燃えるような赤い姿をしたアカショウビン。火の鳥や雨乞鳥という対極にあたる別名も

アカショウビンという鳥をご存知ですか?カワセミの仲間で、名前にも「アカ」とあるように、燃え上がるような赤い色の体を持つ鳥です。

その姿から「火の鳥」という異名も持ちますが、同時に「雨乞鳥」とも呼ばれる由来となる習性を持ち合わせている鳥でもあります。

今回はそんなアカショウビンの生態や、別名にまつわる伝承をご紹介します。

アカショウビンとは

アカショウビンは、ブッポウソウ目カワセミ科に属する渡り鳥です。

日本には北海道から沖縄にまで、夏鳥として渡来しますが、その数は少なく限られた場所でしか目にすることができません。

それだけに貴重な存在として高い人気を持っています。

アカショウビンの外見

頭から尻尾にかけて、全身が燃えるような赤い色をしているのが一番の特徴です。

体長は約25cmでお腹の側は赤みがかった黄色、腰のあたりに美しいコバルト色の羽があり、飛んだときにはこの色が目を引きます。

くちばしは仲間であるカワセミよりも太く、やはり赤い色をしています。

生息地

日本や朝鮮半島、中国、インド、フィリピンやマレー半島など、東アジアと東南アジアに広く生息する渡り鳥です。

日本には6月〜7月頃になると夏鳥として飛来し、広葉樹林などよく茂った森林で繁殖します。

特に西表島は日本有数の繁殖地で、亜種のリュウキュウアカショウビンは美しい鳴き声で初夏を告げる鳥として大切にされています。

アカショウビンの生態

渓流の近くの暗い土地や、よく生い茂った低地や山地の森林で姿が見られます。

単独またはつがいで、崖やキツツキの古巣に巣を作って生息しています。

キツツキのように木をつついて巣を作ることもできますが、くちばしが柔らかく弱いので、朽ちた木を探して巣作りをする習性があります。

魚、サワガニ、トカゲやカエル、カタツムリ、昆虫などいろいろなものを捕まえて食べます。

実はヒスイに例えられるカワセミの仲間

得も言われ青く美しい羽を持つカワセミはヒスイに例えられる鳥です。

翡翠という漢字は「ヒスイ」と「カワセミ」のどちらとも読むことができますよね。

元来中国では、翡翠はカワセミのことを指す言葉でした。カワセミは宝石のように美しい鳥ということが言えますね。

分類上はカワセミの仲間

アカショウビンは、ブッポウソウ目カワセミ科に分類される、カワセミの仲間だということは先にご紹介した通りです。

日本では古来、カワセミのことを「ソビ」と呼んでおり、それが転じて「ショウビン」になったとされています。

翡翠の「翡」は赤色、「翠」は緑色やもえぎ色を指し、カワセミの緑色の羽と赤色のお腹からつけられたと考えられていますが、実は「翡」はアカショウビンのことを指していたのではないかという説もあります。

カワセミとの違い

水辺に棲む鳥カワセミとは違い、アカショウビンは水辺から離れた森林の中にも生息します。

またアカショウビンは渡り鳥ですが、カワセミは渡り鳥ではありません。

カワセミはその美しい羽を広げて見事なホバリングを見せてくれますが、アカショウビンはホバリングをしません。

同じカワセミ科の仲間で姿も似てはいますが、生息地や生態には大きな違いがあるんですね。

赤い体なのに別名は雨乞鳥

赤く美しい姿を持つアカショウビンが、なぜ雨乞鳥と呼ばれるようになったのでしょうか?

それにはアカショウビンにまつわる悲しい伝承も関係していました。

雨乞鳥と呼ばれる理由

アカショウビンは「キョロロロロ・・・」とだんだん小さく消え入るような美しい鳴き声をしています。

繁殖期にはよく鳴き声が聞こえますが、それが6月頃の梅雨時で雨が降りそうな時期なので、雨を呼ぶ鳥、雨乞鳥と呼ばれるようになりました。

またくちばしを空に向けて鳴くその姿が、いかにも雨水を飲んでいるように見えるということも、理由とされています。

雨にまつわるアカショウビンの伝承

鮮やかな赤い色が珍しいことから、アカショウビンには様々な伝説が言い伝えられています。

そのひとつが、ある日火事にあって体が焼けて赤くなってしまったカワウソが、体を冷やすために水を求めて鳴いているというもの。

また火事で死んでしまった娘がアカショウビンに生まれ変わり、水が恋しいと鳴いているというものもあります。

中には悪いことをした罰として水を飲めないという刑を受け、喉が乾いて雨を求めて空に向かって泣いている、という話も伝わっています。

いずれにしても、悲しい話が伝わっているようです。

まとめ

美しい赤色の羽と鳴き声で、人気の高い鳥アカショウビン。

カワセミとともに宝石の翡翠のようなキレイな羽色で、人々を魅了しているのですね。そんな鳥だからこそ、昔の人は悲しい物語を想像せずにはいられなかったのかもしれません。

そう思えばアカショウビンの鳴き声には、どことなく物悲しい響きが感じられるのは筆者だけでしょうか。

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