うなぎは土用の丑の日に食べる定番の食材ということもあって、日本人の中には特に好きな人も多いですよね。もちろん、土用の丑の日ではなくても、好きで食べているという人は多いです。
しかし、そんなうなぎの血に毒があるというのを知っているでしょうか?意外かもしれませんが、うなぎには毒が含まれているため、血をそのまま食べるというのには向いていません。その事実について迫ってみましょう!
目次
うなぎとは
うなぎとはそもそもどういう生き物なのか。そう聞かれて具体的に答えられる人は少ないと思います。うなぎは世界中の熱帯や温帯などに生息している魚類の一種であり、日本にはニホンウナギやオオウナギなどが生息しています。
世界を見てみるとヨーロッパウナギやアメリカウナギなど、実は世界で19種類ものうなぎがいるのです。しかし、その中で食用とされているのは4種類だけとなっており、意外にも食べられているうなぎは少ないです。
血に毒を持つウナギ目
ウナギ目に共通して見られる特徴が、血液にイクチオヘモトキシンというたんぱく質の毒を持っていること。
当然ながらその毒は体内で生成されるものであり、人間がうなぎの生き血をそのまま飲むということは避けておきたいです。
うなぎ・アナゴ・ハモ等
うなぎだけではなく、アナゴやハモなどウナギ目に属する種類の魚類に関しては、血液に毒素を持っていると言われています。つまり、ウナギ目の魚類の血には要注意ということですね。
うなぎの毒で死ぬ?
うなぎに毒があると言われれば「え?食べ続けたら死んじゃうの?」と思うかもしれません。しかしその心配はほとんどないようなので、まずはそこまで不安になる必要もありません。
致死量は1,000mlなので死にはしない
毒による致死量は約1,000mlということもあり、生き血をそのまま飲み続けない限りは身体への影響もほぼありません。
血清1mlで体重20gのマウスを60匹~150匹ほどの命を奪うという話もありますが、人間の場合は大丈夫です。確かに大量の血液をそのまま飲めば下痢や嘔吐、発疹などが出ると言われるのですが、まず死にはしません。
摂取した場合の症状は?
もし摂取してしまった場合、症状としては下痢や嘔吐や発疹の他、チアノーゼや無気力症などがあり、さらには不整脈や衰弱などを引き起こすとされています。その他で見ても感覚の異常や麻痺、呼吸困難になることもあります。
ただ、これはあくまでも致死量の生き血を飲んでしまった時だけです。普通の人はうなぎを生のままでそのまま食べる人もいないので、まず致死量に達することはありません。
ウナギ目の刺身はない!
ウナギ目には毒があることから、刺身で食べられるということはあまりありません。牛乳パック1本分を飲まない限りは大丈夫ですが、それでも刺身で出されることはないですね。
うなぎやアナゴは刺身で食べない
うなぎやアナゴなどウナギ目の食材は、刺身で食べるということはそうそうありません。みなさんもどんなうなぎの名店やアナゴの名店を訪れたとしても、刺身にして食べることはまずないのではないでしょうか。
事実、店でも危機管理の観点から刺身で出すところはほとんどありません。万が一にも毒素によって何かしらの症状が出れば大問題ですからね。
もちろんフグの毒のように強力とは言えないですが、それでも刺身はそのままの状態で食べることになるので、リスクが0%とは言えません。
ハモも生は食べない
ウナギ目に属するハモに関しても、あまり生で食べるということはありません。ただ、人によって知見が異なり、生で食べられると主張する派と生で食べられないと主張する派が存在します。
たまにハモを生で出している店もあるのですが、そういう店ではしっかりと血抜きなどを行っているので、まず安心して食べることができます。
ウナギ目は毒があるので心配なら食べない方が良いですが、衛星管理を含め、熱による調理をしっかり行ったハモであれば生で食べても危険はありません。ただ、原則としては生で食べないのが普通かもしれませんね。
血抜きしたうなぎの刺身?
うなぎの刺身などは毒が気になるということで食べない人もいるのですが、実は完全血抜きしたものであれば、美味しく食べることができると言われています。
その弾力のある食感はフグの刺身にも近い美味しさなのだとか。うなぎで有名な浜松には、うなぎを刺身で食べられる店が存在しているんだそうです。うなぎの刺身自体が珍しいということもあり、うなぎ専門店でも食べることはなかなか難しいです。ただ、血抜きさえしっかりとしている店なのであれば食べられないことはありません。
ただ、1つ注意したいのが熱をしっかり通すということ。うなぎの血に含まれる毒は約60度で死滅するため、それ以上の熱で加熱したものであれば食べることができます。
まとめ
うなぎはとても美味しく食べられる食材で、やはり王道としては蒲焼きなどにして食べることが多いですよね。しかし、刺身で食べるということもできなくはありません。
素人が勝手に食べるのは危険ですが、手間暇かけて処理されているうなぎの刺身であれば食べられるので、そこはぜひともトライしてみてはいかがでしょうか?