クリスマスになるとサンタさんからもらえるプレゼント。
子供にとっては1年でトップクラスに楽しみにしている行事なので、サンタさんはプレゼントを用意したり、夜に子供を起こさないように来訪したりと大変です。
ところでこのクリスマスプレゼントは、なぜ靴下に入れるといわれているのかご存知でしょうか?
この靴下にプレゼントを入れるという風習は、決して近年生まれたものではありません。
サンタクロース誕生に大いに関係のあるその歴史について、ここでは見ていきましょう。
目次
サンタさんがプレゼントを靴下に入れる理由
サンタクロースのモデルといわれる人物
世界中の子どもたちにプレゼントを贈るサンタクロースは、神話などから生まれたわけではなく、歴史上の実在の人物の伝承から生まれた存在とされています。
サンタクロース誕生の伝説を持つモデルとなった人物は「ニコラウス」といいます。
この人物は270年頃にローマ帝国で生まれ、初期のキリスト教の司教、高位聖職をつとめた人物です。
現在のトルコの南部、地中海沿岸の都市ミラで主に活動しており、冤罪の人が処刑されようとしているのを助けたり、軍人による街での略奪行為を止めさせるなど、弱い立場の人々を助けて活動を積極的に行っていました。
他にも、海路でエルサレムに向かう途中、海難に遭った際には、暴風雨を鎮め、波に飲み込まれ船から落ちて亡くなった水夫を復活させるという奇跡を起こしたという伝説も残している人物です。
その生涯は伝説化されており、古くからキリスト教において聖人とされていることから「聖ニコライ」や「聖ニコラウス」とも呼ばれています。
冤罪の人を救った伝説から「無実の罪に苦しむ人」の守護聖人とされ、海難事故の犠牲者を甦らせた奇跡から「海運」の守護聖人ともされています。
サンタクロースが靴下にプレゼントをいれる由来
ニコラウスがなぜサンタクロースのモデルとなっているのか、その由来は数ある伝説の一つにあります。
そしてその由来は、サンタクロースが靴下にプレゼントを入れる理由にもなっています。
サンタクロース誕生秘話
ある時ニコラウスは、あまりの貧しさから娘を身売りさせねばならない状態になっている貧しい家族の存在を知りました。
その状況を知ったニコラウスは、真夜中になるとその家族が住む家の煙突に金貨を投げ込みました。
この時、暖炉には靴下が干されおり、投げ込まれた金貨は偶然にも靴下に入ったといいます。
この金貨のおかげで家族は娘を身売りさせずに済みました。
この伝説を由来とし、「クリスマスプレゼントを夜中に靴下に入れる」サンタクロースが誕生しました。
なぜわざわざ深夜に金貨を投げ込んだのか。
それは、ニコラウスが弱者と呼ばれる立場の人々を救う際、他人にばれないように行動していたからだとされています。
この伝説の続きでは、この家族はその後も貧しさに苦しめられていましたが、ニコラウスが再び投げ込んだ金貨によって救われています。
そして3度目、隠れて誰が投げ込むのかを確認しようと待ち構えていた家族の父親に投げ込むところを目撃されたことで、家族から感謝されたといいます。
サンタさんが煙突から入ってくるとされるのも同じ伝説から
サンタクロースは、煙突から入ってくるといわれています。
この特徴もまた、同じ伝説から生まれたとされています。
ニコラウスは貧しい家族のために金貨を煙突に投げ込んでいました。
この箇所がクローズアップされ、後にサンタクロースは煙突から入ってくるものという特徴に変わったと考えられています。
そもそもなぜクリスマスにプレゼントがもらえるの?
クリスマスプレゼントの風習は古代ローマまで遡る
プレゼントが靴下に入れられるようになったとされる由来はニコラウスの伝説によるものでしたが、そもそもなぜ子供へのプレゼントがクリスマスに贈られるようになったのでしょうか。
それは、キリスト教が国教になる前の古代ローマ帝国にまで遡るとされています。
古代ローマ帝国では、12月17日から1週間にわたり「サートゥルナーリア祭」というお祭りが催されていました。
このお祭りは古代ローマで一番盛り上がるお祭りとされていたお祭りで、連日昼夜問わずに宴会を行われたとされています。
お祭りの中でプレゼントを贈り合っていた?
どんちゃん騒ぎをしていたサートゥルナーリア祭ですが、祭りの最中にはちょっとしたプレゼントを贈り合っていたとされます。
この贈り合っていたプレゼントがクリスマスプレゼントのはじまりとも考えられています。
まとめ
サンタさんがクリスマスプレゼントを靴下に入れる、というのはニコラウスという人物の伝説が由来となっていました。
ゲーム機やおもちゃといったプレゼントだと靴下に入れるだなんて無理に近いときもあるかもしれませんが・・・。