
唐突な質問ですが、イカは好きですか?
普段調理されたイカは買ってきても、1杯をそのまま買ってきて料理するということがない方は気づかないかもしれませんが、あの大きな目が気になったことはありませんか?
イカの目はかなりのハイスペック
イカの目は人間の目と構造が良く似ていて、視力は人間に置き換えると0.5くらいあるのだとか。残念ながら色は見えていないと言われていますが、白黒の世界でも濃淡の識別能力は高く、色彩を判別する高度な能力を持っていると考えられています。
しかし、漁師さんの間では、イカは色の識別をしているというのが常識のようで、疑似餌の色によって釣果が全く変わるのでそういわれているそうです。それほどイカの目はハイスペックなのです!
まず大きい
イカの目の特色はまず大きいことです。確かにあの体に対してギョロリと大きな目は、とにかく大きくて目立ちますよね。
イカの目を人間の大きさで対比すると、バレーボールやバスケットボールくらいの大きさになるそうです。そんなに大きな目を持って生きるのは、かなり大変そうな気がします。
「見え過ぎちゃって困るの~」という、昭和のCMを思い出しました。
イカの眼は2種類
イカの眼は2種類あって、「閉眼目」と「開眼目」に分けられます。「閉眼目」というのは眼球が透明な膜で覆われていて、「開眼目」は膜がなくて目の水晶体が露出しています。水晶体がそのまま出ているなんて、痛くないんでしょうか。不思議ですね。
この眼のタイプの違いはイカの分類にも役立てられていて、ヤリイカやアオリイカは閉眼目、スルメイカやダイオウイカは開眼目です。以下の分類に眼が使われていることからも、イカにとって眼が非常に重要であることが分かりますね。
ちなみに、開眼目と閉眼目の『目』ですが、これは眼を表す目ではなく種類を表す「目(もく)」です。字にするとちょっとややこしいですね。
人と同じ単眼
「単眼」と「複眼」という目の種類があることをご存知でしょうか。昆虫などの無脊椎動物は、普通とても小さな眼が集まった複眼という目を持っているのだそうです。
ところがイカは同じ無脊椎動物でありながら、人間と同じ一つの目でできた単眼を持っています。しかも解像能力が高いので、カメラ眼とかレンズ眼と呼ばれているそうです。
目のある部分は人間よりも高性能!
出典:wikipedia
人と同じ単眼を持つイカですが、実は人間の眼よりも優れている部分もあるんです!
上の図は、左が人間など脊椎動物の眼、右がイカやタコの眼の構造を示しています。1の部分が光の情報をキャッチする視細胞、2が1で受けた情報を視神経の伝達するための神経節細胞、3は2から得た情報を脳へと運ぶ視神経を表しています。
見て分かる通りイカと人では1と2の位置が逆になっています。脊椎動物の1(視細胞)は2(神経節細胞)の内側にある為、2と3がつながる場所には1が配置できません。その為、脊椎動物の眼には4(盲点)が生じてしまいます。一方、イカの眼は4がなく、盲点がないことが分かります。
そのためイカの眼には盲点がなく、その点は人間の眼よりも優れていると言えます。
ハイスペックな目に対して脳は
そんな高性能な目を持つイカですが、その性能を何に生かしているのでしょうか。この疑問に関しては、とても興味深い色々な説が浮上しています。
優秀な目なのに脳は残念?
イカは人間並みの高性能な目を持っているのに、それに見合う脳を持っていないと言われており、せっかくの視覚情報を解析する脳がないので、いわば宝の持ち腐れ状態になっているというのです。
しかし、イカの体に対する脳の割合は哺乳類や鳥類に次いで高く、無脊椎動物の中ではトップクラスの脳を持っています。学習記憶能力もかなり高く、短期記憶だけでなく長期記憶も持つという説もあります。その為、視覚を生かせていないと言われていますが、実は脳も発達しているので十分生かせているという説もあります。
ただ、そんな大きな脳に対しても、イカの眼は大きすぎるんですけどね。
視覚情報をどこかへ?
ハイスペックな視覚情報を自分の脳では処理できないとした場合、イカはその視覚情報をどのように活用しているのか?これに関して人類が答えを見つけるときが来るのかどうかはわかりませんが、面白い仮設はいろいろあります。
例えばもっと巨大な本体のような生物が深海に潜んでいて、イカは単にその巨大生物の情報収集用の器官に過ぎないのでは?という説。もしそれが本当なら、いつの日か人類はその生物によって滅ぼされてしまうのでしょうか。それとも海の底に人知れず海底都市を構築し、平和に地球上で共存していることに、人間は気づいていないだけなのかもしれません。
もしくは人類もまだ知らない何かの大きなネットワークに繋がっていて、密かに宇宙のスーパーコンピューターに情報を送り続けているのでしょうか。もしかしてイカこそひっそりと全世界に散らばって存在する宇宙人なのでは!?
そんなことを考えていると、ロマンが広がりませんか?
他にもあるよ!イカのハイスペック
心臓は3つ
イカにはなんと心臓が3つもあります。一つは人間と同じように全身に血液を送るためのもの。あとの2つはエラ心臓とも呼ばれる、エラに血液を送るためのものです。これは素早く泳ぐために効率良くエラに血液を送るための、補助ポンプだと考えられています。
泳ぐスピード
イカの絶対最大遊泳速度は、時速41Km。これは国立国会図書館にあるリサーチ・ナビに記載されている速度です。人間では走っても追いつけないし、追いかけられたら逃げ切れませんね。
再生機能もある?
イカの足もタコと同じように再生できると言われていますが、はっきりとしたことはまだわかっていません。ただ釣り糸にかかったときなどに、躊躇なく自切して逃げていくことからも、再生できるのでは?と言われています。
まとめ
イカはお刺身や煮物で美味しくいただくことはあっても、じっくりと目を観察することはなかなかありませんよね。しかしイカの目のレンズ機能はかなりしっかりとしていて、目を取り出して新聞か何かの上に置くと、文字が大きく見えるそうですよ。
興味がある方は、今度イカを買ってきたときに、試してみてはいかがでしょうか。私は・・・う~ん、どうしようかな?
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出典:Wikipedia(目)