【ヒクイドリ】青い首が美しいこの鳥は・・・世界一危険な鳥だった

青い首と赤い肉垂が目を引く、まるで恐竜のような出で立ちをしたヒクイドリ。
この鳥は「世界一危険」とまでいわれている鳥です。
では、何が危険なのか。「ヒクイドリ」についてここでは見ていきましょう。

ヒクイドリとは

 

ヒクイドリは、ヒクイドリ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属に分類される鳥類で、別名「オーストラリアヒクイドリ」や「オオヒクイドリ」と呼ばれています。
首が青くて美しい鳥なのですが、非常に恐ろしい一面も持っています。
まずは、そんなヒクイドリの生息域や生態について見ていきましょう。

生息域

ヒクイドリは、インドネシア南部からオーストラリア北東部にかけて生息しています。
その他、パプアニューギニアなどの島国にも移入されたことで定着しています。

ヒクイドリは主に熱帯雨林に分布しており、比較的標高の低い場所を好んで生息しています。
以前はもっと広範囲に生息していたのですが、熱帯雨林の減少とともにその個体数が減少してきているとされます。

他の移入動物の影響で数も減ってきたことから、近年では絶滅が危惧されている動物の一種です。

生態

ヒクイドリは、熱帯雨林に生えている果実を中心に食べて生きています。
基本的には雑食性なのですが、果実を丸飲みにするのがヒクイドリの食事方法です。

毒を持つ果実であっても安全に消化できるため、そのまま丸飲みしても大丈夫という驚異の能力があります。

雑食性ということもあり、カタツムリなどの昆虫類の他、甲殻類、菌類、さらには哺乳類の死骸なども食べることがわかっています。
1日に5kgもの餌を必要とする大食漢なので、目についた食べられそうなものは食べてしまう傾向にあるのだとか!

ただ、天敵であるオオトカゲに狙われると危険なため、常に警戒心を持っているという一面もあります。
しかしオオトカゲであってもヒクイドリの成鳥には敵わないことが多く、威嚇だけで逃げていくケースもあるそうです。

青く美しい首と頭の突起は大人の証

ヒクイドリの姿を見た際、ひときわ目を引くのはその首と頭です。
黒色の胴体に青色の首と頭、そして赤色の肉垂を持つ色彩豊かな外見をしています。

大人のヒクイドリは青く美しい首を持ち、頭には兜状の角質突起があります。
その見た目から、まるで太古の世界にいた恐竜の姿のようだと称されることもあります。

しかし、この特徴は成鳥だけ。
ヒクイドリの雛の体は色鮮やかではなく、天敵から姿を隠す効果もある茶色や焦げ茶色が一般的です。

名前の由来は喉の赤い肉垂れから

ヒクイドリという和名は、漢字で「火食鳥」と表記します。
これは火を食べるという意味ではなく、喉の赤い肉垂が火を食べているように見えたことから名付けられたという説があります。

子育てはオスの仕事

ヒクイドリは基本的に緑色の卵をメスが産み、オスがその卵を育てる習性を持っています。
鳥類では珍しい事ではないのですが、子育てはオスの仕事なのです。

しかし、その雛が生き残れる確率は1%以下という研究結果もあることから、その生存競争がいかに過酷かがわかりますね。

世界一危険な鳥

 

ヒクイドリは、ギネス世界記録に『世界一危険な鳥』と掲載されています。
とても臆病な鳥なのですが怒ったら話は別、恐ろしい一面も見せてくるのです。

世界で2番目に巨大な鳥

ヒクイドリは、まず何と言っても体が大きいです。
鳥類の中では、ダチョウに次いで大きな鳥となっています。

エミューという鳥の体高が最大2mにもなるので、体高はエミューに及ばないものの、体重は大きく上回ります。
ヒクイドリは最大身長が190cmほどで、最大体重が85kgにもなる巨大な鳥です。
対して、エミューは60kgほどとなっています。

ヒクイドリのすさまじいキック力

ヒクイドリが「世界一危険な鳥」だとされる理由は、体格ではありません。
怒った時に繰り出す"強力なキック"にあります!

時速50kmで走れるヒクイドリは、その勢いで蹴りを入れるため、その威力は動物の骨を簡単にへし折ってしまいます。
大抵の動物はヒクイドリの蹴りで一撃KOしてしまうでしょうし、中には人間の命を奪ってしまったヒクイドリもいるくらいです。

脚だけではなく爪も発達しているのが厄介なうえ、鱗に覆われた脚は鎧の如く万物を粉砕し、鋭い爪は肉を切り裂くのだとか・・・。
なんだか、ゲームや漫画などに出てくるモンスターみたいですね!

しかも、強烈なキックを浴びせるだけではなく、倒した相手の内臓を引きずり出すという残忍さもあるというのです!
鳥の中で世界一恐ろしいという看板は伊達ではありませんね!

実はヒクイドリはおとなしい鳥

 

「世界一危険な鳥」と言われるヒクイドリですが、実は大人しい鳥です。
自分から他の動物を襲うことはめったにないとされています。

ヒクイドリは温和で用心深い性格

ヒクイドリは、基本的に温和で用心深い性格です。
雛に危険が及ぶなど家族の危険がない限り、恐ろしい蹴りを繰り出すことはありません。
とはいえ、不用意に近づくとヒクイドリの逆鱗に触れることもあるので、そこは十分に注意しておきたいです。

食用にもされるヒクイドリ

ちなみにヒクイドリは食用とされることもあり、現地では食用に捕獲されているということも、その数を減らしている一端とされています。

まとめ

世界一危険な鳥はとされるヒクイドリ。
時速50kmで走れる脚力と、硬い鱗と鋭い爪を持つその足から繰り出されるキックの攻撃力は相当なものとされています。
ただし、ヒクイドリは普段は大人しいので、強力な蹴りをやたらと繰り出すわけでもありません。

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