
何を言っているかわからない人に対して、「あの人はとんちんかんだな」と表現することがありますよね。
この「とんちんかん」という言葉は本来どんな意味なのでしょうか?
ここでは「とんちんかん」という言葉の意味や、由来について見ていきましょう。
目次
とんちんかんの2つの意味

日常会話でも出てくる「とんちんかん」という言葉が持つ意味について見ていきましょう。
辻褄が合わないこと
とんちんかんとは、辻褄が合わないことを意味します。
ちぐはぐな言動をする人に対して使う言葉で、会話の中で話していることがうまく噛み合わない時などに使います。
例えば「とんちんかんな会話をするな」や、「とんちんかんな受け答えになっている」などは、受け手にとって見当違いな言葉が返ってきたときに使われます。
また、話の前後で話が合わない際にも用いられます。
間が抜けていること
辻褄が合わない以外にも、間が抜けているという意味でも使われます。
間抜けな人や、間抜けな言動に対して用いられます。
「とんちんかんな人」といった形容詞的用い方がされることもあるのですが、「このとんちんかんめ!」のように名詞となることもあります。
世間と少しずれている人のことを、表現することも多いですね。
とんちんかんの由来

ここからは、「とんちんかん」という言葉が生まれた経緯について見ていきましょう。
由来は鍛冶師から
とんちんかんという言葉は、鍛冶屋の作業の音から来たとされています。
刃物をハンマーで叩いて形を整えていく際、鍛冶屋では2人組で作業が行われ、ひとりがまず鉄を打つと、そこに間を置かずもうひとりが槌を入れます。
この時、「トン!チン!カン!」と音が重ならない様子を描写したとも、槌を入れる人がうまくできていない様子から生まれたとされています。
そこから転じて、ちぐはぐな様子や的外れな様をあらわす言葉になったとされています。
漢字表記の由来
とんちんかんの漢字表記は、「頓珍漢」となります。
「頓」は急であることを意味する他、にわかを意味する言葉です。
「珍」は珍しいことや貴重なこと、「漢」は中国や男のことを意味します。
そのままでは意味も分からない、漢字の羅列ですね。
それもそのはず、頓珍漢という表記は当て字なのです。
とんちんかんが意味する、「ちぐはぐ」ってなに?

とんちんかんには「ちぐはぐ」という意味があるのですが、考えてみるとこの「ちぐはぐ」という言葉も不思議な語感がありますよね。
ここからは、この「ちぐはぐ」という言葉について見ていきましょう。
ちぐはぐの語源
ちぐはぐとは、2つ以上のものが食い違うことを指す言葉です。
うまく噛み合っていないことや調和していないことを意味する言葉となっています。
ちぐはぐの「ちぐ」は金槌を意味する「鎮具(ちぐ)」のことで、「はぐ」とは釘抜きを意味する「破具(はぐ)」が由来とされています。
どちらも大工用語ということになります。
釘を打つ鎮具と、釘を抜く破具。
これらを交互に使っていては、釘を打っては抜いているだけなので、仕事がちっとも進みませんね。
そんな何をしたいのかが分からない様子をたとえて、ちぐはぐという言葉が生まれたとされています。
また、「ちぐ」が一具を、「はぐ」は剥ぐのことだとする説もあります。
一具とは「物が一揃いになっていること」で、剥ぐは「欠ける」という意味です。
本来は揃っている(一具)はずのものが欠けている(剥ぐ)ことから、ちぐはぐという言葉を使うようになったのではないかということです。
とんちんかん・ちぐはぐの類義語
「とんちんかん」や「ちぐはぐ」の類義語としては、「矛盾」や「支離滅裂」などがあげられます。
矛盾
矛盾は、「つじつまが合わないこと」や「前後で話が一致しないこと」を意味します。
どんな盾も貫く矛と、どんな攻撃も防ぐ盾を売り文句に販売する商人に対して、「その矛で盾を突けばどうなるか」と尋ねる人物がいました。
これに対して商人は答えることができなかった、という中国の「韓非子」に書かれた一説から生まれた言葉です。
矛が盾を貫いても、盾が矛を防いでも、商人の売り文句は辻褄が合わなくなってしまうので、これまでの発言がウソになってしまいますよね。
支離滅裂
言葉や行動に、「一貫性が欠けていて趣旨がひとつにまとまっていない状態」を意味します。
"細かくバラバラに離れること"を意味する「支離」と、"統一性が無いことから形が整わないこと"をあらわす「滅裂」が合わさってできた言葉です。
まとめ
「とんちんかん」という言葉は、辻褄が合わないことや間が抜けていることを意味しています。
同じような「ちぐはぐ」という言葉にも、それらの意味があります。
由来は鍛冶屋や大工などからそれぞれ生まれたもので、どちらもずれている様子を指す言葉です。