクギツネは脂肪を蓄え始めます。
このたっぷり蓄えた脂肪が断熱効果を発揮して体を冷やさないようにする他、餌が入手しにくい冬の栄養源となります。

ホッキョクギツネの防寒機能③ 凍らない肉球「対向流熱交換システム」

ホッキョクギツネの足が氷に付かない秘密は肉球にあります。
肉球内の動脈のすぐそばには静脈網が走っているのが確認されています。

静脈の血液が地面や外気の冷たさで冷えても、心臓から運ばれてくる温かい動脈の血液により元の温度に上がります。
この体温を一定に保つ仕組みを対向流熱交換システムといい、イヌ科の仲間の特徴となっています。

ホッキョクギツネの防寒機能④ 表面積の少ない体

丸い顔で鼻や口部が短いこと、手足が短いこと、分厚く小さい耳がホッキョクギツネの外見の特徴です。
この特徴も寒さ対策の一環で、表面積を少なくすることで体が少しでも極寒の空気や風、雪に触れる箇所を小さくしています。

保温効果の高い毛、秋から蓄えていた断熱効果のある脂肪、温度を一定に保つことで凍らない肉球、寒さに晒される個所を少なくした体の4点があるからこそ、ホッキョクギツネは極寒の北極圏に生息できます。

夏と冬で毛の色が変わるホッキョクギツネ

 

保温効果の高いホッキョクギツネの毛ですが、毛色が夏毛と冬毛で性質が全く違います。
冬は雪の保護色となる真っ白な毛なのに対し、夏の毛は灰褐色の毛で、脂肪の少ない時期なこともあって狼のようにも見える姿をしています。

日本で飼育されているにいるホッキョクギツネ

 

極寒の地、北極圏に生息しているホッキョクギツネですが、日本では二つの施設で飼育されています。

旭山動物園 - 公式サイト

宮城蔵王キツネ村 - 公式サイト

日本で唯一のキツネ専門の民間施設です。
ホッキョクギツネだけでなく多種にわたるキツネの姿を見ることができます。

まとめ

ホッキョクギツネは極寒の地を生き抜くために体を小さくし、毛などに冬を耐えきる仕組みを得ました。
-50度という極寒の地で生き抜いてきたホッキョクギツネは日本でも動物園などで飼育されています。

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