野球拳の公式ルールとは?実は団体戦!?意外と知らない野球拳のあれこれ

2020.4.3


みなさんは野球拳をやったことがありますか?

若い人はあまり知らないかもしれませんが、あなたの考えるその野球拳はもしかしたら公式ルールとは違うかもしれません。

実は野球拳にはしっかりと歴史があり、その公式ルールも定められています。そこで、ここでは野球拳の歴史や公式ルールについてご紹介します。

野球拳の歴史


野球拳とは歌いながら踊ってじゃんけんをする宴会芸の一種です。

メディアの影響で「野球拳=服を脱ぐ」というハレンチなイメージがあるかもしれませんが、実際にはルールが違います。

正しくは一部の懇親会の宴会芸として始まったのが本家の野球拳であり、現在でも郷土芸能として受け継がれています。

発祥は試合後の懇親会


本家の野球拳は、ある野球試合後の懇親会から始まりました。

1924年、とある実業団が開催していた野球大会に伊予鉄道電気の野球部が参加しました。しかし、気合を入れて挑んだものの0-6で完敗してしまいます。

そしてその夜、旅館で開かれた懇親会でそれぞれのチームが芸達者な隠し芸を次々と披露。

野球大会で大敗し、「ここでも負けるわけにはいかない」といった状況で追い込まれてしまった伊予鉄道電気は、その場を盛り上げるために、三味線や太鼓に合わせてユニホーム姿で踊ったのです。

それが野球拳の始まりだと言われており、当時は服を脱ぐということはありませんでした。

元は狐拳


元々はじゃんけんではなく、狐拳だったのも野球拳の歴史として知っておきたいですね。野球拳といえばじゃんけんをするのが定番ですが、起源は狐拳なのです。

ちなみに狐拳とはどういうものなのかというと、じゃんけんに類似した三竦みの関係を用いた拳遊びの1つです。

登場するのは狐と漁師と床屋の3つ。こちらのどれかを使って1対1で勝負をします。

・狐 : 指を揃えて手を広げ、頭上で相手に向けて添え、狐の耳の形にする。
・猟師 : 両手で握り拳を作り、鉄砲を構えるように前後をずらして胸の前で構える。
・庄屋 : 正座した膝の上に手を添える。

狐は床屋に勝ち、猟師は狐に勝ち、床屋は猟師に勝つのが基本的なルールです。ポーズは違いますが、内容はほとんどじゃんけんと同じと言って良いかもしれませんね。

当時は狐拳で野球拳をしましたが、1947年に行われた伊予鉄道電気の懇親会でじゃんけんに改められたようです。

本家野球拳として受け継がれる


その後、脈々と本家野球拳は受け継がれ、現在は4代目家元が務めています。

元々の野球拳は三味線や太鼓に合わせて歌い踊るもので、公式ルールでも服を脱ぐというものではありません。一部では宴会の席だったこともあり、じゃんけんに負けた際の罰ゲームとして酒を飲んだり服を脱いだりすることもあったそうです。

その一部がメディアで取り上げられ、全国に広まるようになったようです。ただ、これはあくまでも遊びとして付け加えられたもので、本家の野球拳とは違うものです。



脱衣はしない!野球拳の公式ルールとは


野球拳はただじゃんけんして服を脱ぎ合うものだと思われていますが、本家はしっかり野球のルールに即したものとなっています。

ここからはそんな野球拳の公式ルールについてご紹介します。

公式ルール


野球拳は通常、3人1組になって行う団体戦です。

両チームから1人ずつ出て、行事の「プレイボール」という声を合図に「野球するならこういう具合にしやしゃんせ」と三味線や太鼓に合わせて歌い踊ります。

「ランナになったらえっさっさ」という声とともに相手と場所を移動し「アウト!セーフ!よよいのよい!」でグーを出す決まりであり、その後に「じゃんけんぽん」の掛け声でじゃんけんするのが公式ルールとなっています。

もしあいこだったら「あいこでぽん」と勝敗が決まるまで続けます。ちなみに「よよいのよい」の後にグー以外を出した場合は反則負けで失格となります。

勝負が決まったら「へぼのけへぼのけおかわりこい」の声で敗者は立ち去り、次の相手と交代します。そして、チーム3人負け(3アウト)となるとそこでゲームセットとなります。

3代目家元が動画でルール説明されていますので、こちらをぜひご覧ください。

動画はこちら


全国大会も毎年開催


1968年からは松山城で本家野球拳全国大会が行われています。本家の野球拳に興味がありましたら、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

メディアで広まった野球拳


野球拳といえばじゃんけんで負けた方が服を脱いでいき、勝った方は何もしないというのがルールだと思っている人も多いですよね。

しかし、これはあくまでもメディアの影響で有名になってしまったにすぎません。

人気番組で一気に広まる


欽ちゃんが司会を務めた日本テレビ系列の人気バラエティ番組『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』で、負けたら服を脱ぐという罰ゲームの野球拳が行われ、間違った認識が広まったと言われています。

また、人気アニメ『ハクション大魔王』でも脱衣する野球拳が描かれたことで、子どもたちにも浸透しました。

その他のサブカルチャーでも描かれることがあり、ゲームでも「じゃんけんに勝つと画面上の美女が服を脱いでいく」という内容のものが登場し、徐々に「野球拳=ハレンチなもの」という誤解が広がってしまいました。

欽ちゃんが謝罪!?


上記のようなメディアの影響が強すぎたこともあり、2005年に松山まつりに参加した欽ちゃんは家元に謝罪しています。

「野球拳の先輩に申し訳ないことをした」と伝え、一応は和解ということとなりました。

それでも現代では「野球拳=服を脱ぐ」というイメージが定着してしまっているため、今後も本家と分家として使い分けていく文化が続いていきそうです。個人的にはそれはそれで良いと思いますけどね!(笑)

まとめ


みなさんがご存知の野球拳は1対1で対決し、じゃんけんに負けたら服を脱ぐというイメージがあると思います。

しかし、本家の野球拳は3対3で歌い踊りながらじゃんけんをする宴会芸の一種です。この違いはしっかりと頭に入れておきたいですね。

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出典:YouTube(本家野球拳)
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