海の水といえば、舐めるとしょっぱいイメージがありますよね。
塩などを採ることもできる海水に塩分が含まれているのは常識ですが、その塩分濃度はどの程度なのかご存知ですか?
海水の塩分濃度は何%なの?そもそも海水はなぜしょっぱいの?今回はそんな海水についての疑問を見てみましょう。
目次
海水の塩分濃度は?
まずはじめに、海水の塩分濃度について見ていきましょう。
海水の塩分濃度は約3.5%
海水に含まれる塩分の濃度は、約3.5%といわれています。
これは、海水100gに対して塩分が3.5g含まれているという事になります。
・・・と言われても、具体的にはちょっと想像しにくいですよね。
味噌汁の塩分濃度は約1%
わかりやすいように、毎日飲み慣れている味噌汁と比較してみましょう。
味噌汁の塩分濃度は、約1%といわれています。
味噌汁も結構しょっぱい飲み物ですから、比べると海水がどれだけ塩分を多く含んでいるかわかりますね。
なぜ海水はしょっぱいの?
海水はなぜしょっぱいのでしょうか?
原因は太古の昔にさかのぼる
海水に塩分が含まれていてしょっぱい味がする理由は、太古の昔に遡ります。
地球が誕生したばかりの46億年前。
できたての地球は微惑星の衝突によって誕生したので熱を持っており、水分は蒸発した状態で存在していました。
時間が経ってくると地球が冷え、空気中の水蒸気が雨となって地上に降り注いできました。
この水蒸気が今の地上の海になるのですが、地上に降ってくる時に、大気中の塩素ガスを溶かしながら降ったのです。
地上にできたばかりの海は、このような理由から塩素を含んでいました。
そこに岩石に含まれるナトリウムが溶け出し、塩化ナトリウムに変化。
塩化ナトリウムは食塩の成分なので、しょっぱくなったのです。
場所によって塩分濃度は変わる
そんなしょっぱい海水ですが、場所によって塩分濃度が変わるって知ってましたか?
一般的な海は3.5%前後
一般的な海水の塩分濃度は、既にお話したように約3.5%前後です。
主に地上の海の塩分濃度は3.1%~3.8%の間で地域によってばらつきがあり、一定ではないとされています。
世界一塩分濃度の高い死海
世界一塩分濃度の高い海と言われているのが、アラビア半島北西部に位置する死海です。
その塩分濃度、なんと驚異の約30%!
死海の地形上海水が流出する河川がなく、淡水が流入する河川はあってもすぐに蒸発してしまうためにこのような塩分濃度になっているそうです。
大量にある海水の利用法
地球上の海水の量は、約13.7億立方メートルだとされています。
この大量の海水は、一体どのように利用されているのでしょうか?
真水にする場合も
乾燥地帯などの水不足が深刻な地域では、海水をろ過して真水にし、生活用水として利用することもあります。
船舶の風呂水
軍事用の船舶や漁船などでは、海水を風呂水として利用することも!
真水を備蓄しておくのに限界があるため、ほぼ無限に存在している海水を利用してお風呂に入ることもあるのです。
トイレの水
香港では慢性的な水不足に悩まされており、水洗トイレの洗浄水に海水を使用されることも。
時々、海水の中に生息している光るプランクトン「夜光虫」が入り込んでしまい、トイレの水が光るなんて不思議現象が起きることもあるのだとか!
冷却用水
工場などで大量の冷却水が必要となる場合は、海水を利用することも珍しくありません。
大型の工業施設などは海岸に建てられることが多いのには、輸送面などだけでなく、冷却水として海水を利用するためという一面もあるのです。
【まとめ】海水の塩分濃度って?
海水の塩分濃度は3%前後。
味噌汁の塩分濃度が1%ほどとされていますので、その3倍ということになります。
しかし、海水の塩分濃度は世界の海で一律ではありません。
3.1%~3.8%ほどの間で地域差があります。