花梨の花言葉はなに?縁起物として昔から庭木にされる花梨は梨とは無関係だった

花梨といえば、のど飴やジュースなどでなじみ深い果物ですよね。
花梨には「梨」という文字が入っているので、梨科の植物だと思い込んでいる人がいますが、実は梨とは無関係なんです。

ここでは、昔から縁起物として庭木にされることが多い「花梨」の花言葉について解説します。

花梨とは?

 

花梨はバラ科カリン属で、高さ8m程度の落葉高木です。
庭園樹として人気があり、全国各地で実がたくさんなった花梨の樹を見ることができるでしょう。

特徴

花梨には咳止め効果があるとされ、古くから薬用として用いられてきました。
様々なメーカーから出ている"かりんのど飴"を、一度は口にしたことがあるという人も多いでしょう。

花梨の果実はとても硬くて渋味が強いため、生のままでは食べられません。
そこで、砂糖漬けや果実酒に利用されていますが、芳しい香りをさせます。

また、花梨の木肌はとても美しく果実も風情があるため、庭木や盆栽としてよく用いられています。

開花時期と収穫時期

花梨はのど飴やジュースに使われることから果実の方が知名度が高いですが、花も咲かせます。
いつ頃どのような花を咲かせるのか、そしてその後いつ果実がなるのかを見てみましょう。

開花時期

 

花梨の花は4月~5月頃に新葉とともに咲きます。
花は5枚の花弁からなる、白や淡いピンク色、淡紅色をしており、大きさは直径3㎝程度です。

収穫時期

 

果実は、長さ10㎝ほどの縦長の楕円形をしており、表面は無毛で、黄色く色づくのが特徴です。

収穫時期は10月~11月頃です。
前述のように芳醇な香りがするため、収穫した果実を部屋に置いておくと部屋中が花梨の香りで満たされます。

原産

花梨の原産国は中国東部で、山東省、湖北省、江西省などに分布します。
日本への伝来時期ははっきりと分かっていませんが、古くから花梨は日本でも育てられています。

一説には、弘法大師が中国(当時は唐)から持ち帰ったのがはじまりともいわれています。

花の名前の由来

「花梨」という花の名前は、三味線の胴や竿、座卓などに使われる唐木の「花櫚(かりん)」に材の木目が似ていることから名付けられました。

また、花梨の果実は「和木瓜(わもっか)」とも呼びます。
名前に「梨」という漢字が入っていますが、梨とは無関係となっています。

花梨は学名を「Pseudocydonia(プセウドサイドニア)」と言います。
これはギリシア語の「pseudos(偽)」と「Cydonia(マルメロ)」が由来となっており、カリンとマルメロがよく似た近縁種であることから来ています。

花梨の花言葉

 

白や淡いピンク色の可愛らしい花をつける花梨の花言葉をご存じですか?
ここでは花梨の花言葉について見ていきましょう。

花梨全般の花言葉

花梨の花言葉は主に2つあります。


・豊麗 
・唯一の恋

どちらも美しい言葉です。
淡いピンク色の花の雰囲気にぴったりと合っています。

花言葉の由来

花梨の花言葉である「豊麗」とは、肉付きがよくて美しいことを意味します。

この花言葉は、花梨の果実からきています。
花梨の果実は肉付きがとてもよく、芳しい香りがしますよね。
見た目も香りも美しいその果実は、まさに「豊麗」です。

また、春になると淡いピンク色の花を豊かに咲かせることも「豊麗」という花言葉の由来になっているそうですよ。

もう1つの花言葉「唯一の恋」は、花梨の花が由来となっています。
花梨は白や淡いピンク色の愛らしい花を咲かせます。
その花がまるで恋をする乙女のような姿をしていることから「唯一の恋」という花言葉になったとされています。

また、花梨は「バラ科カリン属」に分類される「唯一」の植物です。
これが転じて「唯一の恋」となったのでは?ともいわれています。

花梨の豆知識

 

果実酒やのど飴、砂糖漬けなどで用いられる花梨は、庭木の樹木として非常に人気がありますね。
ここでは花梨の豆知識をまとめてみました。

縁起物として庭に植えられた花梨

花梨は、古くから金運アップや商売繁盛の縁起物として庭に植えられてきました。

縁起物と言われるようになった理由は「花梨」の名前にあります。

「金は貸すが借りん」という語呂合わせから、前庭に「カシノキ(貸す)」を、裏庭に「花梨(借りん)」を植えると縁起担ぎとなるといわれるようになりました。
この語呂合わせから盛んに植えられるようになったのです。

また、花梨の実は天に向かって付くことが多いため、縁起がよいともいわれています。

混同される植物の多い花梨

花梨には非常によく似た植物がいくつかあることから混合されることも。
花梨と似た植物として有名なのが、「マルメロ」「パパイア」「花梨(マメ科植物)」です。

それぞれの違いについて見ていきましょう。

マルメロ

マルメロは、花や実が花梨とよく似ていることから混同されることがあります。
しかし、マルメロと花梨は分類・原産地・果実の表面・葉の形状などに違いがあります。

花梨は中国が原産地ですが、マルメロはイランやトルコなど中央アジア原産の植物です。

果実は、花梨は表面に線毛がなくツルツルしていますが、マルメロは線毛がたくさんあり、見た目が西洋梨のような形をしています。

また、葉っぱの形状も異なり、花梨の葉はギザギザしていますが、マルメロの葉はギザギザしていません。

パパイア

花梨の和名は「木瓜(モッカ)」と言います。
パパイヤの和名はいくつかあるのですが、その中の1つが「木瓜」です。

同じ和名を持つため、花梨とパパイヤは混同されることがあります。

花梨

マメ科シタン属の広葉樹で「花梨(カリン)」という植物があります。
姿形は全く別物なのですが、花梨と同じ名前のため混同されることがあります。

まとめ

 

喉に良い果物として花梨配合の、のど飴などをよく見かけますよね。

庭木としても馴染み深い花梨の花言葉は、「豊麗」「唯一の恋」です。
花梨の果実や愛らしい花の見た目から、このような花言葉が名付けられました。

甘酸っぱい香りの果実と、淡いピンク色の可愛いお花を連想させるぴったりの花言葉ですね。

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