病院と診療所は何が同じでどこが違うの?役割と設備機能の違いを解説

みなさんは病院と診療所の違いをご存知ですか?

なんとなく病院の方が大きくて診療所の方が小さいという認識だけは持っているかもしれません。

でも、実はこの2つには大きな違いがいくつかあります。

そこで、ここでは病院と診療所の違いについてご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね!

病院と診療所について

まずは病院と診療所について、それぞれどのような役割や設備機能をもっているのかを知ることが必要ですね。

簡単な説明となりますが、由来も含めて確認してみましょう!

病院とは

病院は、傷病者を収容して診断・治療する大規模施設のことです。

英語だと「hospital」

病院は英語で「ホスピタル(hospital)」と言い、その語源はラテン語で客を意味する「pospes」から来ているといわれています。

「pospes」は怪我をした人や病気にかかった人が収容される施設のことも指していたらしいので、まさに病院そのものを表す言葉だと言えるでしょう。

ホテル(hotel)も語源が同じで、かつては高齢者施設だけではなく孤児院などの意味でも使われていたそうです。

診療所とは

診療所は、傷病者を診察・治癒させる小規模施設のことです。

規模で考えれば、医師が不特定多数の人々に対して医療を行う場所全般を指す言葉でもあります。

開業医が開設した小規模なものが多く、歯医者なども含まれるのが特徴です。

英語だと「clinic」

診療所は英語で「クリニック(clinic)」と言い、その語源はギリシャ語で"もたれる"や"寄りかかる"を意味する「klinein」に由来しています。

このklineinからラテン語の「clinicus」という言葉が派生し、現代のclinicになったと考えられています。

ラテン語で「clinicus」が使われ始めた頃は、病床で洗礼を受けている人を意味していて現在とは違った意味で使われていたそうです。

「○○歯科・○○内科・○○整形外科・○○眼科」など、個人でやっているような医療機関が総じて診療所に該当します。

病院と診療所の違い

病院と診療所には多くの違いがあります。

医療行為をするという意味では共通の目的がありますが、規模による違いだけではなく、その役割や設備機能でも違ってくるのです。

設備機能の違い

基本的に病院と診療所では病床数が違います。

入院患者のためのベッドの数が20以上なら病院として規定され、0~19以内なら診察所と規定されています。

単純に医療機関としての規模を表す指標として、このベッド数が引き合いに出されることも多いようです。

医者数の違い

病院と診療所は医者数でも違ってきます。

主に病院は最低でも3人の医師の常駐が必要であり、それに対して診療所は1人の医師が常駐していれば十分です。

現代では約40人の外来患者に対して医師が1人必要だと考えられており、16人の入院患者に対しても医師が1人必要となっています。

そのため、働く医者数によって医療機関の規模がまた違ってくるのです。

診療所はそもそも病床数が少ないのはもちろん、外来患者が多いため医者1人でも十分対応可能だと判断されています。

スタッフ数が違い

病院は医師の他に看護師や准看護師、看護補助者に加えて、薬剤師、栄養士、放射線技師、作業療法士、理学療法士なども常駐しています。

これは診療科ごとに適切な医療行為が行えるよう、専門のスタッフの配置が義務付けられているためです。

一方で診療所は、入院施設がある場合に限り看護師や准看護師、看護補助者が必要となるだけです。

それ以外に関してはスタッフも必要なく、入院設備のない医療機関の場合は医者1人で運営していることもあります。

役割の違い

病院と診療所はその役割についても若干違ってきます。

主に病院は入院医療が中心なのに対し、診療所は外来医療が中心です。

病院は必要であれば患者を入院させることができますが、診療所にはベッドが用意されておらず入院設備がないところもあります。

それは診療所が病院に比べて規模が小さいのはもちろんですが、実は町医者として「かかりつけ医」の役割もあるためだと言えます。

入院せずとも医療行為ができる地域密着型の医療施設なのです。

医療費の違い

病院と診療所は、初診料でも違いがあります。

原則として病院も診療所も均一ですが、病院の場合は診療所などからの紹介状を持たずに受診すると、初診料の他に「特別料金」が請求されます。

もちろん救急患者の場合は、特別料金が不要となる場合があります。

一見すると医療費は同じに見えますが、状況によって料金が違うので注意しましょう。

まとめ

病院も診療所も同じ医療機関としての役割をもっています。

しかし、入院医療なのか外来医療なのかによって違う他、設備機能もそれぞれ規模によって違ってきます。

どちらも重要な医療機関であることは間違いないですが、違いを知っておくといざという時にも役立つかもしれませんね。ぜひ、違いについては覚えておきましょう!

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