
みなさんはゴリラの血液型をご存知ですか?人間の血液型はA型とB型、AB型、O型の4種類なのですが、ゴリラにはB型しかいないとも言われています。
しかし、果たしてこれは本当なのでしょうか?ゴリラにはB型しかいないのでしょうか?
そこで、ここでは人間と同じく霊長目ヒト科に属すゴリラの血液型が本当にB型だけなのか、を解説していきます。併せてゴリラの豆知識もご紹介しますので、ぜひ動物の雑学として知っておきましょう!
目次
ゴリラの血液型
ゴリラの血液型を説明する前に、そもそも血液型とはなんぞや?ということについて解説しておきます。
血液型は、血液を構成する赤血球の表面にある抗原によって決まる血液分類です。イチバンボピュラーなのは、「A型・B型・AB型・O型」の4種類で分類するものですが、この血液型の分類方式の正式名称は「ABO式血液型」といいます。
日本人ではA型に次いでO型、B型、AB型の順の割合で人口が多いと言われており、偏りがあります。そう考えると、ゴリラの血液型にも偏りがあってもおかしくはありませんね。
ゴリラは実は2種類しかいない
ゴリラは霊長目ヒト科ゴリラ属の生き物です。その種類についてはもともと1種類のみと考えられていたものの、近年では「ニシゴリラ」と「ヒガシゴリラ」の2種類に分類されています。
ただ、近年の研究ではより細分化され、「ニシゴリラ」はニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラ、「ヒガシゴリラ」がマウンテンゴリラとヒガシローランドゴリラ、とそれぞれ亜種が2種類づついると考えられています。2種類4亜種いるわけですね。
ゴリラは本当にみんなB型?!
巷では「ゴリラの血液型はみんなB型だ」なんて話が出回っているのですが、これは厳密にいうと間違いです。
正しくは、全てののゴリラではなく、ニシローランドゴリラがみんなB型とされています。
ニシローランドゴリラは約15万頭~20万頭ほどいて、全てのゴリラの9割以上を占めています。そんなニシローランドゴリラにB型しか見られないことから、「ゴリラはB型しかいない」と言われるようになったそうです。
実際には他の血液型を持つゴリラもいるので、みんながB型だというのは厳密には間違いということになります。
B型ではないゴリラもいる
ニシローランドゴリラがB型なのに対し、「ヒガシゴリラ」の亜種にあたるヒガシローランドゴリラは、B型だけではなくO型もいると言われています。
また、マウンテンゴリラは逆にA型とO型しかいないそうです。つまり、ゴリラにも人間と同じように様々な血液型が存在しているわけです。
ゴリラに関する豆知識
ゴリラはその生態も研究が続けられており、様々な事実が発見されています。そこで、ここからは血液型の他にもゴリラの雑学として知っておきたいことをご紹介します。
野生のゴリラはバナナを食べない
野生のゴリラはバナナを食べません。ゴリラといえばバナナを食べているイメージですが、あれは動物園や保護施設に限ります。
そもそもバナナの原産地は東南アジアのマレーシアやフィリピンなので、アフリカを生息域とする野生のゴリラは基本的にバナナを食べる機会がありません。アフリカにもバナナの果樹園があるのですが、それは人間用に生産されているものなので、ゴリラの口に入ることはありません。
野性のゴリラは繊維質が多い植物を主食とする他、他の果実や昆虫を食べたりしています。
動物園や保護施設にいるゴリラはバナナで育てられることもあるため、大好物になったというゴリラも多いですが、野生のゴリラはまずバナナを食べることがありません。
ゴリラの正式名称はゴリラゴリラゴリラ?
ゴリラの正式名称は「ゴリラゴリラゴリラ」です。正確には、最も頭数の多いニシローランドゴリラの学名が「ゴリラゴリラゴリラ」です。
ちなみに、一番名前を聞くマウンテンゴリラは「ゴリラゴリラベリンゲイ」、ニシローランドゴリラと同じくニシゴリラの一種クロスリバーゴリラは「ゴリラゴリラディエリ」、ヒガシローランドゴリラが「ゴリラゴリラグラウエリ」となっています。
ゴリラの握力は500kg?
「ゴリラの握力は500kg!」といわれることもありますが、これについてはあくまでも憶測となっています。あの体重を支えるだけの握力を考えると500kg前後あるのではないかと推測であり、実際に計測したものではありません。
中には1tという説もあるのですが、そこまではさすがに眉唾物とされています。この握力1t説は他の動物にもあり、コアラの握力も1tと言われることもありますが、これも同じくありえない話とされています。
いくら力自慢の動物でも、握力が1t以上もある動物はいないと言っても差し支えは無いようです。ただ、ゴリラは地球上に存在する生き物の中ではダントツで握力が強いです。それこそ、本気を出せば人間の身体も簡単に潰せてしまうほどの握力を持っています。
まとめ
ゴリラの血液型は人間と同じようにA型やB型、O型が存在しています。B型しかいないと言われていたのは、ゴリラの大多数を占めるニシローランドゴリラの血液型がB型しかないためです。
しかし数は少なくとも、A型やB型しかいないマウンテンゴリラなどもいるため、ゴリラの血液型は人間と同じくいくつかの血液型がある、という結論に達します。