かわいいというイメージのあるアライグマは飼育出来ないってホント?飼育出来ないその理由とは

ふわふわの毛に童顔、もちっとした身体に愛らしい表情。
アライグマに対してそんな良いイメージを持っている人もたくさんいますよね。

しかし、日本ではそんなかわいいアライグマを自宅で飼育するなんてことはできません。
なぜなら、法律で禁止されているからです。
そこで、ここではそんなアライグマの飼育に関する情報を見ていきましょう。

アライグマとは?

 

ここでは、はじめにアライグマの生息域や生態について見ていきましょう。

生息域

アライグマは北アメリカ原産の生き物で、日本やヨーロッパには外来種として生息しています。
水辺のある森林部や山間部に生息している他、湿地や農耕地、海岸、都市でも適応して生きていける性質を持っています。
そのため、農作物への被害だけではなく生態系への影響も懸念されています。

繁殖力が高いこともあって、国によっては捕獲や駆除の対象となることもあるくらいです。
行動範囲はそこまで広くないですが、とはいえ数kmを範囲に行動することもあります。

生態

アライグマは、基本的に夜行性であり、雑食性です。
ただし、夜だけではなく昼も普通に活動できるため、遭遇した場合は危険が及ぶこともあります。

可愛い動物というイメージを持たれるアライグマですが、実は非常に気性が荒く、攻撃性も強い生物です。
人間を見つけたら襲ってくることもあるほどで、獰猛といえるほどなのです。

運動神経も高く、噛む力や爪や牙など武器が豊富ということもあって、害獣としてみるとかなり厄介な存在になります。

アライグマの飼育

 

アライグマの飼育に関してはかなり大変です。
本物の熊よりも大変と動物園の飼育員などで語る人がいたりするほどなのだとか。

飼育はプロでも困難

アライグマはその特性もあり、人間に対しても攻撃してくることがあります。
そのため、動物園で働くプロの飼育員でも飼育することは難しいです。

動物園で扱いに慣れているはずの飼育員でも、傷だらけになっていることがあるほどなのだとか。

過去にペットとして輸入された経緯

そもそも北アメリカ原産のアライグマがなぜ日本にいるのでしょうか。
その背景には、アメリカから大量に輸入されてしまったという事実があります。
しかも、これにもある背景があって・・・。

人気アニメの影響

原因は1970年代にアライグマのアニメが放送されたことにあります。
誰もが知っているような国民的アニメとなったことから、日本人の多くが「アライグマを飼ってみたい」と思うようになってしまったのです。

しかし、アニメによってペット需要は高まったのですが、その幻想はすぐに打ち砕かれることになりました。
なぜなら、素人が飼育するには不可能に近いほど、アライグマの扱いが大変だったためです。

現在日本では個人飼育禁止

現在の日本では、法律でアライグマを飼育するのは禁止されています。
そのため、勝手に野生のアライグマをペットにすることも当然禁止です。

特定外来生物

野生のアライグマは、平成16年に公布された「特定外来生物による生態系等に係る被害に関する法律(外来生物法)」によって特定外来生物に指定されました。
生態系に悪影響を及ぼす危険を防ぐ他、人間に危害を加える可能性がある生物は捕獲や駆除の対象となるため、個人で飼うことはまずできません。

この法律を根拠に、日本ではアライグマが個人で飼育することができない事になっているのです。

アライグマによる被害

 

アライグマはその愛らしいルックスとは裏腹に、害獣といえるほど厄介な被害をもたらしています。
ここからはそんなアライグマの被害についてご紹介します。

農作物被害

アライグマが与える被害の中でも、特に大きいと言われているのが農林水産業に与える被害です。
野菜や果物などの食害が全国各地に広がっており、アライグマに怯える農家も少なくありません。

畜産業にも被害が出ており、家畜の飼料を食べたり、糞尿による衛生悪化を引き起こしています。
これは日本の食卓にも影響を与える大きな問題ですよね。

生態系に関する被害

アライグマは雑食性ということもあってなんでも食べてしまいます。
陸上の生き物から水中の生き物までなんでもです。

日本の生態系でも重要な生き物となるサンショウウオやカエル、フクロウ、ムササビなども食べてしまうんです。
そのため、生態系に関する被害も大きいと言われています。

人間の生活環境被害

アライグマはゴミや残飯を漁るのはもちろん、屋根裏や床下に住み着くことによる家屋のダメージ、感染症の媒介、糞尿の排泄などなど多くの問題を引き起こしています。
結果、人間の生活環境に与える被害も計り知れません。

どうしても飼いたい場合は?

 

アライグマは研究や展示、教育など正当な理由を認められた場合にのみ飼うことが許可されています。
どうしても飼いたいと思っても、個人で飼うことはまず無理です。

どうしてもアライグマを見てみたいということなら、動物園などで我慢するようにしましょう。

まとめ

アライグマはとても可愛い見た目をした生き物ですが、その本性は人間が思っているような愛らしいものではありません。
むしろ害獣とされることもある存在で、その性格も凶暴なものです。

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