【ハリモグラ】哺乳類なのに卵を産む不思議な生態!名前はモグラだけどモグラじゃない

2020.5.22


天敵から身を守るために全身に棘が生えた動物はたくさんいますが、特にメディアの影響もあって近年はハリネズミやヤマアラシが人気ですよね!

そんな中、ハリモグラと呼ばれる生きた化石も注目を集めています。そこで今回は謎の多い単孔目、ハリモグラについてご紹介します。

ハリモグラとは?


ハリモグラは、カモノハシ目(単孔目)ハリモグラ科に分類される動物です。

モグラとは呼ばれているものの、実は珍獣カモノハシと同じ単孔目の仲間です。モグラと見た目は似ているのですが、モグラではないので注意しましょう!

生息域


ハリモグラの生息域は、オーストラリアなど南半球の島々となっています。

カモノハシがオーストラリアの固有種なのに対して、ハリモグラはオーストラリア以外にも分布しています。

例えば、インドネシアやパプアニューギニアなどの島々でも確認されており、ハリモグラは独特の生態系を築いているのが特徴です。その生息域が意外と広いことでも知られています。

生態


ハリモグラの体長は約30~45cmで、体重は約2~7kgほど。

また、アリクイなどのように突出した形状の吻(ふん)と呼ばれる口を持っており、その長さは約7.5cmほどで、確かにモグラのような顔をしています。

舌は1分間に約100回ほど出したり引っ込めたりすることができ、主にその長い舌を使ってアリなどを捕食しているのが特徴です。

アリを捕えるために進化したため、口自体は0.5mmほどしか開かないという超おちょぼ口な動物でもあります!(笑)

やや弾力のある針に包まれており、身の危険を迫るとその針で攻撃する防衛術も見逃せません。その姿からハリネズミやヤマアラシの仲間だと勘違いしている人もいるなど、生態は未だに不明な部分も多いです。

ハリモグラは単孔目という分類の動物で、この種類は現在ハリモグラとカモノハシしか存在が確認されていません。



哺乳類なのに卵を産む


ハリモグラは哺乳類なのに卵を産みます。これは同じ単孔目であるカモノハシと同様です。

ここからは、そんな彼らがなぜ卵を産むのかについて解説します。

単孔目(ハリモグラとカモノハシのみ)


卵を産む哺乳類は単孔目のみです。もともと同じグループの生き物なのですが、ハリモグラは陸棲に、カモノハシは水棲にそれぞれが適応して分離したと考えられています。

単孔目は約2億5000万年前の太古の世界で誕生したと考えられており、現存する哺乳類の中で最も原始的な種類です。

これはオウムガイやシーラカンスなど、「生きた化石」と呼ばれる動物たちが生きていた時代でもありますね!卵を産む哺乳類は、これら原始的な種類のみです。

なぜ卵を産むのか?


卵を産む理由は、単純に原始的な動物だからだといえます。

もともと哺乳類の祖先は爬虫類で、かつてはどの哺乳類も卵を産んでいました。

それが進化の過程で卵を産まない哺乳類と卵を産む哺乳類に分岐した結果、現在では卵を産む哺乳類はハリモグラとカモノハシしか残っていないわけです。

そもそも哺乳類は卵で育つのかそのままで育つのかは関係なく、母乳で育つ動物という分類と分類されています。

そのため、生まれた状態によって哺乳類かどうか判断するわけではないんですよね。

ハリモグラは乳首がなく、母乳は乳輪からしみだしてくる仕組みになっており、実際どのように授乳をしているのかははっきりとしていません。

ただ、授乳期間に多量の母乳を摂取していることは確認されており、しっかりとミルクを与えて子供を育てる立派な哺乳類の動物なんです!

モグラと付くけど、モグラじゃないよ!


