「青は藍より出でて藍より青し」とはもともと、弟子が師匠を上回るの意味では無かった?

「青は藍より出でて藍より青し」とは、弟子が師匠を超えることを表現する言葉ですが、出典では違う意味合いで用いられている意味は違うとされています。
本来「青は藍より出でて藍より青し」とは、学問は途中で投げ出さなければ良い結果をもたらすという教えだったとされているのです。

今回の記事ではそんな「青は藍より出でて藍より青し」が持つ意味はもちろん、本来の意味についてもご紹介します。
また、「青は藍より出でて藍より青し」の由来や語源などについても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

「青は藍より出でて藍より青し」とは

 

「青は藍より出でて藍より青し」とは、どのような状況を指して用いられるのか。
まずは、この言葉が持つ意味について解説します。

「青は藍より出でて藍より青し」の意味

「青は藍より出でて藍より青し」とは、弟子が師匠より優れていることの例えとして用いられます。
特に弟子が研鑽などを積み重ねることによって師匠を凌駕することを指しています。

なお、弟子が師匠を超えるというと、師匠にとっては恥ずかしいことのように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
「青は藍より出でて藍より青し」は、師匠が弟子に超えられることは恥ずべきことではなく、むしろ望ましいことの例えとして用いられるのです。

子が親よりも勝っていることを例えて表現することも多いです。
教えを受けた人が、教えた人よりも優れた存在となること「青は藍より出でて藍より青し」と表現するわけです。

「出藍」ともいう

「青は藍より出でて藍より青し」に関しては表現自体が長いことから、短縮した使われ方をされることもあります。

別の短縮した表現では「出藍」とも言われます。
また、前述のように師匠を超えることは双方にとって喜ばしいことなので、「出藍の誉れ」と表現されることもあります。

「青は藍より出でて藍より青し」の由来と元々の意味

 

では、どこから「青は藍より出でて藍より青し」という言葉が生まれたのでしょうか?

「青は藍より出でて藍より青し」の由来

青色の染料は、古くは藍という植物から採取されていました。
この藍という植物から作られる染料は、青というよりも黒や茶といった濁った色をしています。
そんな青とはかけ離れた色をした藍の染料を用いると、作られた染物は不思議と青みがかった色合いとなります。

この、染物の色の変化から、もともとの材料よりも勝るという意味で「青は藍より出でて藍より青し」という言葉が生まれたとされています。
そこから師匠より弟子の方が勝っている場合や親より子の方が勝っている場合に、「青は藍より出でて藍より青し」と表現するようになったのです。

「青は藍より出でて藍より青し」の元々の意味

しかし、もともとの「青は藍より出でて藍より青し」の意味は違うものだったとされており、実はもっと違う意味があるという話もあります。

「青は藍より出でて藍より青し」は、古代中国の思想家『荀子』という人物の書が出典とされます。
その中では、「君子曰く学は以て已むべからず」という文に続けて書かれています。
この前の文は、「学問は中断しなければ優れた効果を上げる」という意味の文が書かれています。
そして、「青は藍より出でて藍より青し」はその例えとして出てきます。

つまり、本来「青は藍より出でて藍より青し」は、学問は続けることで実を結ぶといった意味合いで書かれていたというわけですね。
それが、意味が転じたことで、現在の用いられ方になったというわけです。

「青は藍より出でて藍より青し」の類義語

 

「青は藍より出でて藍より青し」の類義語としては、「氷は水より出でて水より寒し」「鳶が鷹を生む」などが挙げられます。

「氷は水より出でて水より寒し」

「氷は水より出でて水より寒し」は、もともとあった物事よりも程度が勝ることを指しています。
「青は藍より出でて藍より青し」とほぼ同じ意味があり、弟子が師匠よりも勝ることを例える際に用いられます。

実はこの言葉、「青は藍より出でて藍より青し」と出典が同じです。
荀子の「君子曰く学は以て已むべからず」に続く文として「青は藍より出でて藍より青し」の後に出てきます。

「鳶が鷹を生む」

「鳶が鷹を産む」は、平凡な親が優れた子を産むことの例えです。

鳶と鷹、同じ猛禽類でタカ科という事もあって、姿形はとても似ています。
しかし、そんな鳶は猛禽類の中で一番身近と言ってもいい種です。
そのため、どこでも見られる平凡な物としてあげられ、逆に鷹は優れたものの例えとして表現されています。

転じて、普通の親から優れた子が生まれることを意味します。

まとめ

「青は藍より出でて藍より青し」は、弟子が師匠を超えることを指す言葉です。
しかし、出典となる『荀子』という書の中では、学問は続けていれば確かな効果を発揮するということの例えとして出てきます

類義語に「氷は水より出でて水より寒し」という言葉があるのですが、この言葉もまた『荀子』の書に出てくる言葉となっています。

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