オリンピック競技にもなったサーフィンの歴史は意外と古かった!競技の観戦方法も解説!

オリンピック2020ではメジャーな競技が注目されると予測されますが、その中でも新たに2020東京五輪から新競技となったサーフィンにも注目が集まっています。

ただ、実はサーフィンの歴史について知らない人が多く、そもそもどのような競技なのかすらわからない人も多いです。そこで、ここではそんなサーフィンの歴史についてはもちろん、ルールについても合わせてご紹介します。

2020東京五輪種目にもなったサーフィン

2020年の東京オリンピックで新しい種目となったのがサーフィンです。しかし、そもそもサーフィンとはどういうスポーツなのかを知らなければ、この競技を思う存分楽しむということはできません。まずはサーフィンとは何かを知りましょう。

サーフィンとは?

サーフィンというのは海が作り出した波に乗り、そのテクニックを競うスポーツです。サーフボードと呼ばれる板を使うのが定番で、日本でも趣味として楽しむ人が多いです。

波乗りとも言われるウォータースポーツの一種であり、これらのスポーツを行う人のことをサーファーと呼びます。

サーフィンの起源はポリネシア人

このスポーツの起源は古代ポリネシア人だと言われています。近代サーフィンのように洗練されたものではなかったものの、ハワイやタヒチに住んでいた人々の間では、板に乗って波に乗るというスポーツが古くから行われていました。

西暦400年頃には原型が出来ていた

その原型は西暦400年頃には完成していたと考えられており、島国の人々の間ではスポーツというよりは漁業の一種だったと言えるでしょう。

海の民と呼ばれる古代ポリネシア人は航海技術がずば抜けており、そんな彼らの発明の中にはアウトリガーカヌーと呼ばれるものがありました。もともとそれらの船に乗って漁業をしていたため、波に乗れる腕利きの漁師ほど尊敬されたのです。

ただ、その波に乗る楽しさが独り歩きし、次第に漁業から遊びとして広まっていくようになりました。次第にカヌーは軽量化・小型化され、オロやアライアと呼ばれるサーフボードの原型も作られていきました。

あのカメハメハ大王も

ハワイの国王たちもサーフィンを楽しんでいたと言われており、特に初代国王のカメハメハ大王も優れたサーファーだったと言われています。

古代サーフィンは一時禁止に

古代のサーフィンは漁業や娯楽としての立ち位置が強かったものの、実は一時期の間だけ禁止されていました。そこには歴史という名に翻弄された事実があります。

サーフィンを初めて目撃したヨーロッパ人クック船長

当時、ヨーロッパ人で始めてサーフィンを目撃したクック船長は、航海日誌に現地人のサーフィンについて記録しています。しかし、クック船長の発見により、ポリネシア人が住む島々にヨーロッパ文化が流れ込むようになりました。

宣教師たちが布教の為禁止に

ポリネシア人にとってサーフィンは漁業や娯楽として大切な文化だったのですが、ヨーロッパ文化と一緒に流れ込んだ宣教師によって禁止されてしまいます。

彼らは布教活動の妨げになると判断し、サーフィンを禁止しただけではなくサーフボードを取り上げて燃やしてしまったのです。それにより、古代サーフィンはここで根絶やしにされてしまいました。

近代サーフィン

一度は禁止されて途絶えてしまったサーフィン文化ですが、決して文化自体が消滅したわけではありませんでした。実は近代サーフィンとして洗練され、再びハワイの地で蘇ったのです。

20世紀にハワイで再び

長らく禁止されていたサーフィンですが、20世紀頃になるとハワイで再びサーフィンをする人々が現れるようになりました。当然、教会の人たちは反対したものの、ワイキキだけでは許可されることとなったのです。

さらにそこにハワイアン以外の移住者なども増え、よりサーフィンは世間に広まるようになりました。

近代サーフィンの父デューク・カハナモク

ハワイでサーフィンが楽しまれるようになったことを背景に、次第に競技人口が増え、ライフセイバーなども必要となりました。そんな中、ハワイにはライフガード組織が設立されることとなったのです。その主要人物だったのが近代サーフィンの父と呼ばれるデューク・カハナモクです。

サーファー兼スイマー

彼はサーファーとしての実力はもちろん、スイマーとしての実力も桁外れでした。事実、1912年のストックホルムオリンピックでは、アメリカ代表として出場し、世界記録を残すほどの人物でした。

しかもその記録は17年もの間、決して誰にも破られることはありませんでした。その功績もあって世界各地に招待されるようになった彼は、サーフィンの普及活動に力を入れるようになっていったのです。

