
荷物を送る時や受け取る時、ダンボールに「天地無用」と書かれているのを目にしたことはありませんか?
天地だからなんとなく「上下」のことだと察することができますが、「逆さにしても大丈夫」なのかどうかちょっぴり戸惑いますよね。
そこで、ここでは「天地無用」の言葉について解説したいと思います。
天地無用の荷物は逆さにしてはいけない
勘違いしている人が多いと思いますが、「天地無用」と書かれた荷物を逆さにしてはいけません。
逆さにすることで壊れるものが入っている可能性があるので、扱いに注意が必要なのです。
まずは天地無用という言葉が持つ本当の意味を正しく理解しておきましょう。そして荷物を受け取る場合や送る場合の扱いについてもご紹介します。
天地無用の意味
簡単に言えば、天地無用とは「ひっくり返してはダメですよ」という意味です。
天地という言葉が上下を意味していて、無用というのは禁止の強調表現となってます。つまり、上下逆さまにすることを禁ずるという指示の言葉なのです。
主に運送会社などで使われている言葉で、荷物には「天地無用」と書かれた赤いシールを貼るのが一般的となっています。
ただ、文字だけでは伝わりにくいことも多く、日本人の3割近くは間違った意味合いで捉えているという調査結果も出ています。
そういう勘違いが多いこともあり、近年はよりわかりやすいようにイラストが描かれたシールもあります。
天地無用の荷物を受け取る場合
天地無用と書かれている場合は、絶対にひっくり返してはなりません。
特に割れ物など雑に扱うと破損してしまう可能性があるため、荷物を受け取る際には丁寧に扱ってください。
ダンボールなどに「天地無用」のシールが貼られているのが一般的です。送られてきた際は、逆さにせず開封しましょう。
原則として荷物の下よりも、上や横に天地無用シールが貼られているのでよく確認しておくことが大切ですね。
天地無用の荷物を送る場合
壊れやすいものを送る場合は、天地無用と書いて送ると良いです。
コンビニや郵便局などで送る際に天地無用シールを荷物に貼っておくことで、運送会社もより丁寧に扱ってくれます。
ちなみにシールは見やすいところに貼るのが鉄則です。荷物の裏に貼ったりすると、配達員さんが見落としてしまう場合があります。
また、天地無用と書いたりシールを貼っても、絶対に中身が安全に運ばれるという保証はありませんので、荷物の中に新聞紙や気泡緩衝材を入れておくようにしましょう。
注意!無用には2つの意味がある
ここで注意しなくてはならないのは、無用という言葉には2つの意味があるということです。
これが余計にややこしくしてしまっているので、こちらも正しく理解しておきたいですね。
禁止の強調表現
『無用』という言葉は、禁止の強調表現です。
「○○してはいけない」という意味があり、「立ち入り無用」や「折り曲げ無用」など禁止と置き換えることのできる言葉となっています。
侍の時代劇などでよく見る「口出し無用!」などのように、「口を出すな!」というかなり語気の強い印象の表現となります。
つまりは禁止よりもさらに強めた言い方だといえるでしょう。
天地無用であれば「絶対に逆さまにしてはならない」という強調のニュアンスが付随しているので、扱いには注意が必要ということです。
役に立たない・用事のない・いらない
無用という言葉には「役に立たない」「用事のない」という意味の他にも、「いらない」なども意味も含まれています。
天地無用と書かれていても決して「上下を気にする必要はない」という意味にはならないため、扱いには細心の注意が必要となりますね。
天地無用の意味は分かりにくい?
正直、天地無用という言葉は分かりづらい言葉のようです。それを裏付ける調査結果も出ているほどです。
世代によって「天地無用」の意味に認識のズレがある
2013年に文化庁が行ったアンケートによると、10代後半~20代前半を中心に天地無用は「上下を気にしないで良い」という意味で捉えている人が多いという結果が出ています。
若年層では勘違いされている人の方が割合が多いという事ですね!
全世代で見ても「上下逆にしてはいけない」と正しい意味を理解している人は5割ほどで、他は「上下逆にしても大丈夫」という意見や「そもそもわからない」という回答でした。
中には天地無用という表記をやめる運送会社も
このように意味が分かりにくい、世代によっては正しく認識していな人の方が多い「天地無用」という言葉。
一番使用頻度の高い運送業者の中には、この天地無用という表記が誤解を招くことがあるということで、使用を廃止しているところもあるそうです。
もしくはイラストを併用することで、取り扱いには注意してほしいものが入っていることが認識しやすくしているところもあるなど、工夫が進められているそうです。
まとめ
天地無用は、絶対に逆さにしてはならないものに書かれる言葉です。
逆さにしてもらいたくない荷物を送る際には天地無用と書くのが普通ですが、できればイラスト入りのシールを貼るなど、より分かりやすくすることが重要なのかもしれませんね!