マメハチドリは世界最小といわれている鳥です。体重はわずか2g、大きさも5cm足らずで文字通り「手のひらサイズ」の鳥です。その大きさのためかマメハチドリは生きるのが大変!
休むことを許されていない…ともいえる、そんなマメハチドリについて今回ご紹介します。
目次
マメハチドリの生息域や生態
マメハチドリの生息域
マメハチドリはカリブ海に浮かぶキューバにのみ分布しているハチドリの一種です。山地から海岸までの広い範囲の湿原のある森林に生息しています。
マメハチドリや生態
マメハチドリは体長5cm、体重2gという非常に小さな鳥です。オスよりもメスのほうが若干大きいそうです。
ハチドリは常に食べていないといけない
ハチドリの仲間の特徴でもありますが、体が小さく腸が短いため体に食べ物をためておくことができす、15分もすると体外に排出してしまいます。そのため一日中食事をしていないと死んでしまうそうです。
人懐っこい?
絶えず花の蜜を吸っていないといけないマメハチドリは、ハチドリを観察するのが目的で持っている花にも蜜を吸いにやってきます。蜜を吸いに飛んで来る姿が、まるで人に向かって飛び付いているように見えることもあって、マメハチドリを見に世界中の鳥好きがキューバに訪れているそうです。
ハチドリはホバリング飛行できる鳥
ハチドリの仲間は鳥の中では数少ないホバリングができる鳥です。
栄養価の高い花に蜜を食べることに特化しており、わずか2gでさえ花弁に止まって蜜をすうというのには体重があるため、はばたく力と共に心臓を発達させたハチドリは、1秒間に50~80回はばたくことでホバリングをして花の蜜を吸うことができるようになったと考えられています。
マメハチドリの小さい卵と小さな巣
体が小さい種が多いハチドリの中でも特に小さい体をしたマメハチドリは卵も非常に小さいです。なんとわずかに6mm程度しかありません。その小さな卵を産み付ける巣も非常に小さく、産卵された6mmの卵2つが収まっている巣もわずか3cm程度しか無いです。
巣はメスがつくり、蜘蛛の糸や植物の綿毛を集めて巣の形にしています。
天敵しかいない危険な毎日
非常な小型な鳥のマメハチドリの周りには天敵となるモノしかいない、とも感じとれるほど多くの天敵に囲まれていますので、特に特徴的な天敵をご紹介します。
他のハチドリ
ハチドリの仲間もマメハチドリにとっては天敵となります。同じキューバに生息しているキューバヒメエメラルドハチドリは、マメハチドリが作っていた巣を壊して自分の巣を作ることもあるそうです。
小さくなったのは他のハチドリに負けたから?
マメハチドリが2gしかない非常に小さな体をしているのは、同じキューバに生息しているハチドリに餌となる花を取られたためと考えられています。ハチドリの仲間はいずれも餌となる花の蜜を探して飛翔しています。
歩く能力も無く、足を使うのは木の枝にとまっている時くらいです。そのため、常に心臓とはばたくための胸筋にエネルギーを送るために絶えず食事が必要です。
大きい花の方が蜜が多いため効率がもちろんいいはずですが、餌を確保するための生存競争に敗れたマメハチドリは小さな花の蜜を吸うようになり、そしてその蜜の量で耐えられるように体を小さくしたと考えられています。
アリ
マメハチドリの卵は6mm程度しかありませんので、アリのような小さな昆虫に巣が襲われてアリに雛が襲われることもあるそうです。その為、親鳥が巣を離れている間にアリに巣が発見されるというのは非常に危険な事態になります。
風
成体になっても2gしかないマメハチドリは非常に風に弱いです。特に雛鳥は強い風が吹くと巣からはじき出されてしまうこともあるそうです。
まとめ
体長がわずか5cmしかないマメハチドリはたしかに非常にかわいらしい鳥です。しかしその体格のために、常に食事をしていないといけない日々と、周りが天敵だらけという恐ろしい毎日を送っています。
まさかアリに巣にいる雛が襲われる脅威がある鳥というのはさすがに他にいないと思いますし。餌となる花の蜜を常に探し求め、多すぎる天敵に襲われるかもしれないというマメハチドリには休む間もないようです。
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出典:Wikipedia(Bee_hummingbird)