
紅葉の時期になると美しい並木道に変化するイチョウの木。
行楽シーズンにも人気があります。
しかし、絶景を楽しんでいたと思ったら突如不快な匂いが・・・。
この匂い、実はイチョウの実の仕業です。
そこで、ここではイチョウの木になる実について、その特徴や匂いについて見ていきましょう。
目次
イチョウの木

中国原産のイチョウ科イチョウ属の植物、それがイチョウの木です。
紅葉のシーズンになると黄色く変化し、一面とても綺麗な葉を見せてくれます。
イチョウ並木は絶景として名所になっているところも多くあります。
イチョウの木の特徴
イチョウの樹高は20~30mあり、雌雄が別の木になっています。
秋も深まると扇形をした葉は黄色くなり、一面が太陽の光で金色にキラキラ光って見えることもあります。
全国各地で見られることから紅葉の風物詩にもなっていますね。
街路樹として最も植樹されている木
実はイチョウの木、日本でも街路樹として最も植樹されている木の1つです。
葉が黄色くなった時の美しさと、剪定に強いという特徴があるためと考えられています。
銀杏並木が臭いのは果実のせい

日に当たると非常に美しい光景を見せてくれる銀杏並木ですが、非常に臭いという難点があります。
この困った特徴はイチョウの雌木になる実が原因です。
イチョウの実、その皮に臭い原因が
イチョウの実の匂いの成分には酪酸やエナント酸、ヘプタン酸などが含まれており、これらの皮に含まれる成分があの臭さの原因です。
イチョウの実が熟すことによって、肉質化した皮が異臭を放ちます。
イチョウの実の匂いは足の裏の匂い?!
イチョウの実はその臭さを様々に形容されます。
その匂いの1つに数日洗っていない蒸れた足の臭いのよう、というものがあります。
実はこの例え、間違いではありません。
足の臭いの原因物質とされているのはイチョウの実の皮にも含まれている酪酸です。
また、ヘプタン酸は腐敗臭がするといわれている成分です。
この2つが組み合わさっているイチョウは、正にひどい不潔な足の裏の匂いがするといっていいかもしれません。
銀杏が臭いのは食べてもらうためだった!
では、なぜ銀杏はそれほど強烈な匂いを発するのでしょうか。
銀杏の実は恐竜たちの好物だった!
実は銀杏、有史以前の時代から動物たちが食べていたと言われています。
銀杏の実はそんな動物たちの気を引くため、あの匂いを発するようになったのだとか。
これはイチョウの木だけではなく他の植物にも言えることなのですが、植物は自力で動いて交配をすることができません。
そのため、繁殖するためには種を広めてくれる動物が必要となるわけです。
動物たちはイチョウが発する香りを嗅ぎ、近付いてきます。
そして、イチョウの実を食べた動物が種を他の場所に排泄してくれるのです。
これを繰り返すことによってイチョウの木は生息域を広げました。
好き嫌いが大きく分かれる銀杏の実
イチョウの実はその特有の香りもあって、すべての動物が好んで食べるわけではありません。
実際にサルやネズミは食べません。
逆にアライグマなどは食べるので、好みがとても別れるところのようです。
臭いイチョウの実はいろいろ危険!
イチョウの実は、臭いと言うだけでなく実害の可能性もある危険もあります。
触るとアレルギーでかぶれるかも!?イチョウの実は直接触らないで!
イチョウの実は、触れることで銀杏皮膚炎という症状を引き起こしてしまうことがあるのだとか。
主に接触することで引き起こされる皮膚炎とされ、イチョウの実を拾った手で顔などを触ることで広範囲に発症してしまうこともあるようです。
皮膚にアレルギー症状が出てしまう可能性があるようなので、直接触らないようにしてくださいね。
美味しい銀杏(ぎんなん)には毒がある?!
イチョウの実の種は、その胚乳種にあたる銀杏(ぎんなん)はほくほくしていて美味しいですが、実は神経毒を持っています。
しかも、大量に食べてしまうと中毒症状を引き起こし、最悪の場合は命を落とすことがあるのだとか。
少量なら問題ないかもしれませんが、大量摂取はしないように注意しましょう!
まとめ
イチョウの木はとても綺麗な紅葉を見せてくれることもあって、毎年楽しみにしている人もいますよね。
しかし、近くまで行ってみると潰された銀杏の果肉の匂いが漂ってくることもあります。
とはいえ、近年では街路樹には実のならない雄木へと植え替えがされていることもあるようです。