世界最小の猫「クロアシネコ」は勇敢なハンターだった!

日本でも空前のブームが来ている猫。2017年には飼育数が犬を上回り、その人気はとどまるところを知りません。

特に子猫はその愛らしさから非常に人気がありますが、世界にはずっと子猫のようなサイズの猫がいます。それが「クロアシネコ」です。

この猫は世界最小種といわれており、非常に小柄な猫ですがその小さい体からは想像できない、勇敢で優秀なハンターとして現地では知られています。今回はその小さな勇者「クロアシネコ」についてご紹介します。

クロアシネコの生息域や生態


出典:wikipedia.org

クロアシネコの生息域

クロアシネコはアフリカ大陸の南部、南アフリカ共和国やナミビア、ボツワナそしてジンバブエに分布しています。半砂漠地帯のカリハラ砂漠や乾燥草原地帯のサバンナに生息しています。

しかし、生息地域の開発などからクロアシネコはその数を減らしており、現在では絶滅危惧種としてレッドリストに記載されています。そのため残念ながらクロアシネコをペットにすることはできません。日本の動物園での飼育もされていませんので、その姿を見るにはアフリカの地に行くか、アメリカなどの動物園に行くしかありません。

クロアシネコの生態


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サバンナや半砂漠地帯に生息しているクロアシネコは夜行性の生き物で、日中は自分で地面を掘ることはできないので、トビウサギやツチブタが掘った古い巣穴を再利用する他、シロアリの巣である塚や岩場、背の低い木の陰に隠れて過ごしています。

生息地である砂漠地帯の熱い砂の上を歩くのに適応するため、足裏には毛が生えています。この足裏が黒くなっていることから和名はもちろん英名でも「Black-footed cat」名前が付けられています。また、分類学上の名前は「nigripes」といいますが、これもまた黒い足を意味しています。

毛色は夏毛が褐色、冬毛が灰色を帯びた淡い褐色です。ヒョウに似たまだら模様が全身にに入っていますが、喉や腹部、四肢には縞模様が入ります。

世界最小の猫

クロアシネコはネコ類の中で最小種のひとつで、体長はオスの成獣でも40~55cmほど、体重が1.7~2.5kg程度になります。一般的に飼育されているイエネコの場合、生後3ヶ月で体重が1~1.5kgというのを健康的な体重の目安とされていますので、クロアシネコがそれだけ小型な猫というのがわかります。

ハンターとしても優秀


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クロアシネコは大物狙い?

クロアシネコは世界最小の猫ではありますが、ハンターでもあります。エネルギー効率がよくないので食事量が多く、毎日自分の体重の6分の1、250gの肉を食べることがわかっています。

また、食事をするために毎晩大移動をし、一晩で8km移動します。これは餌となるネズミのような小型哺乳類や爬虫類、小鳥に昆虫などが少数かつ点在しているためと考えられています。この餌の少なさからクロアシネコは基本単独で行動しています。繁殖期でもオスとメスが一緒にいるのは5時間から多くても10時間程度と言われています。

餌となる対象も少ないですが毎日大量の食事が必要なうえ、日々大移動をしているクロアシネコは自身よりも体重の重い野ウサギの一種ケープノウサギ(体重1.5~2kg)に襲いかかることもあります。

現地で勇敢な生き物と呼ばれているクロアシネコ

クロアシネコは人が近寄ると姿を隠す警戒心の高い生き物です。しかしあまり深く追い詰めると逃げたり隠れるのをやめて反撃してくる習性があるというのが現地では知られています。そのことから南アフリカではクロアシネコのことを「アリ塚の虎」とも呼ばれています。

また、アフリカ大陸南部カラハリ砂漠に住む民族、サン人はクロアシネコを勇敢な動物としており、キリンの頸動脈を狙って襲いかかるという伝承まであります。キリンの体高が5mあり、クロアシネコの肩高と比べると18倍にもなりますので、もし本当にキリンに襲いかかる事があるなら向こう見ずなほどの勇敢さですね。

他にもいる世界最小種のネコ


出典:wikipedia.org

サビイロネコ

体重がイエネコの赤ちゃん、3ヶ月ほどの体重と同程度しか無いクロアシネコですが、クロアシネコと同程度の体型なので同じく世界最小の猫と呼ばれているのが「サビイロネコ」です。

スリランカとインド南部に住むこのサビイロネコは人に懐くことから現地ではペットとして愛されています。絶滅危惧種に指定されていることもあり日本では残念ながらペットとして飼育することは難しいようです。

サビイロネコの方がクロアシネコより小さい?

サビイロネコのメスは体重が1kg、もしくはそれ以下しかありません。クロアシネコのメスは1kgから1.5kgあるとされていることからサビイロネコのほうが小さいともいわれています。

まとめ

生後3ヶ月のイエネコの赤ちゃんと同程度の大きさしか無いクロアシネコですが、毎晩餌を求めて8km歩く体力、自身よりも大きな体を持つ生き物にも襲いかかる勇敢さを持っった世界最小種の猫です。決して見た目や大きさで判断できないというのがわかりますね。

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出典:Wikipedia(Black-footed_cat) / Wikipedia(サビイロネコ)

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