世界水泳の地でサーフィンを広める

彼は世界の水泳競技大会に招待されては、現地でサーフィンを披露していました。特にオーストラリアのシドニーで行ったエキシビジョンは世界的にも有名となり、現地では一躍国民的スポーツとして発展を遂げています。

彼の努力もあり、ハワイはもちろんアメリカ本土のカリフォルニアやオーストラリアのシドニーなどなど世界に近代サーフィンが広がっていきました。

世界中でサーフィンが楽しまれるようになり、近年ではさらにサーフボードだけではなく、ウェットスーツなども進化を遂げています。当然ながらテクニックもまた然り。まさしく近代サーフィンは常に進化しているスポーツなのです。

競技サーフィンのルール

競技としてのサーフィンはどうやって評価するのでしょうか。オリンピックで楽しむためにも、ぜひルールを知っておきましょう。

ヒート時間

サーフィンにはヒート時間と呼ばれるものがあります。これは1ヒート20分~30分と設定されているもので、簡単に言えば試合の組み合わせのことを意味しているのです。

大会の規模やラウンド、人数、波質によって変化することもありますが、原則として「1ラウンドの1ヒート」と言えば「1回戦目の1組目」ということを意味します。

対戦人数

1ヒートで行われる試合は、2人~4人で行われるのが普通です。東京オリンピックでは4人が1ヒートで戦い、上位2人に残った選手がラウンドアップして戦うという流れになります。

採点ルール

どうやって競うのかというと、競技としてのサーフィンは採点方式を採用しています。ジャッジメントは5人用意されており、1ヒートで1人ごとに採点していくルールです。

採点のポイントとなるのは上手に乗れているかどうかを示すライディングの技と種類、難易度、スピード、パワーなどです。簡単に言えば海で行うフィギュアスケートのようなもの。すべてのライディングの点数を比較し、ベストな2ウェイブの合計点でスコアを競い合います。1回のライディングが10点で2ウェイブなので合計20点満点。

優先権ルール

サーフィンにはプライオリティがあり、優先権を持つサーファーが優先して波に乗れます。ただ、波に乗るアクションを起こすことで次に優先順位が高い人に移ってしまうため、選手同士の駆け引きが苛烈になることもあります。

サーフィンはポジション取りがとても難しいので、波争いを繰り広げる選手たちを見るだけでも楽しめるはず。東京オリンピックでは解説も入ります。ルールに慣れるまではわかりにくいということもあるため、聞き逃さないよう解説を聞いておくと、より競技としてのサーフィンを楽しめると思います。

2020東京五輪からさらに注目!

2020年の東京オリンピックで正式種目とされているため、これからさらにサーフィン熱が高まりそうです。趣味がサーフィンの人はもちろん、あまり興味がない人も一度は見てみることをおすすめします。

アメリカ・オーストラリアが強い

すでにアメリカやオーストラリアでは大会も数多く開催され、設立されているクラブの数も半端ではありません。そのため、自然と競技人口も増え、よりレベルの高いサーファーがゴロゴロしています。

また、日本ではプロサーファーでも賞金が低い傾向にありますが、アメリカやオーストラリアでは高額納税者リストに載っているプロサーファーも珍しくないのが特徴です。それほどサーフィンに強い国だということ。東京オリンピックでも間違いなく強豪国として日本人選手の前に立ち塞がるはずです。

近年ブラジルが注目!

ブラジルと言えばサッカーのイメージがありますが、広大な国土を持つ国だけあってマリンスポーツも活発です。特にサーフィンはサッカーに次ぐ国民スポーツとして市場も拡大し続けています。

日本人選手も注目!

日本でも東京オリンピックの正式種目に選ばれたことから、日本人選手の活躍がより活発になってきています。

日本サーフィン連盟を中心に約80名の強化指定選手を選出し、その中から男子10名、女子3名がA指定選手として日々練習を行っています。

最注目株としては稲葉玲王選手や新井洋人選手、小柄ながらもテクニカルでダイナミックな技を持つ大原洋人選手に注目。その他、世界選手権にも入賞している大村奈央選手や野呂玲花選手、中学生からプロとして活躍している松田詩野選手も注目。

ハワイ出身のアメリカと日本のハーフサーファー、五十嵐カノア選手も出場が期待されるなど、かなり熱を帯びています。

まとめ

サーフィンは趣味でやっている人も多いことから、オリンピック競技として選出されたことで、より注目を集めそうです。日本人選手はもちろん、アメリカやオーストラリアには強豪も多いため、ぜひぜひ競技としてのサーフィンを楽しんでみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事