不正行為やズルに対して用いる「イカサマ」、その由来は?

「イカサマ」は、不正行為やズルに対して使う表現です。
不正だけではなく、詐欺などの行為にも使用されます。
しかし、そもそもなぜそれらの悪事を「イカサマ」と表現するのでしょうか?

ここではこの「イカサマ」という言葉について、意味や由来などを見ていきましょう。

「イカサマ」とは

  
まずは「イカサマ」の意味について見ていきましょう。
実は「イカサマ」には普段使用する意味とは別の意味もあります。

そちらも併せて確認しておきましょう。

「イカサマ」の意味

「イカサマ」とは、いかにも本当らしく見せかけることで、賭け事などでインチキをすることをあらわすことが多いです。
また、不正や詐欺においては相手を騙すことを指します。

不正・詐欺以外の意味での「イカサマ」

  
「イカサマ」は、不正や詐欺以外も指すことがあります。
古めかしい表現にはなりますが、その際は、確かに・本当にといった意味合いで用いられます。
また、何としてでも・ぜひともなといった表現や、疑問のどのようにや肯定のなるほどをあらわす言葉としても用いられてきました。

「イカサマ」の由来

  
では、そもそもなぜ不正や詐欺を「イカサマ」と表現するようになったのでしょうか?

「如何」から生まれたとする説

「イカサマ」の「イカ」は、魚介類のイカのことではありません。
「いかが」や「いかに」などの漢字表記「如何」から来ているとされています。

この「如何」に、様子をあらわす「様」を組み合わせた「如何様」がイカサマの由来だと考えられています。
そして、「如何様」は意味も現在と異なり、もともとは「どのように」という意味でした。

これが転じて「その通り」「間違いない」という言葉へと変化していき、さらに現在用いられるような本物のように見せかけることを指す表現となったとされています。

イカスミで書かれた文字から来たとする説

「イカサマ」の由来には、イカスミから来たとする説もあります。
江戸時代、借金の借用書など重要書類をイカスミで書く人がいたそうです。

イカスミは数ヶ月~数年経つと薄くなり、だんだんと消えていってしまいます。
そうすると文字が読めなくなりますので、金額をうやむやにすることで返済をごまかそうとしたわけです。

この行為から、インチキで借金から逃げようとする人のことを「イカサマ」と呼ぶようになり、転じて不正や詐欺をする人全般を指すようになったともされています。

イカサマ師の類義語

「イカサマ」をする人を、俗に「イカサマ師」と呼びます。
ここからはこの「イカサマ師」の類義語についてまとめます。

ペテン師

「ペテン師」とは、人を巧みに騙して利益を得る悪者のことです。
端的に表現するなら人を騙して稼ぐ詐欺師のことです。
ギャンブルでズルをする人の表現としても多用されます。

「ペテン」とは不正や詐欺を意味する中国語「繃子(ペンツ)」が訛った言葉だとされています。
この言葉は、明治初期から日本で使用されていたとされます。

山師

「山師」は、山を歩き回って鉱脈を見つけたり、立木の売買をしたりすることを生業とする人の事でした。
これが転じて、投機家を指す言葉となり、更には詐欺師をあらわす表現として変化して広まっていきました。

ちなみに、一か八かの賭けに出ることを指した「山を張る」も、この山師の山と同じくするとされます。

ゴト師

「ゴト師」とは、パチンコやパチスロなどで不正行為をする人のことです。
不正や詐欺を働く行為自体を「ゴト」と表現しているのですが、この「ゴト」とは、「仕事」の「事」から来ているとされます。

まとめ

不正やズルといった行為を指す「イカサマ」。
その由来は、「如何様」というどのようにという意味で用いられる言葉にあるとされます。
「どのように」が「間違いない」という意味に転じ、更に「本物に見せかける行為」へと意味を変化させていったのだとか。

また、書面を時間経過で薄くなっていくイカスミで書かれたことから来ているともされています。

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