ハリモグラはその見た目からモグラと呼ばれるものの、生物学的にも分類学的にも違う動物です。

ただ、似ている点もあるからこそ、モグラという名前が付けられているわけです。

モグラとの類似点


ハリモグラとモグラは類似点もいくつかあります。以下で似ている点をまとめてみました。

穴を掘る


ハリモグラは、モグラと同様に穴を掘ります。これは巣穴を作るためだったり餌を探すためだったりするので、ハリモグラもモグラも行動は似てくるわけです。

日本人は古くから穴を掘って生活する動物としてモグラに馴染みがあったため、ハリモグラにもモグラという名前を付けたのかもしれませんね。

フォルムがちょっと似てる


単純にハリモグラとモグラの外見が似ていることも理由の1つです。

どちらも口先が尖っているのが特徴で、体はコロンッと丸みを帯びています。その姿形が似ていることから、ハリモグラにモグラと名付けてしまった可能性もありますね。

ハリネズミやヤマアラシの仲間?


ハリモグラには針がありますが、ハリネズミやヤマアラシとは別の生き物となっています。

生態もそれぞれ違っていて、ハリモグラは昼行性に対してハリネズミやヤマアラシは夜行性となっています。

食事もハリモグラはアリが主食ですが、ハリネズミやヤマアラシは雑食です。

もちろん、繁殖方法も全然違います。そのことから、別の生き物という認識で間違いありません。

モグラは南半球にいない!


余談にはなりますが、本当のモグラの仲間は南半球にいません。しかし、ハリモグラは南半球にいます。

このことからもわかるように、そもそも生息域も大きく違ってくるのです。

また、ハリモグラをモグラと呼ぶのは日本語だけです。英語だとギリシャ神話に出てくる半分蛇で、半分人間の怪物「エキドナ」という名で呼ばれています。

強いハリモグラ


ハリモグラは思っている以上にハイスペックです。他の動物に比べても強い要素をたくさん持っていて、動物界でもめちゃくちゃ「できる奴」なんです!(笑)

耳と鼻がいい


まずハリモグラはとても耳と鼻が発達しています。周囲の音を敏感に聞き分けることができる他、匂いを嗅ぎ分けることも可能です。

これは動物が生き残る本能として重要で、ハリモグラが太古から姿形を変えずに生き残ってこられたのは、これらの機能が充実していたからだと予測できます。

パワフルな穴掘り


ハリモグラのすごいところは力自慢でもあるところです。

硬い岩盤となるとさすがに難しいですが、大抵の砂や土なら簡単に掘っていくことができます。まさに動物界のブルドーザーならぬ掘削機!(笑)

木登りも水泳も得意


しかもハリモグラは木登りもできるだけではなく、水泳もできるんですよね。

さすがに猿や魚には及びませんが、それでも哺乳類にしてはとても身軽に動けるすごい奴なんです。

寿命も長い


ハリモグラは小さい体をしているのに約45年ほど生きることができます。

同じサイズの動物には犬や猫などがいますが、ペットとして飼われている犬猫でも平均寿命は十数年が良いところですよね。

それに比べてハリモグラはその倍以上は生きられるのです。

なので絶滅の危機と無縁


かつて単孔目は、有袋類の影響で絶滅の危機に瀕しました。

しかし、カモノハシは水中で生活していたため、有袋類に襲われることなく独自の進化を遂げて生き延びてきました。

ハリモグラはそのカモノハシから分岐した生き物なので、有袋類との生存競争に負けることもなかったといわれています。

そもそも持ち前の力強さで、絶滅の危機とは無縁だったと言えるでしょう。

だからこそ生息域では広い範囲で見られる動物として知られていますし、日本の動物園でも見られるほどです。どのような環境でも適応して生きていくことのできる動物なのかもしれません。

一方でカモノハシは日本に来たことがありません。ハリモグラであれば現在は東山動植物園や上野動物園、沼津港深海水族館などで見られます。

まとめ


ハリモグラは、かなりハイスペックな生きた化石です。哺乳類なのに卵を産むのは、そもそも太古から続く原始的な哺乳類だからなのです。

その他にも様々な要素を搭載した動物だけあって、かなり面白い生態を持っています。ただ、モグラではないので勘違いしないでくださいね!(笑)
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