フグはてっちりやてっさ、唐揚げなどにして食べるととても美味しい魚です。しかし猛毒を持っているフグは、その種類によって可食部位が異なります。
全種類のフグに共通して言えるのが、”フグの肝は猛毒”ということです。
しかしそんな中でネットや噂などで、「フグの肝は大分県で食べられる」というのを聞いたことがあったり見たことがあったりする人もいるのではないでしょうか。
その事実は本当なのか…天然?養殖?本当に食べることができるの?今回はそんな疑問について検証していきたいと思います。
目次
フグの肝は猛毒です
冒頭にも述べました通り、フグは種類によって可食部位が異なります。 一般的に食べられているトラフグでは、身(筋肉)、皮、精巣(白子)が可食部分です。そして肝(肝臓)は絶対に食べちゃダメな部分となります。見た目はとても美味しそうに見えるのですが、テトロドキシンというとんでもない毒を含んでいます。これはどのフグにも共通して言えることです。
フグ毒(テトロドキシン)はどれほど強力?
テトロドキシンと呼ばれるフグ毒は、どれくらい強力なのかというと、ドラマなどでよく耳にする青酸カリの850倍の毒性を持っています。この毒成分は、300℃以上の熱処理でも分解されることがないので、食べることができないのです。フグは血液に毒を持っているので、肝臓のような血液のかたまりの臓器を食べるのは自殺行為だということがわかりますね。
フグの肝が大分なら食べられる?
そんなフグの肝ですが、ネットで大分県で食べられるという噂を耳にしました。なんでも大分の条例で食べれるという情報。実際にそのようなことがあるのでしょうか。
答えはNOです。食品衛生法では有毒物質を提供することを禁じていますので、フグの肝は大分県であってもNGです。
ただ、2014年まで大分県の旅館でフグの肝を提供していたという情報もあり、フグの肝を食べる食文化が大分県にあるというのは本当なようですね。
実は合法的にフグの非可食部位を食べられるところがある?
フグの食べてはいけない部分の一つに、卵巣があります。こちらもかなりの毒を含んでいる部分なのですが、石川県では食べる食文化があるそうです。「河豚の卵巣の糠漬け」という郷土料理で、この料理であれば卵巣を食べることができます。
フグの卵巣は糠漬けにすると毒が抜けるそうで、一部の業者が作ることを認められています。もちろん糠漬けにした後毒の含有率を検査しているようですが、昔から石川県にある食文化の一つで、フグの非可食部位が合法的に食べられる唯一の料理ということになります。
養殖で無毒化したフグがいる!?
フグは生まれつき毒持ちなわけではありません。食べたものの毒素を蓄積してだんだんと毒化していくのです。しかし毒を蓄積しない育て方をすることで、無毒化に成功しています。それは養殖という方法です。養殖であれば、フグが食べるものをコントロールすることができるので、理論上は無毒なフグが完成します。大分県で食べられていたフグの肝も、この養殖のフグ肝だと言われています。
しかし法律で決められているので無毒と言われていても養殖フグの肝を食品として提供することはできません。むやみにフグ肝を出すお店にはご注意を。
結論。フグの肝は食べちゃダメ。
フグの肝には毒が含まれており、食べるのは自殺行為だということがわかりました。大分県では食べる食文化があったようですが、実際に法律でフグ肝を提供することは禁じられていますので、食べてはいけないということです。
最近では養殖により、無毒のフグが誕生していますが、こちらも肝を食べることは法律で禁止されています。フグは可食部分を美味しくいただくのが良さそうですね。