三大サメにも数えられるウバザメ、大人しいサメの名前の由来はおばあちゃん?

三大サメと言われている、「ジンベエザメ」「メガマウス」「ウバザメ」
その中でも、ウバザメは魚類で世界第2位の大きさを誇っており、体長は3~8mにもなります。

そんな巨体を誇る一方で、「ウバザメ」という名前の由来は「おばあちゃん」から来ているそうです。
なんだかそのギャップが面白いですよね。

そこで今回は、ウバザメの名前の由来やその生態を見ていきましょう。

ウバザメとは

 

ウバザメは、ネズミザメ目ウバザメ科に属する唯一のサメになります。
ジンベエザメに次いで、魚類の中で2番目に大きいとされています。

ウバザメの生息地

ウバザメは沿岸性・回遊性の種であり、世界中の亜寒帯から温帯にかけて幅広い水域の大陸棚に生息しています。
水温は摂氏8度~14度を好むといわれており、しばしば陸の近くでも発見されています。

また、プランクトンがたくさんいる海面に集まるため、海面近くで見ることができることもありますよ。
ちなみに海面のプランクトンが減少する冬場は目撃されなくなることから、冬場は深海に生息しているのでは?という説があります。

ウバザメの生態

ジンベエザメに次いで大きいサメの種であるウバザメの全長は3~8mとされますが、全長12m体重16tを超える個体も発見されています。

ウバザメは天狗のように前面に尖った上顎、体高よりも大きく開く口、腹から背中まで届きそうなほど長い特徴的なエラ、つぶらな目、三日月型の尾びれなどといった外見をしています。

ウバザメの食事

ウバザメの食事は、プランクトンがメインです。

体高よりも大きく開くことができる口で海水ごとプランクトンを取り込み、エラを使ってろ過する「ろ過摂食」を行っています。
ウバザメはサメの中でも一番のエラの長さがあり、口も極めて大きく開くため、ろ過摂食に特化した体をしています。

なんとろ過する海水量は1時間あたり約2,000リットル!!
小さめのお風呂10杯分にもなるんです。

ウバザメは食品から革製品まで幅広く活用されてきた

ウバザメは泳ぎが緩やかで、攻撃性がないサメなので、以前は個体数も多く漁業の主産物となっていました。
肉は食品や魚粉に加工され、皮膚は革製品になり、肝臓は油に用いられるなど、幅広く活用されてきた歴史があります。

しかし、急速に個体数が減少したため、現在ではウバザメは保護種に指定されており、生産品の交易は規制されている国がほとんどです。

イギリス、マルタ、アメリカ国内の湾、大西洋では捕獲が完全に禁止されています。

ウバザメの名前の由来

 

ウバザメという名前は、どのような由来があるのでしょうか?
ウバザメの和名、英名、属名それぞれ異なる由来があるようです。

和名の由来

ウバザメの「ウバ」は、体側部にある特徴的な長いエラが姥(うば)のしわに似ていることが由来となっています。

ちなみに姥とは「老女」のことです。
おばあちゃんを思わせるしわのあるサメということになりますね。

英名「Basking shark」の由来

ウバザメの英名は、「Basking shark」です。

「Basking」とは日光浴を意味します。
日光浴をするサメと付けられたのはその生態に理由があります。

ウバザメは、餌のプランクトンを取るために水面近くまで浮上してきます。
この様子がまるで日光浴をしているように見えたことから来ているのです。

別名がかわいそう

ウバザメは「バカザメ」と呼ばれることもあります。
これは日光浴をしているようだといわれている生態ゆえに、漁師たちにとっては簡単に捕獲できてしまうことから名付けられたんだとか。

三大サメとは

 

ウバザメは、三大サメの1つといわれています。
では、残りの2つはどのようなサメなのでしょうか?

メガマウス

メガマウスは、最大で7mの大きさになる巨大ザメです。
口がとても大きく、開けると歯が蛍光色に輝きます。

古代生物のような怖い外見が特徴的ですが、ウバザメと同じくプランクトンを主食としており、人間に危害を加える種ではありません。
サメの特徴でもある歯は非常に小さく、ヤスリ状の列となっています。

メガマウスは太平洋やインド洋に生息しており、昼間は100~200mの水深にいますが、夜間になると水面の浅いところまで浮上してきます。

ジンベエザメ

 

ジンベエザメと言えば、水族館で展示されている魚の中でも、ひときわ目立つインパクトのある人気種の1つです。
世界最大のサメであるジンベエザメは、成長すると最大全長は20mにもなります。
世界の熱帯から亜熱帯の表層に生息するため、スキューバダイビングなどで見ることができます。

ジンベエザメの模様が、夏着の「甚平」に似ていることから、「ジンベエザメ」と名付けられました。
ウバザメやメガマウスと同じく、動物プランクトンを主食としており、動きは緩慢で人に危害を加えません。

日本では沖縄にある美ら海水族館のジンベエザメが有名ですね。

まとめ

ウバザメの変わった名前は、古くは姥(うば)と言われたおばあちゃんのしわのように見える大きなエラから付けられたとされています。

英名は日向ぼっこを意味する「Basking shark」という海面近くでも姿を見せることもある生態から来ています。
一方で、その生態から簡単に捕まえられるということで「バカザメ」という別名が日本では付けられてもいます・・・。

そして世界三大サメと言われるウバザメ、メガマウス、ジンベエザメは非常に大きく、見た目は迫力があります。
それぞれプランクトンを主食とする大人しい性格が特徴です。
サメというと獰猛な生き物というイメージがありますから、大きく印象が変わりますよね。

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