名前にサメとしっかり付いており、立派なヒレもあることからサメにしか思えないシノノメサカタザメ。実はサメではなくエイの仲間です。
サメとエイの特徴入り混じった紛らわしい海の生き物「シノノメサカタザメ」が分布している海やその生態、そして特徴についてご紹介します。
目次
シノノメサカタザメの分布と生態
シノノメサカタザメの分布
シノノメサカタザメはインド太平洋の熱帯海域に分布しています。生息水深は3m~90mと浅瀬から深海まで広い領域に生息しており、砂泥底の海底付近を遊泳していることが多いです。
シノノメサカタザメの生態
シノノメサカタザメは最大で体長3m、体長は135kgにもなる大型の生き物です。短く横に薄く広がり半月状の口をした頭部。頭部から後ろの体幹部は厚さがあり、大きな背びれが二枚あります。
頭部はエイに似ていて、それより後ろがサメのような不思議な形状の体をしています。
主に底魚と呼ばれる海底部に生息する魚やエビ、カニといった甲殻類、二枚貝やイカやタコといった頭足類を食しています。強靭な顎と平たい歯を持っているため甲殻類や二枚貝のような硬い殻を持ったものも難なく食すことができます。
エイであってサメではない、シノノメサカタザメの特徴
実はエイの仲間
シノノメサカタザメはサメではなくエイの仲間なのですが、それを見極めるのは一ヶ所確認するだけで充分です。その場所とはエラの位置です。
サメの場合、頭部後方側面に開くエラをしていますが、エイの場合は腹面にエラが開きます。シノノメサカタザメの場合、腹部にエラが開いていますのでエイの仲間というのが確認されました。
元々サメとエイは軟骨魚綱板鰓亜綱の仲間です。エイ上目と他のサメとの違いはエラの位置だけです。その為学術的な区別が確立する前では混合されても仕方ないものだったのかもしれません。
サメに似ている点
エイではなくサメとされたのもなにも偶然ではありません。このシノノメサカタザメにはエイではなくサメに似た特徴があったためサメと名前に付けられましたのです。サメと考えられた点は2つあります。
サメに似た泳ぎ方
シノノメサカタザメは発達した尾ヒレを左右に振ることで推進力を得て泳ぎますが、この姿はまるでサメのようです。通常エイは大きく広がったエラを使い泳ぎますが、シノノメサカタザメはサメと同じく尾ヒレを左右に動かすことで泳ぎます。この姿からエイではなくサメと考えられたようです。
エイらしからぬ厚みのある体
多くのエイは体幹部とヒレが一体化し薄く横広がった体と細く長い尾をしています。しかしシノノメサカタザメの体幹部には厚みがあるためエイでは無いと考えられたようです。
ヒレが人気・肉も人気
エイのヒレはエイヒレとして加工され、私たちは居酒屋などでおつまみとして見かけます。しかしシノノメサカタザメのヒレはフカヒレとして扱われ、高値で取引されます。また日本では流通されない肉も、インドでは乾燥させたものや塩漬けされたものが珍重されているそうです。
日本で水揚げされることはほぼなく、網にかかった場合は水族館が引き取る場合が多い珍しい魚です!
漢字で書くと東雲坂田鮫
漢字で書くと何となくカッコよくないですか?ちなみに坂田鮫はサカタザメ科の生物の名ですが、鮫ではなくエイです。ガンギエイ目の中に含まれるエイです。なんともややこしいやつです。
まとめ
シノノメサカタザメはエラの位置以外はまるでサメのような巨大な海の生き物です。3mという巨体が目立つこと、高級食材として取引されることから現在はその生息数を減らしています。ダイバーの憧れともいわれていますが、凶暴な性格をしていますので不用意には近付かない方がいい生き物のようです。
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出典:wikipedia.org(シノノメサカタザメ)