オーストラリアウンバチクラゲとも呼ばれる「キロネックス」は、クラゲの中で最も強い毒を持つといわれています。
その強い毒によりこれまで数多くの人が犠牲になっています。海水浴客も犠牲になっている殺人クラゲ「キロネックス」についてご紹介します。
目次
キロネックスの生息域と生態
キロネックスの傘高は30~50cm、最大15本ある触手は最長で5mにもなります。
キロネックスの生息域
キロネックスが生息しているのはオーストラリア大陸の北やマレーシアやインドネシアにあるインド洋や西太平洋の近海になります。海水浴客が被害にあっている事から分かるように、浅瀬にも姿をあらわします。
キロネックスの生態
一般的にクラゲといえば波や風に身を任せて海中を漂っている姿が想像されます。しかしキロネックスは秒速1.5mすなわち時速5.4kmという速さで海中を進みます。また、傘の四方にはそれぞれ6つずつ、計24の眼点とよばれる視覚器官があり、これを駆使して餌を狩っています。
キロネックスが餌とするのは小魚や甲殻類の生き物で、見つけると長く猛毒のある触手を伸ばして捕食します。
猛毒すぎるキロネックスの毒
キロネックスはラテン語で「人殺しの手」を意味します。キロネックスはその名の通り、自身の持つ毒で人々を殺めてきました。
猛毒による犠牲者は数千人にも及ぶ
キロネックスが海水浴場にまで姿を現す地域では、海水浴場周辺に防護ネットや金網等を張って侵入を阻止しようとしていますが、それでも被害は発生しています。その被害数は非常に多く、1954年以降のキロネックスによる被害者は5,500人を超えているという説もあるほどです。
血清が意味ない?
キロネックスの毒は人間に対しても非常に有毒で、刺された途端に堪え難い激痛が走り、刺された箇所が壊死をはじめ、呼吸困難や心肺停止になるそうです。
キロネックスの猛毒に対しては血清の開発が成功しています。しかしそれでも亡くなる人が多く出ているのは、キロネックスの毒が非常に即効性の高い毒のためです。最短では刺されてから3分ほどで亡くなったひともいるという記録もあるそうです。数分で死に至ることもあるキロネックスの猛毒に対しては血清があっても間に合わないことも多いそうです。
危険すぎて専用の標識も
現地ではキロネックスの猛毒による死亡事故が発生している事から、海中にいる恐れのあるキロネックスに対して注意をするよう警告の看板も出されています。キロネックスはそれだけ危険な生き物なのです。
天敵はウミガメ
ウミガメに毒など効かない
猛毒を持つキロネックスは天敵のいない生き物のように感じますが、実は天敵がいます。それがウミガメです。ウミガメにはキロネックスの猛毒が効果がなく、キロネックスは捕食されてしまいます。
人間の対策
防護ネットや金網でのキロネックス対策はうまくいっていませんが、実は各個人による有効な対策は見つかっています。それはストッキングを履くことです。
キロネックスの触手にある毒針はストッキングの厚さより短いそうです。しかし、ストッキングを履いていない上半身や顔に刺されたら効果はありませんので、このストッキングによる防御も万全とは言えないようです。
まとめ
キロネックスはオーストラリア北部や東南アジアの近海で姿が見られる危険な猛毒を持つクラゲです。温暖化により水温の変化が原因なのか、現在は沖縄の沖合でも目撃されているそうなので、近い将来遠い外国の話ではなくなるのかもしれません。
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出典:wikipedia.org(Chironex fleckeri)