ニュースでよく聞く排他的経済水域(EEZ)とは?いまさら聞けない言葉を解説!

ニュースで連日のように耳にする排他的経済水域(EEZ)という言葉。確かに耳にする機会は増えましたが、実は意味がよくわからないという人もきっと多いと思います。

もちろん、恥ずかしいことではありません。ただ、いまさら人にはなかなか聞けませんよね。そこで、ここではその排他的経済水域(EEZ)について最低限知っておきたいことをご紹介します!

排他的経済水域(EEZ)

EEZとはそもそもどういうものなのでしょうか。そして排他的経済水域とは?そこを知っておくためには、言葉の意味を理解していくのが早いと思います。

言葉の意味

排他的経済水域(EEZ)とは英語でExclusive Economic Zoneを意味します。これは国連海洋法条約に基づいて設定されているものであり、そのまま直訳するとそのままの意味となります。

排他とは?

排他とは自由に所有できるわけではないが、何かをする際には独占できるという意味の言葉です。本来、地球の資源は手に入れた段階で所有権が発生すると考えられています。それを他国が奪おうをしてくれば、最悪の場合は大きな争いになってしまいますよね。

そこで、国連では手に入れるまでは誰のものでもないという考え方を設定することで、手に入れた瞬間からその国に所有権があると決めたのです。

排他的経済水域という言葉で言えば経済活動などにおいては独占できるものの、飛行機や船はどこの国でも自由に航行できるということを意味します。ちなみに排他的経済水域(EEZ)の範囲は沿岸から200海里までで、約370kmの範囲まで。

いつから?

排他的経済水域(EEZ)が決められたのがいつからなのかというと、これは1967年に提唱され1982年に採択された国連海洋法条約が基礎となっています。

日本では1977年の領海法改正と漁業水域に関する暫定措置法の施工によって設定され、より明確化されました。

EEZでできること

排他的経済水域(EEZ)は他の国も自由に航行できるということもあり、人によっては「それなら何をしてもバレないんじゃない?」と思うかもしれません。しかし、できることは限られてくるので、そこは注意が必要となります。

EEZの主権者の権利

排他的経済水域(EEZ)は主権者の権利が守られるようになっています。先ほども説明したように、地球に埋まっている資源などは誰かが手に入れるまで、誰のものでもありません。

しかし、経済活動などにおいては独占できるように定められているのです。そう考えると「他の国が勝手に手に入れても良いの?」と思うかもしれません。しかし、排他的経済水域(EEZ)内にあるものはその国の主権者が権利を持っています。

つまり、自由にして良いのは原則としてその国だけなのです。

基本的な経済活動全て

基本的な経済活動はすべて排他的経済水域(EEZ)内で可能です。しかし、それは主権者の権利を行使してのこと。それ以外の国が勝手に入ってきて経済活動をするのはダメ。

他国のEEZでも可能なこと

ただ、他国であっても排他的経済水域(EEZ)内で行えることはあります。それは以下の3つとして国連が定めているので、こちらも確認しておきましょう。

航行

排他的経済水域(EEZ)内では他国であっても船舶の航行が可能です。もちろん、航行中に引き網などで漁業を行うことは禁止ですが、航行するだけなら問題はありません。

飛行

排他的経済水域(EEZ)内では飛行も可能です。他国であっても自由にできるため、飛行機も普通に飛んで大丈夫となっています。ただし、領土・領海上の空域は領空となりますので、領空上を無断で飛行した場合は領空侵犯となり、航空自衛隊機によるスクランブル発進の対象になる可能性があります。

海底電線・海底パイプラインの敷設

排他的経済水域(EEZ)内には海底電線を引くこともできます。これは海での活動をより進めるものなので、特にどこかの国が禁止していることはありません。海底パイプラインの敷設も可能です。

最低限知っておきたいこと

排他的経済水域(EEZ)をより詳しく知ろうとすると複雑で難しいので、ここからは最低限これだけは知っておきたいことをご紹介します。

EEZは基本領海から200海里(1海里1852m)

日本人なら誰でも知っている…とは言い切れないのが排他的経済水域(EEZ)の範囲です。これはすでにこの記事でもご紹介していますが、排他的経済水域(EEZ)は200海里までと決められています。

EEZは主権的経済活動ができる海域

排他的経済水域(EEZ)は主権的経済活動ができる海域のことを言います。いわば海で経済活動をする際、主権者である国がその海域で自由に経済活動できるという意味ですね。

なので、日本のEEZ内で漁業を行ってもいいのは日本だけなので、度々報道される違法操業の漁船に海上保安庁の巡視艇が警告を行ったというようなニュースは、他国が日本のEEZ内での経済活動を行ったということなんですね!

EEZは国連条約に基づく

排他的経済水域(EEZ)は国連条約によって決められているため、どの国でも犯すことのできない法でもあります。これを守らない国があるため、近年はニュースになることがあるわけですね。

EEZでも航行・飛行・パイプラインはOK

先にも記述しましたが、排他的経済水域(EEZ)でも航行や飛行や海底パイプラインの設置はOKとなっています。ここまで禁止してしまうと海を越えた移動などができなくなるため、国連では排他的経済水域(EEZ)に関しては他国でも自由に行き来できるようにしているのです。

まとめ

排他的経済水域(EEZ)という言葉はよく耳にするものの、あまり意味についてはわかっていない人も多いですよね。ここでご紹介したのはあくまでも基本となる情報ですが、いまさら聞けないことでもあると思うので、ぜひ頭の片隅に入れておいてくださいね。

関連記事(外部サイト)

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事