『紅一点』には「一人だけ女性」という意味はなく、一輪の花の事を指す言葉だった!?

男性の中に女性が一人だけいる状況を『紅一点(こういってん)』という言葉で表現をしますが、実は本来そのような意味はなかったようです。

では何を指し、どのような意味で使われていた言葉だったのでしょうか?気になるその意味や由来について調べてみました!

紅一点の由来

紅一点といえば「男性しかいない中に1人だけいる女性」の意味でのみ用いられることから、紅は女性の事だと思われることもありますが、実際は違います。

この言葉の由来は11世紀の中国、北宋の時代にある人物に詠まれた詩の一節とされています。その詩で詠まれたものこそ、紅の本来意味するものとなります。

「紅一点」の紅はザクロの花

紅一点の由来とされる詩は「詠柘榴詩」という題で、文字通り「柘榴(ザクロ)の花」について詠んだ詩です。

この詩の「万緑叢中一点紅(草木が一面生い茂り緑色となっている中に、一輪の赤い柘榴の花が咲いている)」という一説、それが紅一点の起源とされています。

緑が生い茂る中に一輪だけ生えている赤い柘榴の花は非常に目立ちます。このことから「同じようなものが並ぶ中、ひときわ目立つもの」を詩の文面から取って「紅一点」と表現されるようになりました。

そしてこの意味から転じて、男性しかいない中に1人だけいる女性という現在の意味で使われるようになりました。

詩人・王安石

紅一点の語源になった詩、詠柘榴詩を詠んだ人物は「王 安石(おう あんせき)」という人物です。

北宋の6代皇帝「神宗(しんそう)」に仕え、国内改革に注力をした政治家で、優れた詩作をする人物としても知られており、「唐宋八大家」という唐から宋まで約500年間を代表する文人8人のうちの1人として数えられています。

「紅一点」の類義語と誤った対義語

今でこそ「男性の中に女性が一人だけいる状況」という意味でしか使われない紅一点という言葉ですが、「同じようなものが並ぶ中、ひときわ目立つもの」という意味もありますので、類義語をいくつか誤用されている対義語について解説します。

類義語:鶏群の一鶴

鶏の群れの中に一羽の鶴が紛れ込むと非常に目立ちます。この様子から「凡衆の中で1人才覚が抜きんでた人物が混じっていること」をたとえています。

類義語:掃き溜めに鶴

鶴は非常に美しい鳥です。そんな鶴が、ごみの集積された掃き溜めにいるのはあまり似つかわしくありません。このように「その場に似つかわしくない素晴らしいもの、美しいものがあること」をたとえています。

類義語:泥中の蓮

蓮は綺麗な花は泥池の水面に咲きます。その様子から「汚れた環境にも染まらず、清く美しくある様」をたとえています。

また、蓮は仏教において仏の智慧や慈悲を象徴するものとして描かれています。このことから「煩悩や俗世の汚れに染まらず清浄を保つ仏法の尊さ」を意味します。

誤った対義語

男性の集団に女性が一人いることを「紅一点」ということから、女性の集団に一人だけいる男性を「黒一点」と表現されることがありますが、これは俗語の一つになりますので対義語ではありません。

一つだけ目立つという紅一点の本来の意味から考えると「似たり寄ったり」という意味のある「どんぐりの背比べ」「五十歩百歩」あたりが対義語に該当するのではないでしょうか。

まとめ

男性の中に女性が一人だけいる状況を指す「紅一点」には最初そのような意味はありませんでした。緑が生い茂る中、一輪の柘榴が咲き誇る情景から、「ひときわ目立つ存在・人物」を意味していたというのが本来の意味です。

しかし現在では、男性の中に女性のこと以外では使われませんので、日常生活の中で目立つ人物という意味で「紅一点」と用いても通用しないでしょうから本来の意味での使用はお勧めしません。

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